長時間の昼寝は危険?がん診断後のライフスタイル

長時間の昼寝は危険?がん診断後の生活習慣のポイント

がんと診断された後、生活のリズムや習慣をどう変えるかは、多くの人にとって大きな関心事だと思います。がんの治療は日々進歩しており、一部の種類を除けば、多くの患者さんの生存率は少しずつ改善してきています。そのため、がんと診断されても、以前より長く日常生活を送ることができるようになってきました。

生活習慣が健康や寿命に影響?

生活習慣が健康や寿命に影響?

がんと向き合う中で、生活習慣を見直す人もいれば、「もうがんになってしまったのだから、今さら生活を変えても仕方がない」と考える人もいるかもしれません。しかし、最近の研究では、がん診断後の生活習慣が、その後の健康や寿命に大きく影響することがわかってきています。

例えば、昼寝の時間や日々の活動量によって、死亡リスクに差が出るという調査もあります。今回は、特に大腸がんを経験した人の診断後の生活習慣と、その後の生存率に関する研究結果を紹介します。

この研究は、ドイツの研究チームによるもので、2017年にがんに関する専門誌に発表されました。対象は、大腸がんを経験した1376人で、平均年齢は70歳です。研究では、がんと診断された後の生活習慣を詳しく調べるため、アンケートを実施しました。

アンケートでは、ウォーキングやサイクリング、スポーツ、ガーデニング、家事(料理、洗濯、掃除など)、家の修理に費やす時間を1週間単位で調べました。同時に、テレビを視る時間や夜間の睡眠時間、昼間の昼寝の時間についても詳しく記録しました。そして、こうした生活習慣と、その後の死亡率(すべての原因による死亡)の関係を分析したのです。

研究の結果、いくつか重要なポイントが明らかになりました。まず、全体の活動量が多い人は、活動量が少ない人に比べて死亡率が約半分に低下していたことです。特に、スポーツ、ウォーキング、ガーデニングなど、意識的に体を動かす習慣がある人ほど、死亡リスクが低くなる傾向が見られました。つまり、日常生活の中で体を動かす時間をしっかり持つことが、寿命を延ばすことにつながる可能性があるのです。

健康に悪影響を与えること

健康に悪影響を与えること

一方で、注意すべき点もありました。1日に4時間以上テレビを見ている人は、2時間未満の人と比べて、死亡率が約45%も高くなっていました。これは、座ったままで過ごす時間が長くなると、体への負担が増え、健康に悪影響を与えることを示しています。

さらに、睡眠についても面白い結果がありました。夜間の睡眠時間については、死亡率に大きな差は見られませんでした。しかし、昼寝の時間が2時間以上に及ぶ人は、昼寝をしない人に比べて死亡率が2倍以上に上がるという結果が出ました。これは、長時間の昼寝が体のリズムを乱したり、活動量の低下と関係している可能性が考えられます。

まとめ

まとめ

まとめると、大腸がんと診断された後に意識したい生活習慣は次の通りです。まず、できるだけ体を動かすこと。特にウォーキングやスポーツ、庭仕事など、日常生活の中で取り入れやすい運動は積極的に行いましょう。次に、座って過ごす時間やテレビを見る時間を減らすこと。そして、昼寝は必要であれば短時間にとどめることが望ましいです。

もちろん、がんと診断されると体力の低下や疲れを感じることも多く、無理な運動は逆効果です。大切なのは、自分の体力や生活リズムに合った運動を継続的に取り入れることです。たとえば、家の中でできる軽いストレッチや掃除、階段の上り下り、庭仕事なども十分に体を動かす運動になります。少しずつでも習慣化することが、体力の維持や健康的な生活に大きく貢献します。

また、生活習慣を見直すことで、体調だけでなく気分も安定しやすくなります。運動や活動を取り入れることで、気分が前向きになり、生活全体の質が向上することも知られています。特にがんと向き合う日々は、精神的なストレスや不安も大きくなるため、軽い運動を日常に取り入れることは、体だけでなく心にも良い影響を与えるのです。

一方で、長時間の座りっぱなしや長い昼寝は、できるだけ控えるようにしましょう。体を動かす習慣がないと、筋力や体力が低下し、生活全体のリズムが崩れてしまうことがあります。短い昼寝や休息はリフレッシュになりますが、2時間以上の長時間昼寝は避け、適度に活動することが大切です。

まとめると、がん診断後の生活習慣は、その後の健康や寿命に大きく影響することが、さまざまな研究で示されています。毎日の小さな積み重ね、つまり体を動かすこと、座りすぎないこと、昼寝は短めにすることが、長く健康に暮らすための大切なポイントです。

がんと診断されたからといって、生活を変えることをあきらめる必要はありません。むしろ、診断をきっかけに日常の習慣を少しずつ見直し、体を動かす時間を意識的に増やすことで、体も心も健康に近づけることができます。家の中でできる運動や、散歩など日常に取り入れやすい活動から始めてみてください。小さな工夫の積み重ねが、これからの生活をより良くする力になります。