私たちは日常生活の中で歩いたり走ったり、
段差を上り下りしたりと、頻繁に足首を使っています。
しかし、普段はその構造について意識することはあまりありません。
特に、足首を支える靭帯は、目に見えるものではないため、
存在そのものが知られていないことも多いでしょう。
今回は、その中でも 外くるぶし(外踝)の安定性に深く関わる
「踵腓靭帯(しょうひじんたい)」
を中心に、足首の構造や靭帯の役割を丁寧に解説していきます。

まずは足首の骨の位置関係を押さえておきましょう。
足首の関節は主に3つの骨で構成されています。
腓骨の下端は丸く膨らんでおり、これが外くるぶし
として皮膚の外側から触れる部分です。
この外くるぶしを支点として、いくつもの靭帯が張り巡らされ、
足首の安定性を保っています。
この骨の構造を理解したうえで靭帯を見ていくと、
踵腓靭帯がどこにあり、何をしているのかがとても分かりやすくなります。
靭帯(じんたい)は、骨と骨をつなぐ強い線維組織です。
役割はとてもシンプルで、
「関節が余計な方向に動かないように制限する」
これが靭帯の最も大きな機能です。
たとえば、
この “動いてよい方向と悪い方向” の線引きをしているのが靭帯です。
靭帯がなければ、骨は関節の中で不安定に動いてしまい、
簡単に捻挫や脱臼が起こってしまいます。
足首の靭帯の話をするうえで欠かせないのが「捻挫」です。
多くの人が経験するケガのひとつで、
特に足を内側にひねる
「内返し捻挫」
が圧倒的に多く見られます。
内返しの動きが起こると、外くるぶし周辺の靭帯
が急激に引き伸ばされます。
その際、靭帯が部分的に裂けたり、完全に
切れたりすることで痛みや腫れが生じます。
捻挫が起きたときに痛む場所の多くが、今回取り上げる
外くるぶしの靭帯群
です。

外くるぶしから足に向かって伸びる靭帯はいくつかありますが、
その中でも特に重要とされるのが次の2つです。
前距腓靭帯が“前側の守り”を担うなら、踵腓靭帯は“後側の守り”を
受け持ち、両者が協力することで外くるぶしをがっちり保護しています。
ここからは今回の主役である 踵腓靭帯 を詳しく見ていきます。
踵腓靭帯は、
を結んでいる靭帯です。
外くるぶしのすぐ後ろ側から斜め下に向かって走っており、
足首の後方外側をしっかり固定する役割を担っています。
踵腓靭帯の最大の働きは、
「足首が上下方向以外に動きすぎないように制限する」
ことです。
特に、
などの横方向のねじれに対して強く抵抗し、
関節がグラつかないように支えています。
この靭帯がしっかり働くことで、
といった動作が安全に行えるようになっています。
踵腓靭帯は前距腓靭帯と比較して損傷頻度は低いものの、
捻挫の程度が強い場合にはこの靭帯も障害を受けます。
軽度であれば自然に回復しますが、重度の損傷では長期間の不安定感が残ることもあり、早期の治療とリハビリが重要です。

普段はあまり意識されませんが、踵腓靭帯は足首の安定に欠かせない存在です。
特にスポーツをする人にとって、この靭帯の機能は
パフォーマンスとケガの予防の両方に直結します。
踵腓靭帯は、外くるぶしと踵骨を結ぶ強力な靭帯で、足首が
正しい方向に動くようにコントロールする大切な役割を担っています。
捻挫が起こりやすい足首だからこそ、これらの靭帯の存在はとても重要です。身体の仕組みを知ると、日々の動きへの理解も深まり、ケガの予防にもつながります。