食欲がないがん患者さんにおすすめしたい栄養補助食品

―栄養状態を守るためにできること―
がんの治療中に食欲が低下し、思うように食事がとれなくなる――。
これは多くのがん患者さんが直面する、とても身近で、そして深刻な問題です。
がん患者さんが栄養不足に陥りやすい理由は、ひとつではありません。
まず、がんが進行する過程で、体の中では様々な炎症反応が起こります。炎症が続くと代謝が乱れ、体はエネルギーをうまく利用できなくなります。するとタンパク質が大量に消費され、筋肉量の低下につながります。
さらに、がんそのものが引き起こす症状によって、食事が取りにくくなることもあります。腹部の不快感や痛み、食欲の喪失、胃腸の圧迫など、がんの種類によって症状はさまざまです。また、治療の副作用も大きく影響します。特に抗がん剤治療では、吐き気や味覚異常、倦怠感などが現れ、食欲の低下を招きます。
このように、複数の要因が重なることで、食事から得られるタンパク質やエネルギーが不足し、体重が減少したり、筋肉量や筋力が落ちてしまいます。これが進行すると「がん悪液質(カヘキシア)」と呼ばれる状態となり、患者さんの予後に大きな悪影響を及ぼすことが知られています。
だからこそ、「少ししか食べられないから…」と諦めず、少量でも効率よく栄養を摂取する工夫がとても大切です。
今回は、食欲が低下しやすいがん患者さんに役立つ、高カロリー・高タンパク質の栄養補助食品をいくつかご紹介します。
内容量: 220ml
カロリー: 280kcal
タンパク質: 14.6g
脂質: 5.6g
糖質: 40.3g
その他: EPA 1.0g、DHA 0.4g
プロシュアは、多くの病院でも採用されている有名な栄養補助飲料です。220mlで280kcalと高カロリーでありながら、タンパク質が14.6gと非常に高タンパク。食欲不振で食事量が減ってしまう方にとって、効率よく栄養を摂取できる優れた製品です。
さらに特徴的なのは、EPAとDHAという不飽和脂肪酸が合計1.4g含まれている点です。EPA・DHAには抗炎症作用が期待されており、がん治療にともなう炎症や代謝異常にアプローチできる可能性があります。
また、がん患者さんを対象とした臨床試験において、プロシュアを1日1〜2本、6ヶ月間継続した患者さんでは、通常の食事のみの場合より生存期間が延びたという報告もあります。こうしたデータからも、がん患者さんの栄養補助として有用であることが示されています。
内容量: 125ml
カロリー: 110kcal
タンパク質: 10.5g
脂質: 4.1g
炭水化物: 7.8g
その他: アルギニン2.4g、RNA 240mg
インパクトは、手術前後の栄養サポートとしても広く使われる製品で、高タンパクかつ高品質なアミノ酸を含んでいるのが特徴です。特にアルギニンが2.4gと、一般的な飲料では摂取しにくい量が含まれています。
味が比較的飲みやすく、少量で効率よくタンパク質を補給したい方に適しています。
内容量: 100ml
カロリー: 200kcal
タンパク質: 8.0g
炭水化物: 25.0g
その他: 13種類のビタミン、13種類のミネラル
「少量で確実にエネルギーを摂りたい」という患者さんに特に人気のある製品です。わずか100mlで200kcal、タンパク質8gという高密度な栄養設計で、食事量が極端に減ってしまった時の補食として非常に役立ちます。
味のバリエーションもあり、飽きずに続けられるのもメリットです。
内容量: 200ml
カロリー: 200kcal
タンパク質: 10g
脂質: 0g
炭水化物: 40g
最近発売された新シリーズで、透明感のあるあっさりした飲み心地が特徴です。「ミルク系の濃い栄養飲料が苦手」という方でも、比較的飲みやすいと人気が広がっています。
1本で10gのタンパク質が摂れるため、食欲の落ちたときの「飲む栄養源」として心強い選択肢になります。
内容量: 125ml
カロリー: 200kcal
タンパク質: 7.5g
脂質: 5.6g
糖類: 29.3g
その他: 食物繊維2.5g
メイバランスは、病院や高齢者施設などでも広く使われている定番の栄養補助食品です。味の種類が非常に多く、食欲がなくても「これなら飲める」というものが見つかりやすいのが大きなメリットです。
タンパク質量は他製品に比べるとやや少なめですが、飲みやすさ・入手しやすさ・味の豊富さなどを含め、継続しやすい点で、多くの患者さんから支持されています。
内容量: 200ml
カロリー: 102kcal
タンパク質: 15g
脂質: 0g
炭水化物: 10.6g
その他: カルシウム447mg
もともとスポーツ向けのプロテインブランドとして有名な「ザバス」ですが、がん患者さんのタンパク質補給源としても非常に便利です。
特にミルクプロテイン飲料は、1本で15gのタンパク質が摂れるという優れもの。味もあっさりしていて飲みやすく、「食欲はないけれど、これなら飲める」という患者さんも多い製品です。
脂質ゼロで後味が軽く、胃が重くなりづらいため、普段の水分補給に近い感覚で続けられます。
栄養補助食品を上手に使って、栄養状態を守る

がん治療中に栄養状態が悪化すると、治療の継続にも影響が出てしまうことがあります。体力が落ちることで副作用が強く出たり、治療の効果が十分に発揮されないこともあります。
だからこそ、
こうした変化を感じたときには、早めに栄養補助食品を活用することがとても大切です。
無理に食事を増やす必要はありません。
「飲めるものから、少しずつ」
それで十分に意味があります。

今日ご紹介した商品は、どれもがん患者さんの栄養補給に役立つものばかりです。味や飲み心地の好みは人それぞれですので、負担の少ないものから試してみて、生活に取り入れていくとよいでしょう。
食欲がない時期こそ、自分の体を守るための「上手な栄養の摂り方」を意識してみてください。