大腿四頭筋とは

私たちが歩いたり立ち上がったり、階段を上り下りしたりするとき、
実は太ももの前にある大きな筋肉が大きな働きをしています。
その筋肉こそが

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

です。

スポーツをしている方はもちろん、日常生活を
快適に過ごす上でも欠かせない存在ですが、実際にどのような
構造になっているのか、意外と知られていません。

本記事では、大腿四頭筋の構造・働き・周囲の関係まで、
できるだけ丁寧にわかりやすく解説していきます。

太ももに手を当てながら読み進めていただくと、
より理解しやすいかもしれません。

■ 大腿四頭筋とはどんな筋肉?

■ 大腿四頭筋とはどんな筋肉?

大腿四頭筋は、名前の通り

“4つの筋肉(四頭)”

の集合体で構成されています。

太ももの前面を広く覆っており、人間の
身体の中でも特に大きく強力な筋肉の一つです。

太ももを触ると広く硬い部分がありますが、
そのほとんどが大腿四頭筋です。

大腿四頭筋を構成する筋肉は以下の4つです。

  1. 大腿直筋(だいたいちょっきん)
  2. 内側広筋(ないそくこうきん)
  3. 外側広筋(がいそくこうきん)
  4. 中間広筋(ちゅうかんこうきん)

これら4つは上の方(体幹に近い方)では別々に始まり、それぞれ
異なる起始を持っていますが、膝に近づくにつれて少しずつ合流し、
最終的には 1本の強靭な腱 となります。

この腱が

膝蓋骨(しつがいこつ:いわゆる “膝のお皿”)


に付着し、

さらにそこから

膝蓋靱帯(しつがいじんたい)

を通じて脛骨(けいこつ:すねの骨)に付いています。

この構造によって、大腿四頭筋は強力に膝を伸ばすことができ、
歩行・立ち上がり・ジャンプなどに大きく関わっているのです。

■ 4つの筋肉はどのように分かれているのか?

● 1. 大腿直筋:唯一 “股関節と膝関節の両方” をまたぐ筋肉

大腿直筋は、4つの中で特に特徴的です。
他の3つの広筋は大腿骨(太ももの骨)から始まりますが、
大腿直筋だけは 骨盤(上前腸骨棘付近)につながっています。

そのため大腿直筋には2つの重要な役割があります。

膝を伸ばす
股関節を曲げる(太ももを持ち上げる)

階段を上る動作、走り出す瞬間などでよく働く筋肉です。

● 2. 内側広筋:膝を安定させる “膝の守護神”

内側広筋は膝の内側をしっかり支える筋肉で、
膝蓋骨を安定させる重要な役割があります。

とくにスポーツ時、膝が内側にブレるのを防ぎ、ケガの予防にも欠かせません。

● 3. 外側広筋:太もも外側の大きな筋肉

外側広筋は太ももの外側に位置し、4つの中でも
最もボリュームがある筋肉です。
強力な伸展力を生み、全力で走るときやジャンプ時に大きく働きます。

● 4. 中間広筋:大腿直筋の奥で静かに働く筋肉

中間広筋は大腿直筋のさらに深層に位置し、表からは触りにくい筋肉です。
大きな動きこそ目立ちませんが、

膝をまっすぐ伸ばす基礎的な力を生み続ける

“縁の下の力持ち” です。

■ 4つの筋肉はどのように1本の腱へまとまる?

■ 4つの筋肉はどのように1本の腱へまとまる?

上部ではそれぞれ別々の起始を持つ4つの筋肉ですが、
膝に近づくと次第に合体し、最終的には
大腿四頭筋腱 という太く強い腱を形成します。

・大腿直筋
・内側広筋
・外側広筋
・中間広筋

これらすべてがまとまって膝蓋骨に付着し、
さらに膝蓋靱帯を通してすねの骨へとつながります。

この一連の構造があるおかげで、重い体重を
支えながらスムーズに膝を伸ばすことができるのです。

■ 大腿四頭筋の主な働き

大腿四頭筋には、生活の中で欠かせない役割があります。

● 1. 膝を伸ばす

立ち上がり、歩行、走る、ジャンプなどの際に必要不可欠。

● 2. 股関節を曲げる(大腿直筋のみ)

階段を上る、走るなどで働きます。

● 3. 膝蓋骨の安定化

内側広筋が中心となり、膝のブレを防ぎます。

● 4. 体重を支える

立っているだけでも大腿四頭筋は緊張し、膝が崩れないよう支えています。

■ 大腿四頭筋が弱ると何が起こる?

■ 大腿四頭筋が弱ると何が起こる?

加齢、運動不足、長期の安静などで
大腿四頭筋が弱ると、以下のような問題が起こりやすくなります。

・立ち上がりがつらい
・階段の上り下りが苦しい
・膝がガクッとする
・転倒リスクが上がる
・膝の痛み(変形性膝関節症の悪化)

特に高齢者では大腿四頭筋の筋力低下が転倒に
つながりやすく、要介護の要因になることもあります。

■ まとめ

大腿四頭筋は、体の中でも最も重要な筋肉のひとつであり、
4つの筋肉が協力し合いながら、私たちの歩行、立ち上がり、
運動などあらゆる動作を支えています。

大腿直筋
内側広筋
外側広筋
中間広筋

これらが別々の起始を持ちつつ、膝の近くで1本の腱にまとまり、
膝蓋骨を介してすねの骨へつながるという精巧な構造によって、
強力な膝伸展の力を生み出すことができます。

太ももに手を当てれば、いつでも触れることができる大きな筋肉ですが、
その仕組みは非常に緻密で、日常生活を支えるうえで欠かせません。

日ごろのストレッチや軽い筋トレを取り入れることで、
大腿四頭筋を健康に保つことができます。