がん予防・治療サポートにつながるおせち料理を徹底紹介
新年を迎えるにあたり、「おせち料理」を囲むご家庭も多いのではないでしょうか。しかし近年では、ライフスタイルの変化とともにおせちを食べる習慣が薄れつつあるとも言われています。一方で、あらためておせち料理に使われている食材や調理法を見直してみると、実は非常に健康的で、がんの予防や治療のサポートにもつながる要素が多いことに気づきます。
おせちの多くは、日本の伝統的な食文化の中で「保存性の高い調理法」「素材そのものを活かす味付け」「植物性食品の豊富な活用」といった特徴をもち、現代の栄養学の見地から見ても優れた料理が並んでいます。本稿では、がん予防に寄与する食材の科学的根拠を踏まえながら、「抗がんおせち料理ベスト5」を紹介します。
ぜひ、お正月だけでなく日々の食事づくりの参考にしていただければ幸いです。

田作りは、カタクチイワシを煎って砂糖と醤油で甘辛く仕上げた、古くから親しまれてきたおせち料理です。カタクチイワシには 100gあたり約2200mgものカルシウム が含まれており、食品の中でもトップクラスの含有量を誇ります。
これまでの多くの研究により、食事から十分なカルシウムを摂取することで 大腸がんのリスクが低下する ことが示されています。たとえば、日本の多目的コホート研究でも、カルシウム摂取量が多い男性では 大腸がんの発症リスクが約40%低くなる と報告されています。
また、田作りにナッツ類――クルミやアーモンドなど――を加えれば、ナッツに備わる抗酸化成分や良質な脂質によって抗がん効果がさらに高まることが期待できます。小魚とナッツの組み合わせは、健康を意識したおせち料理として理想的な一品です。
おせち料理の定番であるブリ。脂がのったブリには 海洋性オメガ3脂肪酸(EPA・DHA) が非常に多く含まれています。これらの脂肪酸を多く摂る人では、大腸がん、すい臓がん、乳がんといったさまざまながんのリスクが低いことが多数の研究で示されています。
さらに、興味深いのは がん診断後にも効果が期待できる という点です。海洋性オメガ3脂肪酸を積極的に摂取するがん患者さんでは、生存期間が延長した とする研究も報告されており、がん治療中の食事としても注目されています。
ブリ100gに含まれるEPAとDHAの合計量は約 2640mg。これは、健康維持のために一日に必要とされる量をほぼ満たすほどで、照り焼き1切れでも十分な量を確保できます。がん予防と治療サポートのどちらにおいても、欠かせない食材といえるでしょう。

たたきごぼうは、ごぼうを叩いて味を染み込みやすくし、茹でた後にごまと和えるだけというシンプルな料理です。しかし、その栄養価は非常に優秀です。
ごぼうは 100gあたり5.7gの食物繊維 を含み、野菜の中でもトップクラス。しかも、不溶性食物繊維だけでなく水溶性食物繊維もバランスよく含まれています。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を良好に保つことで 免疫力を高める 働きがあります。また、多くの研究によって、食物繊維をしっかり摂取する人では 大腸がん・肺がん・すい臓がんのリスクが低い ことが確認されています。
腸は免疫細胞の大半が存在する非常に重要な臓器です。腸内環境を整えるということは、がん予防に直結する生活習慣といえます。
おせちには欠かせない黒豆。黒色の皮をまとった大豆で、正式には「黒大豆」と呼ばれます。大豆そのものが持つ健康効果は非常に高く、がん予防においても科学的根拠が蓄積されています。
80件以上の前向き観察研究をまとめた解析では、大豆を多く摂取する人では 全てのがんの発症リスクが約10%低下 していました。さらに、大豆摂取量とがんによる死亡リスクの関係を調べた研究では、
という有意な低下が認められています。
黒豆は美味しく食べやすいうえ、保存も効き、砂糖を使った優しい甘みもあるため、お正月に限らず日頃の食卓にも取り入れやすい抗がん食品といえます。

栄えある第1位は「煮しめ」。地域によって筑前煮、がめ煮など呼び名が異なりますが、その本質は「野菜・きのこ・こんにゃく・肉をバランスよく煮込む」料理です。
煮しめに使われる食材には、根菜類・こんにゃく・しいたけなど 食物繊維が豊富なものばかり が並びます。第3位で紹介したように、食物繊維は腸内環境を整え免疫力を高めるため、がん予防に理想的です。
また、おせち料理は煮物中心で、揚げ物や高温調理が少ないことも大きな魅力です。焦げや高温調理で発生する AGE(終末糖化産物) は、老化・動脈硬化・炎症・がんリスク上昇との関連が示唆されています。煮物中心のおせちは、このAGEを抑えられるという点でも健康的といえます。
煮しめは栄養価のバランスが良く、食物繊維・ビタミン・ミネラルを自然に摂取できるため、名実ともに「最強の抗がんおせち」といえるでしょう。
現代では、正月料理も寿司・揚げ物・焼肉など自由なスタイルが増え、伝統的なおせちは食べなくなったという声も少なくありません。しかし、がんが増加している背景には、食事の欧米化や加工食品の増加、食物繊維不足といった “和食離れ” も関係していると考えられます。
おせち料理には、
新年はもちろん、これを機に改めて 和食の良さ を見直し、普段の食事にも積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。健康的な一年のスタートに、ぜひ抗がんおせちを役立てていただければ幸いです。