迷ったらこの本「やってはいけないがん治療」がん放置、代替療法、都市伝説、癌フェイク情報にだまされない!

迷ったらこの本「やってはいけないがん治療」がん放置、代替療法、都市伝説、癌フェイク情報にだまされない!

迷ったら読むべき一冊:「やってはいけない がん治療」

迷ったら読むべき一冊:「やってはいけない がん治療」

がん治療の選択肢は多岐にわたる

がんの治療と聞くと、多くの人は手術、抗がん剤、放射線治療の三大療法を思い浮かべるでしょう。しかし、近年では保険診療として認められていない先進医療や代替医療、民間療法、さらには自分で行う食事療法など、非常に多くの選択肢があります。インターネットや書籍を通じて情報を簡単に手に入れられる時代だからこそ、どの情報を信じるべきか迷う患者さんやご家族が増えています。

特に、副作用の少ない治療や体にやさしい治療を望む患者さんにとって、「楽ながん治療」や「自然に治る」といった耳ざわりのよい言葉は魅力的です。しかし、こうした治療の中には、途中でやめたくても後戻りができないリスクを伴うものもあります。正しい知識がなければ、助かる可能性のある命を失ってしまうことさえあるのです。

『やってはいけない がん治療』とは

こうした状況に直面したときに参考になるのが、ジャーナリスト岩澤倫彦氏の著書『やってはいけない がん治療 医者は絶対書けないがん治療の真実』です。岩澤氏は医療ジャーナリストとして長年活動し、実際に潜入取材を行うなど、現場の声を丹念に集めてきました。本書では、標準治療から非標準治療まで、現在利用可能なほぼすべてのがん治療法を一つひとつ検証し、科学的根拠に基づいて評価しています。さらに、ニセ医療や都市伝説に惑わされないための方法も示しており、患者さんや家族が冷静に判断するための材料として非常に役立つ内容になっています。

やってはいけないがん治療の例

「がん放置療法」—近藤誠氏の主張

最初に紹介するのは、近藤誠氏による「がん放置療法」です。近藤氏は「がんはすべて放置するのが最もよい」と主張する医師として知られています。岩澤氏自身も偶然、自身の肺に影が見つかったことをきっかけに、近藤氏のセカンドオピニオン外来を受診しました。30分で3万2,000円という費用の中で勧められたのは「がん放置療法」でしたが、説明には不安を煽る印象操作が多く、信頼に値しないと感じたそうです。本書では、なぜ近藤氏がこの理論を続けるのか、その背景についても詳しく解説しています。

信頼できない「がん関連書籍」

二つ目は、がん関連書籍の問題です。本書では、すべての書籍が信用できないわけではないとしながらも、多くの書籍が科学的根拠のない情報を含んでいると警告しています。岩澤氏が調べたところ、アマゾンのランキング上位100作品のうち、70作品は科学的根拠のない治療法を紹介し、15作品はがん治療中の食事法について書かれていました。医師や大学教授の名が書かれている場合でも、安易に信頼してはいけません。こうした書籍が売れる理由の一つは、希望や奇跡のような言葉で患者の心理に訴える内容であることです。また、人間は自分の信念を肯定する情報を無意識に求める「確証バイアス」の影響を受けやすく、手術を避けたいと考えている人は、「食事だけでがんが消える」といった内容に飛びつきやすくなります。

代替医療や都市伝説

三つ目は、代替医療や都市伝説です。近年話題になる高濃度ビタミンC点滴や温熱療法(ハイパーサーミア)、丸山ワクチン、特定の温泉、ジュースや食事療法など、多くの治療法がありますが、本書では科学的根拠がほとんどないと指摘しています。高濃度ビタミンC点滴や温熱療法ではがんを消す効果はなく、丸山ワクチンも明確な効果は確認されていません。温泉や特定のジュース、スープ、食事療法も同様です。ただし、患者にとって精神的な支えとなる場合はあり、単純に否定するのではなく、冷静な視点で理解することが重要です。

情報に振り回されないために

本書の内容がすべて正しいとは限りません。がん治療の選択は、患者本人の価値観や人生観に深く関わる問題です。そのため最終的に「やる・やらない」「受ける・受けない」を決めるのは患者自身です。しかし、安易に耳ざわりのよい情報や流行のキーワードに飛びつくのではなく、一歩引いて冷静に考えることが求められます。知識を整理し、情報の信頼性を判断することが、治療の選択において非常に重要です。

まとめ:迷ったときに役立つ一冊

まとめ:迷ったときに役立つ一冊

膨大な治療法や情報に直面して迷ったとき、科学的根拠に基づいた判断を下すためには、本書は非常に有益な材料となります。標準治療や非標準治療、食事療法、代替療法といった多様な選択肢について冷静に整理し、自分に合った治療を考えるための手助けとなるでしょう。がん治療に迷った際には、まずこの本を手に取り、情報の取捨選択や自分の考えを整理することをおすすめします。