がんの再発は症状があるのか?癌再発を早期に発見するためにはどうすべきか

がんの治療を終えた方にとって、「再発していないだろうか」という不安は常につきまといます。では、実際にがんが再発した場合、何らかの症状は現れるのでしょうか。本記事では、最新の研究結果も交えながら、再発時にみられる症状の有無や特徴について、丁寧に解説します。

再発しても症状が出ないことがある

■ 再発しても症状が出ないことがある

まず結論から申し上げると、がんが再発しても必ずしも症状が現れるとは限りません。 そのため、症状の有無だけで再発を判断するのは難しく、定期的な検査がきわめて重要となります。

近年行われた研究では、胃がん手術後に再発した305名の患者を対象に、再発時の症状の有無や生存期間が調査されました。再発時に症状があった方は144名で、全体の約47%でした。つまり、およそ半数の患者は、何の症状もない段階で再発が発見されたことになります。

さらに興味深い点として、症状があった方と無症状だった方の生存期間を比較したところ、再発時期にかかわらず、無症状で発見された方の方が生存期間が長いという結果が示されました。これは、症状が出る前の早い段階で再発を捉えることが、治療の選択肢を広げ、予後の改善につながることを意味しています。

再発のパターンと症状

がんの再発にはいくつかのパターンがあり、それぞれで現れやすい症状が異なります。以下では代表的な再発形式について説明します。

1. 局所再発

手術で切除した部位やその近くに再びがんが現れる状態を指します。症状の出やすさは臓器や部位によって異なります。

症状が出やすい部位の例(乳がんなど)
身体表面に近いがんの場合、しこりが触れたり、手術部周囲の皮膚の変化、腋のリンパ節腫大が見られることがあります。

症状が出にくい部位の例(大腸がんなど)
お腹の深い部位では、再発していても自覚症状が現れにくい傾向があります。進行すると腸を圧迫し、腸閉塞による腹痛や嘔吐が起こることがあります。また、膵臓がんでは局所再発が神経を刺激し、強い背部痛を引き起こすことがあります。

2. 遠隔転移

手術後に別の臓器へがん細胞が移動する再発形式です。初期はほとんど症状がありませんが、転移先で腫瘍が大きくなると症状が現れることがあります。

肺への転移:咳、息苦しさ、血痰
脳への転移:頭痛、しびれ、運動麻痺、めまい
骨への転移:強い痛み、痛み止めが効かない疼痛

転移する臓器によって症状は大きく異なるため、特定の症状だけで再発を断定することはできません。

3. 腹膜播種・胸膜播種

がんが腹腔内や胸腔内に広がるタイプの再発です。これらも初期の自覚症状は乏しく、進行によって徐々に症状が現れます。

腹膜播種:腹水がたまることでお腹が張り、苦しさや食欲不振が出る
胸膜播種:胸水が増えると呼吸がしづらくなる

こうした症状は進行に伴って徐々に悪化していきます。

再発を早期に発見するために大切なこと

再発を早期に見つけるためには、以下の2点が重要です。

● 1. 身体の変化に気づくこと

今までなかった症状が続く、あるいは徐々に悪化する場合には、早めに主治医へ相談することが大切です。
ただし、軽い痛みが一時的に起こる程度であれば、再発と無関係の場合も多く、過度に心配しすぎないことも生活の質を保つうえで大切です。

● 2. 定期的な検査を受けること

● 2. 定期的な検査を受けること

術後経過観察の検査には腫瘍マーカーがよく用いられますが、腫瘍マーカーは必ずしも再発を正確に反映しません。
上昇しても再発とは関係ない場合がありますし、再発しても上がらない場合もあります。

そのため、造影CT、MRI、PETなど複数の画像検査を組み合わせて診断します。
どの検査をどの頻度で受けるべきかはがんの種類や進行度で異なるため、主治医との相談が欠かせません。

まとめ

■ まとめ

がんの再発には症状が出る場合と出ない場合があり、無症状の段階で発見されるケースが半数近くを占めます。 また、症状が出る前に再発を見つけた方が、生存期間が長いという研究結果もあります。

再発を早期に発見するためには、

  • 身体の変化を注意深く観察する
  • 術後の定期検査を欠かさず受ける
    ことが何より重要です。

がん治療後は不安を抱えやすい時期ですが、必要以上に心配しすぎず、主治医と相談しながら適切な検査を継続していくことが、安心して過ごすための第一歩となります。