症状で見つかるがんは手遅れ(ステージ4)か?がんのサインに気づく重要性

症状で見つかるがんは手遅れ(ステージ4)か?がんのサインに気づく重要性

がんのサインに気づくという“未来を守る力” ― 早期発見の価値をもう一度見つめて

がんのサインに気づくという“未来を守る力” ― 早期発見の価値をもう一度見つめて

私たちが日々の暮らしの中で向き合う健康リスクの中でも、がんは依然として大きな存在感を放ち続けています。しかし一方で、がんは「早期に見つけることができれば、治る可能性が高い病気」であることも、また紛れもない事実です。世界中で行われている Symptom Awareness Campaign(症状認知キャンペーン) は、まさにその“気づきの力”を広く共有する取り組みと言えるでしょう。

とはいえ、「症状が現れてから見つかるがんは、すでに進行していることが多いのでは?」という疑問や懸念が寄せられることもあります。症状を頼りにすることが本当に死亡率の低下につながるのか――この問いに明確な示唆を与える大規模研究が、イギリスから報告されました。

症状をきっかけに見つかったがんは、本当に“進行がん”なのか

イギリスの国民がん診断報告書を基盤として、膀胱がん、乳がん、結腸がん、子宮体がん、咽頭がん、肺がん、皮膚がん(メラノーマ)、口腔がん、卵巣がん、前立腺がん、腎臓がん――合計7997名の患者を対象に、症状と診断時のステージが分析されました。

対象となったのは20種類の一般的ながん症状。腹痛、体重減少、胸のしこり、血尿、嗄声など、日常生活の中で誰もが遭遇しうるサインばかりです。

調査によると、症状ごとにステージ4の割合は実に1%から80%まで幅広く分布していました。
もっともステージ4割合が高かったのは「首のしこり(80%)」「胸の痛み(62%)」「背中の痛み(61%)」の3つでした。

しかし、注目すべきは別のところにあります。

20種類中13種類の症状では、50%以上の患者がステージ1〜3という“早期〜中間期”で診断されていた のです。

この13種類の症状には、胸のしこりや異常なほくろ、体重減少、排便習慣の変化、倦怠感、腹痛など、多くの人が「よくある症状」と捉えがちなサインが含まれていました。

つまり、「症状に気づいて受診する」という行動は、決して手遅れの象徴ではない。むしろ、多くの患者にとって早期発見のきっかけとなり得る――この研究は、その事実を明確に示しています。

早期発見が変える“未来”

がんの治療成績は病期によって大きく左右されます。

  • ステージ1の5年生存率:90%以上
  • ステージ4の5年生存率:およそ20%

この数字が示すものは、単なる統計の羅列ではありません。
「少しでも早く気づくことが、その人の人生を守る力になる」という、非常に重要なメッセージです。

たとえがんが見つかったとしても、早い段階であれば十分に治療の選択肢が広がり、回復の可能性も大きく高まります。

自分の身体の“変化”に耳を澄ませる

がんのサインは、医師よりも先に“本人だけが気づける”変化です。
身体からのわずかな声を無視せず、「いつもと違う」と感じたら受診する――この小さな勇気が、未来を大きく変えるかもしれません。

また、主要ながんの症状や危険因子をわかりやすくまとめた書籍や資料も数多く存在します。基礎知識を持っておくことは、ご自身や大切な人を守るための備えにもなります。

最後に

■ 最後に

がんは、決して“気づいた時には遅い”病気ではありません。
今回紹介した研究のように、症状を手掛かりに受診した患者の多くが早期〜中期で診断されているという事実は、私たちに希望を与えてくれます。

どうかご自身の身体を大切に、ほんの小さな変化にも耳を傾けてください。
自分の身を守るのは、ほかでもない「自分」です。
早期に気づき、受診し、行動することが、かけがえのない未来を守る力になるのです。