私たちの体の中心を縦に貫く
「脊椎(せきつい)」。
この背骨は、骨格の中でもとくに重要な働きを担っており、
姿勢を保つだけでなく、
体を曲げたりひねったりする際
の中心となる構造です。
さらに、体の神経の
大動脈ともいえる脊髄を外部から守る
という、大切な役割も担っています。
普段はあまり意識することがありませんが、脊椎の内部では
複雑で精巧な仕組みが働いています。
本記事では、脊椎の構造や役割、背骨を支える筋肉や靭帯、
そして脊髄神経の通り道まで、丁寧にわかりやすく解説していきます。

脊椎は一本の長い骨ではなく、椎骨(ついこつ)
と呼ばれる個々の骨が積み木のように重なった構造です。
大きく次の5つの部分に分類されます。
このように、全部で 24個の可動性のある椎骨 と、仙骨と尾骨
からなる構造が脊椎を形成しています。
椎骨はすべて同じ形ではありませんが、共通した基本構造を持っています。
椎骨は、一つひとつが動くことで、背骨全体
として大きな可動性を生み出しています。

椎骨と椎骨の間には、
**椎間板(ついかんばん)**
というクッションがあります。
椎間板は次の二重構造になっています。
椎間板は、
という重要な働きを担っています。
脊椎はS字カーブを描くように湾曲しており、この形状が体重を効率よく分散しています。
このカーブによって、歩行時の衝撃や体重の負荷を
柔らかく受け止め、力を均等に分散することができます。
また、椎体と椎間板、さらに椎骨につく筋肉や靭帯が協力し、全身をしっかりと支えています。
背骨の動きは、以下のような動作で構成されています。
1つの椎骨の動きはごく小さいものですが、複数の椎骨が
連動することで大きな可動性が生まれます。
特に腰椎は前後方向に曲げ伸ばししやすく、頚椎は回旋運動が得意です。
背骨の動きは多くの筋肉が支えていますが、代表的なのは次の筋群です。
● 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
背中をまっすぐ起こす働きをもつ大きな筋肉で、姿勢保持の中心になります。
● 多裂筋(たれつきん)
椎骨ひとつひとつに付着し、微妙な姿勢調整や安定性に寄与します。
● 腸腰筋(ちょうようきん)
腰椎から股関節につながり、上半身と下半身をつなぐ“コア”となる筋肉。
● 広背筋・僧帽筋
背中の大きな筋肉で、腕や肩の動きと密接に関わります。
これらの筋肉が強調し合うことで、脊柱は安定し、柔軟性のある動きが可能になります。

脊椎は強靭な靭帯によって補強されています。
靭帯は筋肉とは違い、常に張力を持って背骨の形態を保持する“固定装置”として働いています。
脊髄は、椎骨の中央に形成される
「脊柱管(せきちゅうかん)」
というトンネルを通っています。
などで囲まれており、外部からの衝撃や圧迫を受けないよう強固に守られています。
さらに、椎骨の左右には
「椎間孔(ついかんこう)」
という穴があり、ここから神経が
枝分かれして全身へと向かっていきます。
脊髄を走る神経は、身体中に張り巡らされた神経ネットワーク
の“幹線道路”のような役割を果たします。
脊髄から出た神経は、
として全身に広がり、体の隅々まで情報を送受信しています。
■ まとめ
・脊椎は24個の椎骨と仙骨・尾骨から構成され、体を支えながら広い可動性を実現している
・椎間板は衝撃吸収と動きの滑らかさを担う重要なクッション
・背骨を動かすのは脊柱起立筋や多裂筋などの深層筋
・強靭な靭帯が背骨の安定性を守っている
・脊髄は脊柱管の中で守られ、そこから全身へ神経が枝分かれする
脊椎は、単なる“体の支柱”ではなく、体の動き・安定・神経
の保護すべてを担う重要な器官です。
日々の姿勢や運動習慣によってその状態は大きく変わるため、
普段から背骨を大切にすること
が健康の基本と言えるでしょう。