近年、医学の進歩によりがん治療は大きく発展しています。しかし、治療成果を最も左右するのは、やはり「早期発見」です。早期の段階で発見されたがんは治療効果が高く、生活への影響も最小限に抑えることができます。では、私たちはどの年代で、どのようながん検診を受ければよいのでしょうか。
がんのリスクは性別・年齢・生活習慣などによって大きく異なります。ここでは、2017年の部位別罹患データを参考に、男女別・年代別の「おすすめのがん検診セット」をわかりやすく紹介していきます。

まず、どのがんの頻度が高いのかを知っておくことが重要です。
●男性に多いがん
●女性に多いがん
また、年齢によって発症しやすいがんの種類は変化します。若い世代に目立つもの、高齢になるほど増えるものなど、がんの特徴に合わせた検診の選択が求められます。

■ 40代男性におすすめ
① ピロリ菌検査(必要なら胃内視鏡検査)
胃がんの最大の原因はヘリコバクター・ピロリ菌です。
検査方法は以下のように複数あります。
陽性の場合は、胃内視鏡で炎症や萎縮の程度を確認し、必要に応じて治療を検討します。
② 胸部CT検査(特に喫煙者)または胸部X線
低線量CTは従来の胸部X線よりも肺がんの早期発見に優れ、死亡率を下げることが証明されています。
喫煙者、または受動喫煙のある方は特に受診をおすすめします。
③ 大腸内視鏡検査
大腸がんは40歳を境に増加。
人間ドックなどで一度は大腸内視鏡を受けましょう。
・異常なし(ポリープなし)→5年程度は検査不要
・腺腫あり/多数のポリープ/がんに近い組織あり → 2〜3年ごとに定期検査
■ 50代男性におすすめ
40代と同様の検査に加えて、次の検査が重要になります。
① 腹部超音波検査
超音波は身体への負担が少なく、多くの臓器を評価できます。
発見につながる可能性のあるがんは以下の通りです。
特に糖尿病がある方は膵臓がんのリスクが高いため、必ず受けたい検査です。
② 胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査
40代からの結果をふまえ、リスクが高い場合は定期的に継続して受診します。
■ 60代男性におすすめ
50代までの検査に加え、加齢に伴い注意すべきがんが増えてきます。
① PSA検査(前立腺がん)
60歳頃から前立腺がんの発症率が増加します。
血液検査で簡単に調べられますが、過剰診断のリスクにも注意が必要です。
メリット・デメリットを理解し主治医と相談しましょう。

男性と共通の検査(胃内視鏡・CT・大腸内視鏡など)の解説は省略し、女性特有の検診を中心に紹介します。
■ 20~30代女性におすすめ
① 子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)
子宮頸がんは20代から増え始め、30〜40代でピークを迎えます。
定期的な細胞診は必須です。
■ 40代女性におすすめ
① 子宮頸部細胞診 + 子宮内膜細胞診(子宮体がん検診)
40代後半になると子宮体がんが増え始めるため、子宮頸がんの検査に加えて子宮内膜の検査も行います。
② 乳がん検診:マンモグラフィー+乳腺エコー
マンモグラフィーでは微細石灰化や小さなしこりを発見できますが、乳房の密度が高い「高濃度乳房(デンスブレスト)」では癌を見落とす可能性があります。
そのため、マンモグラフィーに乳腺エコーを追加することが推奨されます。
③ 胸部CTまたはX線、ピロリ菌検査、大腸内視鏡
男性と同じく、肺がん・胃がん・大腸がんに備えましょう。
■ 50代女性におすすめ
女性は50代で乳がんの発症ピークを迎えるため、乳がん検診の重要性がさらに高まります。
■ 60代女性におすすめ
基本的には50代と同じ検診セットが推奨されます。
特に大腸がん・胃がん・乳がんはこの年代でも多く、油断は禁物です。
男女別・年代別の検診を紹介しましたが、最適な検査は人によって異なります。
生活習慣、家族歴、既往歴、治療中の病気など、総合的なリスク評価が必要です。
今回紹介した検診セットは、あくまで「目安」です。
気になる症状がある人、リスクが高い人は、年齢に関係なく早めに検査を受けましょう。
がんは早期に見つけるほど治療の負担が少なく、回復の可能性は高くなります。
健康は何よりの財産です。ぜひ、ご自身の生活に合わせて、定期的ながん検診を取り入れてみてください。