知的障害の判断に必要なもの【知的障害と適応行動】

知的障害者の知能レベルには通常、4つの大きな分類があります。また、

  • 日常生活に必要な行動の程度
  • 発症年齢

によって、知的障害があると診断されます。今回は、基本的なことではありますが、多くの人が意外と理解していない知的障害の分類と、適応行動について解説します。

知的障害とは

知的障害とは

知的障害は以下の3つの条件から診断されます。

  1. 知能検査で測定されるIQ(知能指数)
  2. 適応行動尺度で測定される日常生活に必要な行動の程度
  3. 概ね18歳までの発症

知的障害のある人は、知的能力および生活の適応能力が通常の人とは異なります。知的障害のレベルは様々です。

知的障害の分類(4つの分類)

知的障害は通常、軽度、中度、重度、最重度に分類されます。

  • 軽度: IQが50~70程度。幼児期の遅れはほとんどなく、小学校で読み書きや算数の学習に遅れが見られます。人生の節目で支援が必要です。
  • 中度: IQが35~55程度。幼児期から身体やコミュニケーション、日常生活に遅れが見られます。自立した生活は困難ですが、支援があれば社会で働くことも可能です。
  • 重度: IQが20~40程度。日常生活での支援が必要で、3歳以前に遅れがわかることが多いです。社会的な付き合いは可能ですが、対人的な困難があります。
  • 最重度: IQが20以下。身体やコミュニケーション、日常生活に顕著な遅れがあり、集中した支援が必要です。

その人らしい生活を行うには支援のある環境が必要です。しっかりとした支援があれば、簡単な作業を自立的に行うことも可能です。生活の場では、ほとんどの人が集中的な支援を必要とします。

知的障害の診断基準

知的障害の診断には、知能検査のIQを用いますが、診断の基準には、知能検査の結果だけではなく、「適応行動の基準」も設けられています。これは、知能検査の結果に頼りすぎると誤診の可能性があるためです。では、適応行動とは何でしょうか。

適応行動とは

適応行動とは

私たちは、日常生活の中で、家庭や社会で様々なことを学びながら、それらを活用して生活をしています。そのような、日常生活で必要な技能や知識をすべてまとめて「適応行動」と呼んでいます。適応行動は、以下の「概念的領域、社会的領域、実用的領域」の3つに分類されます。

  • 概念的領域:言語、読み書き、数の概念など。
  • 社会的領域:対人的スキル、社会的責任、規則遵守など。
  • 実用的領域:日常生活の活動、職業スキル、安全管理など。

適応行動の種類について

知的障害のある人によく見られる適応行動は、言語、対人関係、日常生活行動、職業スキルなどです。

  • 概念的適応スキル: 言語、読み書き、お金の概念、自己管理など。
  • 社会的適応スキル:: 対人関係、責任、自尊心、騙されやすさ、規則を守る、被害者となることを避ける、遵法など。
  • 実用的適応スキル: 職業スキル、安全な環境の維持など。

最後に

以上が、知的障害のある人の知的能力の分類、また、適応行動とは何かについてでした。知的障害を理解するためには、知能テストや適応行動尺度だけでなく、理解する側の心構えや、その人が置かれている環境への配慮も重要です。