踵脛靭帯とは ?

私たちは日常生活の中で歩いたり走ったり、
段差を上り下りしたりと、頻繁に足首を使っています。
しかし、普段はその構造について意識することはあまりありません。

特に、足首を支える靭帯は、目に見えるものではないため、
存在そのものが知られていないことも多いでしょう。

今回は、その中でも 外くるぶし(外踝)の安定性に深く関わる

「踵腓靭帯(しょうひじんたい)」

を中心に、足首の構造や靭帯の役割を丁寧に解説していきます。

■ 足首の立体をイメージする:脛骨・腓骨・距骨の関係

■ 足首の立体をイメージする:脛骨・腓骨・距骨の関係

まずは足首の骨の位置関係を押さえておきましょう。
足首の関節は主に3つの骨で構成されています。

  • 脛骨(けいこつ) … すねの太い骨
  • 腓骨(ひこつ) … すねの外側にある細い骨
  • 距骨(きょこつ) … 足首の中央にある骨で、脚からの体重を足に伝える重要な骨

腓骨の下端は丸く膨らんでおり、これが外くるぶし
として皮膚の外側から触れる部分です。

この外くるぶしを支点として、いくつもの靭帯が張り巡らされ、
足首の安定性を保っています。

この骨の構造を理解したうえで靭帯を見ていくと、
踵腓靭帯がどこにあり、何をしているのかがとても分かりやすくなります。

■ 靭帯とは何をしているのか?

靭帯(じんたい)は、骨と骨をつなぐ強い線維組織です。
役割はとてもシンプルで、

「関節が余計な方向に動かないように制限する」

これが靭帯の最も大きな機能です。

たとえば、

  • 手首 … 多方向に動ける構造
  • … 基本は曲げ伸ばしのみで、左右への動きは制限される
  • 足首 … 上下方向の動き(底屈・背屈)は得意だが、左右は動きにくく設計されている

この “動いてよい方向と悪い方向” の線引きをしているのが靭帯です。

靭帯がなければ、骨は関節の中で不安定に動いてしまい、
簡単に捻挫や脱臼が起こってしまいます。

■ 足首が捻挫しやすい理由

足首の靭帯の話をするうえで欠かせないのが「捻挫」です。
多くの人が経験するケガのひとつで、
特に足を内側にひねる

「内返し捻挫」

が圧倒的に多く見られます。

内返しの動きが起こると、外くるぶし周辺の靭帯
が急激に引き伸ばされます。

その際、靭帯が部分的に裂けたり、完全に
切れたりすることで痛みや腫れが生じます。

捻挫が起きたときに痛む場所の多くが、今回取り上げる

外くるぶしの靭帯群


です。

■ 外くるぶし周辺の主な靭帯は2つ

■ 外くるぶし周辺の主な靭帯は2つ

外くるぶしから足に向かって伸びる靭帯はいくつかありますが、
その中でも特に重要とされるのが次の2つです。

  1. 前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)
     距骨と腓骨を結ぶ靭帯で、捻挫でもっとも損傷しやすい靭帯。
     足首の前外側を支える「主役」。
  2. 踵腓靭帯(しょうひじんたい)
     踵の骨(踵骨)と腓骨を結ぶ靭帯。
     足首の後外側を安定させる「縁の下の力持ち」。

前距腓靭帯が“前側の守り”を担うなら、踵腓靭帯は“後側の守り”を
受け持ち、両者が協力することで外くるぶしをがっちり保護しています。

■ 本題:踵腓靭帯とはどんな靭帯?

ここからは今回の主役である 踵腓靭帯 を詳しく見ていきます。

● 踵腓靭帯の位置

踵腓靭帯は、

  • 踵骨(かかとの骨)
  • 腓骨(外くるぶし)

を結んでいる靭帯です。

外くるぶしのすぐ後ろ側から斜め下に向かって走っており、
足首の後方外側をしっかり固定する役割を担っています。

● 踵腓靭帯の役割

踵腓靭帯の最大の働きは、

「足首が上下方向以外に動きすぎないように制限する」

ことです。

特に、

  • 内返し(内側にひねる動き)
  • 外返し(外側にひねる動き)

などの横方向のねじれに対して強く抵抗し、
関節がグラつかないように支えています。

この靭帯がしっかり働くことで、

  • 走る
  • 歩く
  • ジャンプする
  • 急に方向転換する

といった動作が安全に行えるようになっています。

■ 踵腓靭帯が損傷するとどうなる?

踵腓靭帯は前距腓靭帯と比較して損傷頻度は低いものの、
捻挫の程度が強い場合にはこの靭帯も障害を受けます。

● 損傷したときの症状

  • 外くるぶしの後方の痛み
  • 体重をかけたときの不安定感
  • 足首をひねったときの鋭い痛み
  • 腫れ・内出血

軽度であれば自然に回復しますが、重度の損傷では長期間の不安定感が残ることもあり、早期の治療とリハビリが重要です。

■ 踵腓靭帯はなぜ大切なのか?

■ 踵腓靭帯はなぜ大切なのか?

普段はあまり意識されませんが、踵腓靭帯は足首の安定に欠かせない存在です。

  • 足首の過度な横方向の動き(ねじれ)を制限
  • 外くるぶしを支える2大靭帯のひとつ
  • 捻挫予防にも重要な働きをする

特にスポーツをする人にとって、この靭帯の機能は
パフォーマンスとケガの予防の両方に直結します。

■ まとめ:踵腓靭帯は足首を守る名脇役

踵腓靭帯は、外くるぶしと踵骨を結ぶ強力な靭帯で、足首が
正しい方向に動くようにコントロールする大切な役割を担っています。

  • 足首は上下方向に大きく動かせる
  • しかし横方向の動きは制限されている
  • その“制限”を行っているのが靭帯の仕事
  • 特に踵腓靭帯と前距腓靭帯が外側を強固に守っている

捻挫が起こりやすい足首だからこそ、これらの靭帯の存在はとても重要です。身体の仕組みを知ると、日々の動きへの理解も深まり、ケガの予防にもつながります。