
がんの治療中や治療後に、体重や筋肉量の減少に悩む患者さんは少なくありません。体重が減ると体力が低下し、治療に耐える力も弱くなることがあります。そのため、体重を維持したり、筋肉を増やすことは、がん患者さんにとって非常に重要です。
がん患者さんにプロテインの摂取をおすすめと言われています。プロテインは、筋肉の維持や増強に役立つ栄養補助食品であり、体重減少が気になる患者さんや、筋肉を増やしたい方にとって理想的なサプリメントです。実際に、プロテインを摂取することで筋肉量の維持や増加に寄与するという研究結果もあります。ただし、プロテインは必ずしも「絶対に必要なもの」ではありません。日常の食事で十分な栄養が摂れている場合は必須ではありませんが、体重や筋肉量を増やしたい方には積極的に取り入れていただきたい食品です。
プロテインをおすすめすると、多くの患者さんからさまざまな質問をいただきます。今回は、特によく聞かれる5つの質問に対する回答を紹介します。
プロテインには大きく分けて、ホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインの3種類があります。ホエイとカゼインは牛乳由来、ソイは大豆由来です。基本的にはどれを選んでも問題ありませんが、目的や飲みやすさで選ぶことをおすすめします。
短期間で筋肉量や体重を増やしたい場合には、吸収速度が速く効率の良いホエイプロテインが適しています。一方で、長期的に飲み続ける場合や植物性食品を好む方にはソイプロテインでも十分です。
おすすめは、DNSの「ホエイプロテインSP」です。このプロテインにはHMBという必須アミノ酸ロイシンの代謝物が含まれており、筋肉の分解を防ぐ効果が期待できます。短期的な筋肉維持や増強には非常に適した製品です。

プロテインの摂取タイミングも重要です。研究によれば、運動後30分以内にプロテインを摂取すると、筋肉の合成が最も効率的に行われることがわかっています。そのため、特に筋トレや軽い運動をした後には、速やかにプロテインを摂取することが望ましいです。
また、朝食時にタンパク質を多めに摂取すると筋肉がつきやすいという報告もあります。したがって、朝食のタイミングにプロテインを取り入れることは、日常生活においても効果的な方法と言えます。運動直後と朝食のタイミングを意識することで、効率的に筋肉量を維持・増加させることが可能です。
ホエイプロテインは牛乳由来のため、「乳製品が乳がんに悪影響を与えるのではないか」と心配される方もいます。しかし、現在の研究では、乳製品が乳がんの発生や進行を直接的に促進するという確固たるエビデンスはありません。一部の研究を除けば、通常量の牛乳や乳製品の摂取で乳がんのリスクが増加するという明確な報告はないため、過度に心配する必要はないと考えられます。
「プロテインを摂りすぎると腎臓に負担がかかるのではないか」という質問もよくあります。プロテインは基本的に食品であり、推奨量を守って摂取していれば健康な腎臓には大きな影響はありません。通常の摂取量であれば問題ないと考えられます。ただし、腎臓に障害がある方や腎不全の方は、医師と相談のうえ摂取量を調整することが重要です。
加工食品であるプロテインには、香料や乳化剤、甘味料(アスパルテームやL-フェニルアラニン化合物)、着色料などの添加物が含まれています。添加物の健康への影響を完全にゼロにすることは難しいですが、現時点では重大な健康被害の報告はほとんどありません。
プロテインのメリットである筋肉維持や体重増加効果に目を向け、過度に添加物を恐れるよりも、バランスを考えながら取り入れることが重要です。日常の食事では摂取しにくいタンパク質を効率的に補うためのツールとして、プロテインは有効だといえます。

プロテインは、がん患者さんの体重や筋肉量の維持・増加に役立つ、便利で安全なサプリメントです。ホエイ、ソイ、カゼインなど種類は複数ありますが、目的や好みに合わせて選べば問題ありません。
摂取のタイミングは、運動後や朝食時に意識するとより効果的です。また、乳がんや腎臓への影響も通常量であれば心配なく、添加物も現在の知見では大きなリスクはありません。
体重や筋肉量の減少が気になる方、筋肉を増やしたい方は、プロテインを活用して、日常生活や治療への耐久力を高めることを検討してみてください。医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った方法で取り入れることが大切です。