すい臓がんは早期発見が難しく、治療も難しいがんの一つです。治療を考えるとき、まず知っておきたいのが標準治療と代替医療の違いです。ここでは、一般の方にもわかりやすく解説します。

標準治療とは、科学的根拠に基づき、最も効果があるとされる治療法のことです。医療ガイドラインに沿って推奨され、状況に応じて内容が更新されます。すい臓がんの標準治療は、主に次の3つです。
近年では、免疫チェックポイント阻害剤など、免疫の力を利用した新しい治療法も登場しています。
すい臓がんは、大きく分けると次の2種類です。
また、手術が可能か微妙な「切除可能境界膵がん(ボーダーライン膵がん)」もあり、血管に接触している場合は手術だけでは取りきれない可能性があります。
手術の対象は、がんを完全に取り除ける見込みがあること、日常生活が自立していること、心臓や肺などに重い持病がないこと、そして本人が手術に納得していることです。年齢は基本的に制限されません。
再発や転移に対しては、状況によって再手術が検討されることもあります。特に肺への少数転移(オリゴメタ)では、再手術で長期生存が期待できることがあります。
手術前に行うプレハビリテーションは、術後の回復や合併症予防に役立ちます。主な内容は次の3つです。
さらに、口腔ケアや呼吸訓練も肺炎などの術後合併症を防ぐ効果があります。手術は、**症例が多い病院(ハイボリュームセンター)**で受けることが推奨されます。

進行がんや転移がんには抗がん剤が中心です。代表的な治療法は以下の通りです。
初回治療で効果が不十分な場合、二次治療に切り替えることもあります。また、遺伝子検査で特定のタイプ(MSI-HighやNTRK陽性)が見つかれば、免疫療法や分子標的薬が選択肢になります。

標準治療を受けずに代替医療だけに頼るのは危険です。海外の研究では、代替医療のみの場合、死亡率が標準治療を受けた場合の約2.5倍になることが報告されています。
非標準治療としては以下があります。
まずは、標準治療を基本とし、必要に応じて補助的に代替医療を検討するのが安全です。
すい臓がんは厳しい病気ですが、標準治療を理解し、体力や生活を整えた上で治療に臨むことが、最良の結果につながります。