自分自身に危害を加えたり、家族や支援者、他人の健康や生命に危害をもたらし、自らの様々な活動や学びの機会への参加を妨げる「強度行動障害」
これらの行動は、将来の社会生活や自立において大きなリスク要因となります。
今回は、この強度行動障害について、その特徴や定義、そして発生する原因について探っていきます。

まず初めに、強度行動障害の特徴についてですが、これらの行動がどの程度の強さで、どのくらいの頻度で現れるかを総合的に評価することになります。
同様に支援のニーズも、これらの行動の強度と頻度から判断されます。
強度行動障害は1988年に「強度行動障害児(者)の行動改善および処遇のあり方に関する研究」で最初に提唱されました。これは医療的な診断名とは異なり、日本の障害福祉の中で命名された造語です。
強度行動障害とは、重度・最重度の知的障害を持つ思春期以降の自閉スペクトラム症の人々が示す「チャレンジング行動」が非常に重篤である場合を指します。
このチャレンジング行動と自閉スペクトラム症に対する支援は、歴史的に深く関連しています。
日本では、医療・教育・福祉の分野で異常行動、不適応行動、行動障害、行動問題といった言葉を用いて行動上の問題に取り組んできました。
その多くは自閉スペクトラム症支援に関係しています。1980年代から英語圏で広く使われるようになった「チャレンジング行動」という用語も、日本の障害福祉の文化に適応して次のように定義されます。
チャレンジング行動の代表的な例として「強度行動障害」が挙げられます。
強度行動障害とは、多くが重度・最重度の知的障害を持つ人々です。
成人期においても、一人で街中を散歩してショッピングを楽しむといったライフスタイルは一般的ではありません。多くの場合、家族や支援者からの手厚い保護や支援を受けながら、社会参加の方法を模索しています。
知的障害が比較的軽度であったり、知的障害が認められない自閉スペクトラム症(ASD)の人々のライフスタイルは、強度行動障害を持つ人々とは大きく異なります。
そして、彼らの行動上の課題も異なる形で現れます。
以下は、思春期・青年期以降の自閉スペクトラム症の現場で見られる具体的な事例です。
これらの行動は、社会的規範から逸脱することもあり、場合によっては刑法上の罪に問われることもあります。いわゆる、触法、虞犯、非行と呼ばれる行為です。
発達障害の臨床研究の進展に伴い、このような社会的に逸脱した行為に対するアセスメントや介入方法が検討されています。
一方で障害福祉関係者にとって、法律上の罰則とは別に、地域で長期的な支援を提供すべき対象者であることが多いです。人生全般を見通し、最良の対応を検討することが求められます。
強度行動障害は次のように定義されています。
強度行動障害がある人の多くは、重度の知的障害や自閉スペクトラム症を抱えています。
この障害の特性と環境とのミスマッチが、行動の問題をさらに大きくすることが指摘されています。
強度行動障害が現れる年齢は様々ですが、特に思春期以降に強いこだわり、自傷行為、他傷行為、破壊行動などが重篤化する場合が多いです。
強度行動障害の原因は、以下の要因によるものと考えられます。
強度行動障害は、特に重度の知的障害や自閉スペクトラム症(ASD)を持つ人に多く見られます。
しかし、必ずしも障害の重さだけが関係するわけではありません。
特性や環境によっては、知的障害や発達障害の度合いが軽度の場合でも強度行動障害が見られることがあります。
以上が強度行動障害の特徴や定義、そして強度行動障害が引き起こされる原因についての説明でした。
強度行動障害は、生涯にわたって本人が困っているサインと捉え、本人の特性や周囲の環境をきちんと評価して行動の原因を探ることが重要です。
障害特性に合った対応はもちろん、さまざまな福祉サービスや医療を組み合わせて、一人一人に合った支援を見つけていくことが大切です。
