IABPの看護について解説! part 1 タイミングや適応はどうやって決めてるの?

IABPの治療と看護について:仕組みと効果を詳しく解説

心臓の機能が低下した患者における治療の中でも、大動脈バルーンパンピング(Intra-Aortic Balloon Pumping, IABP)は非常に重要な役割を果たします。この治療法は心臓の負担を軽減し、酸素や栄養を効果的に供給するために設計されています。本記事では、IABPの仕組み、適応疾患、心臓の役割との関係を解説し、看護の観点からも触れていきます。


IABPの基本概要

IABPは、鼠径部から動脈内にカテーテルを挿入し、大動脈に留置されたバルーンを心臓の拍動に合わせて収縮・拡張させる治療法です。この治療は、心臓の機能を補助することで、心不全などの重篤な疾患に対応します。

適応疾患例:

  • 急性冠症候群(例:急性心筋梗塞、薬剤抵抗性心不全)
  • 心筋梗塞の合併症(例:心原性ショック、心室中隔欠損症)
  • リスクの高い経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の補助
  • 開心術後の低心拍排出量症候群
  • 人工心肺からの離脱困難時
  • PCPS(体外式膜型人工肺)使用中の後負荷軽減

心臓の機能とIABPの必要性

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を担っていますが、心筋自体も酸素や栄養を必要とします。心筋への供給は冠動脈が担い、特に心臓の拡張期に血流が流れ込みます。そのため、心不全や急性心筋梗塞の患者においては、この冠動脈血流の維持が治療の鍵となります。


IABPの具体的な仕組み

IABPでは、大動脈内に留置したバルーンが以下の2つの効果を発揮します:

  1. ダイアストリック・オーグメンテーション(拡張期補助効果)
    心臓が拡張するタイミングでバルーンを膨らませ、大動脈内の圧力を高めます。これにより、冠動脈へ流れる血液量が増加し、心筋への酸素供給が促進されます。
  2. シトリック・アンローディング(収縮期軽減効果)
    心臓が収縮するタイミングでバルーンを収縮させることで、左心室から血液を送り出す際の抵抗(後負荷)を軽減します。これにより、心拍出量が増加し、心臓の負担が軽減されます。

IABPの管理方法

バルーンの動作は、以下の2つの方法で調整されます:

  1. 心電図トリガー
    心電図波形を基に心臓の収縮・拡張タイミングを検知します。不整脈がある場合にも適切に調整できるため、基本的にこの方法が選択されます。
  2. 動脈圧トリガー
    動脈圧波形を基に調整する方法で、特に心電図が正確に取得できない場合に用いられます。ただし、安定性は心電図トリガーに劣ります。

IABP使用時の看護のポイント

IABPは侵襲的な処置であるため、以下の看護ケアが重要です:

  • 患者の観察と管理: 出血や感染、血栓形成などの合併症に注意します。
  • 心電図や動脈圧波形のモニタリング: バルーンの動作が適切であることを確認します。
  • 安静の維持: カテーテル挿入部の安定化のため、患者の体位を慎重に管理します。

まとめ

IABPは、心臓の動きに合わせてバルーンを収縮・拡張させることで、冠動脈血流の増加や心臓の負担軽減を実現する治療法です。適切な管理と看護が、この治療法の効果を最大化する鍵となります。次回は、IABP使用中の患者ケアについてさらに詳しく掘り下げていきます。


以上、IABPの治療と看護についての解説でした。本記事が、医療に関心を持つ方や看護師の皆さんにとって有益な学びとなれば幸いです。