夜食はがんの再発率を高める?夜間の絶食時間と乳がん再発率との関係

夜食はがんの再発率を高める?夜間の絶食時間と乳がん再発率との関係

夜食は乳がんリスクを高める?――夜間絶食と健康の関係をめぐる最新知見

夜食は乳がんリスクを高める?――夜間絶食と健康の関係をめぐる最新知見

忙しい毎日のなかで、夕食の時間がどうしても遅くなってしまうことは少なくありません。夕食後に小腹が空き、眠る前につい何かを口にしてしまう……そんな経験は誰にもあるでしょう。

夜食が肥満や糖尿病の原因になることはよく知られていますが、「がん」との関係については意外と知られていません。近年の研究では、夜間に食事を摂ることががん発症リスク、あるいは再発リスクを高める可能性が示唆されています。本稿では、特に乳がんとの関連を中心に、夜食と健康の関係を分かりやすく解説します。

夜間絶食時間と乳がん再発リスク:JAMA Oncology の報告

2016年、米国医学誌 JAMA Oncology に興味深い研究結果が発表されました。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、1995年から2007年にかけて、早期乳がん患者2,413名を対象に、夜間の絶食時間乳がん再発率との関係を調査しました。

主な結果

  • 夜間の絶食時間が13時間未満のグループは、13時間以上のグループに比べて乳がん再発率が36%高い
  • 乳がんによる死亡率や全死亡率も高い傾向があったものの、統計的な有意差はなし
  • 夜間の絶食時間が長い女性では、HbA1c(血糖値の指標)がより低い
  • 夜間絶食が長いほど、睡眠時間も長い傾向

つまり、十分な夜間絶食は「血糖値コントロール」「睡眠習慣」「乳がん再発リスク」のいずれにも良い影響を与えている可能性が示されたのです。

なぜ夜食ががんリスクを高めるのか?考えられる理由

夜間の絶食時間が短い、あるいは夜食を摂ることが、がんの進行・再発を招く理由として、研究では主に以下の点が指摘されています。

◆ 1. 慢性炎症の促進

夜食により消化器官が夜間も働き続けることで、体内に炎症が起こりやすい環境が生まれます。炎症はがんの進行に関与することが知られています。

◆ 2. 高血糖・糖尿病のリスク上昇

夜遅い食事は血糖値を上昇させやすく、糖尿病につながることがあります。糖尿病は多数のがんと関連があることがわかっています。

◆ 3. ホルモンバランスの乱れ

特に乳がんはホルモンに影響されるがんです。夜食はホルモンバランスを乱し、がんの悪化に寄与する可能性があります。

◆ 4. 睡眠の質低下によるメラトニン分泌の減少

夜食によって胃腸が活動し続けるため睡眠が浅くなり、抗がん作用があるとされるメラトニン分泌が減少します。

夜遅い食事ががんリスクを高めるという他の研究例

夜遅い食事ががんリスクを高めるという他の研究例

夜食や遅い夕食とがんリスクの関連は、他の研究でも報告されています。

  • フランスの4万人以上を対象とした研究
    • 最後の食事を夜9時半以降にとる人は
      → 乳がんリスク 約1.5倍
      → 前立腺がんリスク 約2.2倍
  • 別の研究(大腸がんのリスク)
    • 夕食から就寝までの時間が2〜3時間の人は、
      → 4時間以上あける人に比べて大腸がんリスクが2.5倍

総合すると、夕食の時間が遅い、あるいは食後すぐに寝る生活は、複数のがんリスクを高める可能性が高いと言えます。

乳がん再発リスクを減らすための生活習慣:実践のポイント

では、夜食を控え、夜間絶食時間を十分に確保するにはどうすればよいのでしょうか。

推奨される食事と生活リズムの工夫

  1. 夜8時以降は食べないようにする
  2. 朝食は午前9時以降にゆっくりと
  3. 可能であれば
    • 夕方6時ごろに夕食を済ませる
    • その後に軽い散歩
    • 22時頃に就寝
  4. 朝6時に起きて、8時に朝食をとれば
    夜間絶食14時間を確保でき理想的

どうしてもお腹がすいたら?

寝る直前は避け、血糖値が上がりにくく、胃腸への負担が少ない食品を選びましょう。

  • 無糖ヨーグルト
  • いちご、アボカドなど糖質が比較的低い果物

おわりに

おわりに

夜食を控え、夜間にしっかりと「胃腸を休ませる」ことは、乳がんの再発予防だけでなく、生活習慣病の改善や良質な睡眠にもつながります。

忙しい現代生活の中では完璧を求めることは難しいかもしれませんが、まずは夜8時以降の飲食を見直し、夜間13時間の絶食時間を確保するところから始めてみてはいかがでしょうか。

体のリズムを整える小さな工夫が、長い目で見れば大きな健康への投資になるはずです。