知られざる「坐骨神経」の役割と、坐骨神経痛が本当に起こる理由とは?
みなさん、こんにちは。
今回は、誰もが一度は聞いたことのある有名な神経、「坐骨神経(ざこつしんけい)」について、詳しく、そして丁寧にお話ししていきます。
坐骨神経は、人体の中で最も太く、長い神経であり、足の動きや感覚を担ううえで欠かせない存在です。ところが、多くの人が経験する「坐骨神経痛」は、実は坐骨神経そのものには原因がない。という、とても興味深い特徴があります。
この記事では、坐骨神経の役割や構造、そして坐骨神経痛が起こる理由を解説していきます。

人体の背面、お尻のやや深い部分を通る場所に、左右1本ずつの太い神経が走っています。
その大きな神経こそが「坐骨神経」です。
坐骨神経は腰から足の先までをつなぐ長い神経で、次のような特徴を持ちます。
つまり、坐骨神経は足の神経の「幹」にあたる、極めて重要な神経です。
例えば、もし怪我などによって坐骨神経が途中で切断されてしまうと、その先に伸びる神経がすべて働かなくなり、足がほとんど動かなくなってしまいます。それほど重要な神経であることを覚えておいてください。
坐骨神経は突然お尻に現れるわけではありません。その上流には、さらに重要な神経があります。
● 腰神経(ようしんけい)
腰の骨(腰椎)は全部で5つありますが、その5つの椎体の隙間から左右に伸びる神経が「腰神経」です。これらが束になり、さらに太い坐骨神経へと合流していきます。
● 馬尾神経(ばびしんけい)
腰神経をもっと上流へたどっていくと、最終的には脊柱管内を通る「馬尾神経」へと到達します。
馬尾神経は、脊髄の下部で多数の神経が束ねられた状態で存在しており、坐骨神経を含む多くの神経の根っこ(源流)となる重要な部分です。

多くの人が勘違いしていますが、
坐骨神経痛=坐骨神経が悪いから起こるもの
ではありません。
実際には、坐骨神経痛は坐骨神経そのものの故障ではなく、もっと上流にある、馬尾神経や腰神経が圧迫されることで起こる「関連痛」なのです。
つまり、痛みを感じている場所はフェイク(偽物)で、
本当の原因は腰にあることが多いのです。
● 最も多い原因:腰椎椎間板ヘルニア
椎間板が後ろへ飛び出し、馬尾神経を圧迫すると、神経の下流にある坐骨神経に“痛みとしての異常信号”が送られます。
すると、
といった坐骨神経痛が現れます。
しかし、本人は「足やお尻が痛い」と感じていても、腰そのものはまったく痛くないことも珍しくありません。
これが、坐骨神経痛が非常に不思議な症状と言われる理由です。
神経は“電気のケーブル”のようなもので、どこか上流が損傷すると、その下流にある部分に異常信号が流れてしまいます。
坐骨神経痛は、まさにこの仕組みで痛みが起きます。
というアンバランスな状況が生まれるのです。

坐骨神経は、人体の中でも特に重要な役割を持つ神経です。その太さ、長さ、そして足全体に枝分かれして広がる姿は、まさに“神経の幹”と言える存在です。
そして、多くの人が悩む坐骨神経痛は、実は坐骨神経自身の問題ではなく、
腰にある馬尾神経や椎間板が原因で起こる痛みだということを、ぜひ覚えておいてください。
痛みの感じ方は身体の不思議をよく表しており、神経の働きを知ることで、自分の体をより深く理解することができます。坐骨神経について学ぶことは、腰痛や足のしびれといった、身近な症状への理解にも大いに役立つでしょう。
以上、坐骨神経についての解説でした。