
忙しい毎日のなかで、夕食の時間がどうしても遅くなってしまうことは少なくありません。夕食後に小腹が空き、眠る前につい何かを口にしてしまう……そんな経験は誰にもあるでしょう。
夜食が肥満や糖尿病の原因になることはよく知られていますが、「がん」との関係については意外と知られていません。近年の研究では、夜間に食事を摂ることががん発症リスク、あるいは再発リスクを高める可能性が示唆されています。本稿では、特に乳がんとの関連を中心に、夜食と健康の関係を分かりやすく解説します。
2016年、米国医学誌 JAMA Oncology に興味深い研究結果が発表されました。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、1995年から2007年にかけて、早期乳がん患者2,413名を対象に、夜間の絶食時間と乳がん再発率との関係を調査しました。
つまり、十分な夜間絶食は「血糖値コントロール」「睡眠習慣」「乳がん再発リスク」のいずれにも良い影響を与えている可能性が示されたのです。
なぜ夜食ががんリスクを高めるのか?考えられる理由
夜間の絶食時間が短い、あるいは夜食を摂ることが、がんの進行・再発を招く理由として、研究では主に以下の点が指摘されています。
夜食により消化器官が夜間も働き続けることで、体内に炎症が起こりやすい環境が生まれます。炎症はがんの進行に関与することが知られています。
夜遅い食事は血糖値を上昇させやすく、糖尿病につながることがあります。糖尿病は多数のがんと関連があることがわかっています。
特に乳がんはホルモンに影響されるがんです。夜食はホルモンバランスを乱し、がんの悪化に寄与する可能性があります。
夜食によって胃腸が活動し続けるため睡眠が浅くなり、抗がん作用があるとされるメラトニン分泌が減少します。

夜食や遅い夕食とがんリスクの関連は、他の研究でも報告されています。
総合すると、夕食の時間が遅い、あるいは食後すぐに寝る生活は、複数のがんリスクを高める可能性が高いと言えます。
乳がん再発リスクを減らすための生活習慣:実践のポイント
では、夜食を控え、夜間絶食時間を十分に確保するにはどうすればよいのでしょうか。
寝る直前は避け、血糖値が上がりにくく、胃腸への負担が少ない食品を選びましょう。

夜食を控え、夜間にしっかりと「胃腸を休ませる」ことは、乳がんの再発予防だけでなく、生活習慣病の改善や良質な睡眠にもつながります。
忙しい現代生活の中では完璧を求めることは難しいかもしれませんが、まずは夜8時以降の飲食を見直し、夜間13時間の絶食時間を確保するところから始めてみてはいかがでしょうか。
体のリズムを整える小さな工夫が、長い目で見れば大きな健康への投資になるはずです。