がんの大敵「ストレス」を減らす方法3つ

がんの大敵「ストレス」を減らす方法3つ

がんの大敵「ストレス」を減らす3つの方法

がんの大敵「ストレス」を減らす3つの方法

現代社会を生きる私たちにとって、ストレスは切っても切り離せない存在です。仕事や家庭、あるいは人間関係に至るまで、日々の生活の中で多くの人が何らかのストレスを抱えています。しかし、このストレスが積み重なると、心身にさまざまな悪影響をもたらすことが分かっています。特に、がんとの関係は近年ますます注目されており、研究が進むにつれて、ストレスががんの発生や進行に影響を与える可能性が指摘されるようになってきました。

動物実験の領域では、慢性的なストレスを受けたマウスにおいて、がんの進行が通常よりも早まったという報告があります。さらに、人を対象とした165の研究を総合的に解析した結果、ストレスがある環境にいる人ほど、本来は健康であってもがんを発症するリスクが高くなるというデータも示されています。

では、ストレスがなぜがんと関わるのでしょうか。人はストレスを受けると、脳からの指令によって副腎皮質から「コルチゾール」などのホルモンが分泌されます。同時に自律神経の働きが変化し、副腎髄質(ふくじんずいしつ)からアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンも放出されます。これらのストレスホルモンは、短期的には身体を守るために働くのですが、慢性的に分泌され続けると、免疫機能を低下させることが分かっています。免疫力の低下は、体内で生まれたがん細胞を排除する力を弱めてしまい、その結果、がんの発生や進行を促してしまう可能性があるのです。

だからこそ、ストレスを減らし、心身の負担を軽くすることは、がんの予防や進行の抑制において非常に重要なポイントとなります。そこで今回は、日常生活に取り入れやすい「ストレスを減らす3つの方法」を紹介します。

1.静かな環境で、暗い部屋で十分な睡眠をとる

質の高い睡眠は、ストレスケアの中でも最も重要な要素のひとつです。近年の研究では、生活環境のストレスががんのリスクを高めることも示されており、特に「騒音」と「夜間の光環境」が注目されています。

たとえば海外の研究によると、交通量の多い道路の近くに住んでおり、騒音に日常的にさらされている人は、静かな地域に住んでいる人と比べて乳がんの発症リスクが高いという報告があります。また、夜間の照明が明るい都市部に住む人は、夜が暗い地域に住む人に比べて、すい臓がんを発症するリスクが27%も高いというデータがあります。

その原因のひとつとして考えられているのが「メラトニン」の分泌不足です。メラトニンは睡眠を誘うホルモンとして知られていますが、同時にがんの発生を抑制する働きもあると考えられています。寝室が明るい、寝る前に強い光を浴びるといった環境では、メラトニンの分泌が低下してしまう可能性があります。

したがって、睡眠をとる際には、

  • 部屋をなるべく暗くする
  • 静かな環境を整える
  • 毎日一定の時間に就寝する習慣をつくる

といった環境設定が非常に大切です。一般的には7〜8時間の睡眠が理想とされますが、体質によって必要な睡眠時間は異なりますので、自分にとって最適な睡眠時間を確保することが重要です。

睡眠リズムが乱れがちな方は、市販されているメラトニンのサプリメントを就寝前に活用する方法もあります。ただし、体質や薬との相性を考える必要があるため、使用前に専門家へ相談するとより安心です。

2.自然に触れる時間をつくる

新型コロナ以降、外出を控える生活が続き、自宅にこもりがちな時間が増えた方も多いかもしれません。しかし、外に出る機会が極端に減ると、ストレスは蓄積しやすくなります。そこでおすすめしたいのが、意識的に「自然に触れる時間」をつくることです。

特に「森林浴」は、ストレス解消効果があるだけでなく、免疫機能を高めることが分かっています。森林浴を行うと、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれる免疫細胞の活動が活発になるという研究結果があります。NK細胞は、体内でがん細胞を発見し排除する働きを担う非常に重要な細胞です。

週に一度でも構いません。近所の公園を散歩する、自然の多い場所で深呼吸する、街路樹のある道を歩くなど、緑に触れる機会を意識的につくるだけで心身がリフレッシュされます。忙しい日々の中でも、自分のペースで自然を感じる時間を持つことが大切です。

3.1日1回、瞑想やヨガで心を整える

ストレスと上手に付き合うための方法として、瞑想、とくに「マインドフルネス瞑想」を取り入れることをおすすめします。

マインドフルネスとは、「今、この瞬間に意識を向け、現実をありのままに受け入れる」という心の状態のことです。瞑想によって、散漫になっていた意識を“いま”に集中させることで、心が落ち着き、不安やストレスが軽減されます。

欧米では、マインドフルネスをベースにしたストレス軽減プログラムが医療機関や教育現場で広く活用されています。乳がん患者を対象に行われた臨床試験でも、マインドフルネス瞑想によってストレスが軽減され、生活の質が向上したというデータが報告されています。

マインドフルネスの入門書や専門書も多く出版されており、動画やアプリでもガイド付き瞑想が手軽に行えます。「1日5分だけ」でも効果が期待できるため、無理なく続けることが大切です。

おわりに

おわりに

以上、がんの大敵である「ストレス」を減らす3つの方法を紹介しました。

  1. 静かで暗い環境を整え、質の高い睡眠をとる
  2. 自然に触れ、心と体をリフレッシュする
  3. 瞑想やヨガで心のケアを行う

どれも日常生活に取り入れやすい方法ばかりです。特別な準備がなくても、今日から少しずつ始められるものばかりですので、ご自身のペースで無理なく続けてみてください。心身の健康を保ち、がんをはじめとする病気の予防にもつながる生活習慣を、ぜひ積極的に取り入れていただければと思います。