【世界で急増?】若者の大腸がん:放置してはいけない「危険な症状」とは?

急増する若者の大腸がん──見逃してはいけない危険なサインとは

ここ数年、世界中で若い世代に大腸がんが増えているという衝撃的な報告が相次いでいます。
かつて大腸がんといえば中高年以降に多い病気とされてきましたが、いまや20代、30代の若者でも発症するケースが珍しくありません。今回は、急増する若年層の大腸がんの現状と、その背景、そして見逃してはいけない危険な症状について詳しく解説します。

若年層に広がる大腸がんの現実

若年層に広がる大腸がんの現実

まず、海外メディアで大きな話題となったのが、2023年3月3日に「ハフポスト(HuffPost)」が報じた記事です。
タイトルは「若者の間で大腸がんが“不安になるほどのスピード”で急増」というもので、アメリカがん協会の最新研究をもとにしています。報告によると、55歳以下で大腸がんと診断される割合は、1995年の11%から2019年には20%へとほぼ倍増。特に20代の増加率が最も高いことが指摘されています。

さらに2023年1月、プレジデントオンラインでも「高齢者より発見が遅れがちで悪性度が高い…20代の大腸がんが25年で3倍に急増」という記事が掲載されました。この記事では、アメリカの老年医学・内科専門医である山田悠史先生が監修し、欧米のみならずアジア諸国でも若年層の大腸がんが増えており、「日本も例外ではない」と警鐘を鳴らしています。

若い人に発症する大腸がんのもう一つの特徴は、発見が遅れやすいということです。
「まさか自分ががんになるはずがない」という思い込みから、症状が出ても受診を先延ばしにしてしまうケースが多く、結果として進行した段階で見つかることが少なくありません。さらに、若年層の大腸がんはがんそのものの悪性度が高い傾向があるとも報告されています。

世界でも広がる懸念──韓国が“若年層大腸がん”世界1位

ヤフーニュースで紹介された米コロラド大学の調査によると、世界42か国の20〜40代の大腸がん発生率を比較した結果、韓国が世界で最も高い発症率を示しました。
お隣の国でこれほど高い発生率が報告されていることは、日本に住む私たちにとっても決して他人事ではありません。
韓国と日本は食文化や生活習慣が似ており、今後日本でも同様の傾向が進む可能性が十分にあると考えられています。

若い世代で大腸がんが増えている理由

若い世代で大腸がんが増えている理由

では、なぜ若者のあいだで大腸がんが増えているのでしょうか。
現時点では、明確な原因はまだ完全には解明されていません。しかし、多くの専門家は食生活の変化を大きな要因の一つとして指摘しています。

特に、近年の若者の食事は「ファーストフード」「加工食品」「高脂肪・高カロリー食」に偏りがちです。
こうした西洋型の食生活は腸内環境に悪影響を及ぼし、腸内に「発がん性を持つ悪玉菌」が増えることがわかっています。実際、ある研究では、ファーストフードを頻繁に摂る人の腸内には「発がんを促進する大腸菌」が増加していることが確認されています。

また、野菜や食物繊維の摂取量が少ないこと、運動不足、睡眠リズムの乱れ、ストレスなども大腸がんのリスクを高める要因として考えられています。さらに、遺伝的な要因も一定数存在し、家族に大腸がんの既往がある場合には特に注意が必要です。

若年層の大腸がんに多い症状とは?

若い人の大腸がんの特徴を詳しく調べた研究も報告されています。
アメリカの大学病院で行われた調査(Surgery誌掲載)では、50歳未満で大腸がんと診断された286人の症状を分析しています。

その結果、次のような特徴が明らかになりました。

  • 95%の患者が何らかの症状を自覚していた
  • 85%の患者は2つ以上の症状を同時に訴えていた

主な症状としては、

  1. 腹痛(63%)
  2. 排便習慣の変化(54%)
  3. 下血(血便)(53%)
  4. 体重減少(32%)
    が多く見られました。

排便習慣の変化については、「便秘」よりも「下痢」が多かったことも興味深い点です。
また、半数以上の患者が症状を感じてから3か月以上も受診を遅らせていたという事実もわかりました。
つまり、「症状を感じていても放置してしまう」ことが、若者の大腸がんの進行を早めてしまう一因になっているのです。

見逃してはいけない「赤信号」

見逃してはいけない「赤信号」

若者の場合、定期的ながん検診を受ける機会が少ないため、症状の早期発見が極めて重要です。
次のような症状がある場合は、軽く考えずにすぐに受診することが大切です。

  • 原因不明の腹痛が続く
  • 下痢や便秘が繰り返し起こる
  • 便に血が混じる、または黒っぽい便が出る
  • 体重が急に減少した
  • 慢性的な疲労感がある

これらの症状は、痔や腸炎などでも起こることがありますが、がんの初期症状である可能性も否定できません。
特に3週間以上続くようであれば、自己判断せずに、消化器内科や大腸・肛門科を早めに受診することをおすすめします。

まとめ──「自分は若いから大丈夫」とは限らない

若年層の大腸がんは、世界的にも急速に増加しています。
日本でも今後、同様の傾向が進む可能性があり、早期発見・早期治療がこれまで以上に重要になります。
若いからといって油断せず、体のサインに耳を傾けることが何より大切です。

とくに、腹痛や下血、排便習慣の変化などの症状がある場合は、ためらわず医療機関を受診しましょう。
大腸がんは、早期に発見すれば治る可能性の高いがんです。
自分の健康を守るために、「気づいたらすぐ受診する」という意識を持つことが、何よりの予防になるのです。