
腸の中で食べ物や便がうまく進まなくなり、つまってしまうことがあります。これを「腸のつまり」と呼ぶことがあります。腸がつまると、腹痛や吐き気、食欲不振などの症状が出て、とてもつらくなることがあります。特に、高齢の方や胃や腸の手術をしたことがある方、消化力が弱くなっている方は注意が必要です。
腸がつまる原因はいろいろあります。手術後の腸のくっつきや、腫瘍によるふさがりなどが一般的です。その中でも、食べ物が原因で腸に詰まることがあります。これを「食べ物による腸のつまり」と呼ぶことがあります。今回は、腸につまりやすい代表的な食べ物を5つ紹介します。
おもちが腸につまるケースは特に高齢者に多く報告されています。おもちがのどに詰まると窒息の危険がありますが、腸に詰まることもあります。正月などおもちを食べる機会が増える時期には注意が必要です。小さく切って、よく噛んで食べることが大切です。
昆布は水分を含むと膨らむため、丸ごと食べたり大量に食べたりすると腸の中で塊になりやすくなります。お菓子の「おしゃぶり昆布」なども腸に詰まる原因になります。昆布以外の海藻、たとえばわかめなども同じように注意が必要です。
こんにゃくや糸こんにゃくも、腸のつまりを起こすことがあります。鍋料理で糸こんにゃくをたくさん食べて腸に詰まった例も報告されています。柔らかい食材でも消化されにくいことがあるため、少量ずつよく噛んで食べることが大切です。
柿や干し柿も腸のつまりの原因になります。柿が胃の中で固まって「石のようなかたまり」になることがあります。このかたまりが腸に流れて腸をふさいでしまうことがあります。柿を食べるときは小さく切って、よく噛むことが大切です。
ゴボウなど食物繊維が多い根菜類も腸につまりやすい食材です。ゴボウを大量に食べて腸が詰まった例があります。その他の根菜も、食べすぎると腸に負担がかかります。適量を守り、よく噛んで食べることが大切です。

実際に食べ物で腸が詰まった例があります。60代の男性が突然、腹痛と吐き気で病院を受診しました。調べてみると、小腸の一部が詰まっており、それより口側の腸は膨らんでいました。鼻から管を通しても改善せず、手術で詰まった部分を取り除くことになりました。腸を開けてみると、大量の糸こんにゃくが出てきました。この方は、前日に食べた糸こんにゃくが原因で腸が詰まったと考えられました。
この例からわかるように、消化されにくい食べ物や量が多い食べ物は、腸に詰まる危険があります。特に、胃や腸の手術を受けた方は、腸の一部が狭くなっていたり、腸同士がくっついていたりすることがあり、より注意が必要です。
腸につまりやすい食べ物を食べるときには、以下の工夫をするとリスクを減らせます。
特に海藻、根菜、柿、こんにゃく、おもちなどは、消化されにくく腸に詰まりやすい食材です。少量ずつ、よく噛んで食べることが大切です。
高齢者や胃腸の手術を受けた方は、普段以上に注意してください。消化力が落ちていたり、腸が狭くなっていたりすると、普段は問題ない食べ物でも腸に詰まることがあります。

腸につまりやすい食べ物は、私たちの食卓でよく見かけるものばかりです。しかし、食べ方や量を工夫すれば、腸のトラブルを予防できます。特に高齢者や手術経験がある方は、食べる前に小さく切ったり、よく噛んだり、少量ずつ食べることを心がけましょう。これだけで、腸のつまりのリスクを大幅に減らすことができます。
腸の健康を守るために、食べ方の工夫を日常に取り入れてみてください。無理に食べ過ぎず、ゆっくり味わいながら食べることが、腸を守る一番のポイントです。