突然の骨折や怪我の場面において、適切な応急処置を行うことは、その後の回復を大きく左右します。本記事では、骨折の際に行うべき応急処置として広く知られる「RICE処置」について詳しく解説します。緊急時に備えて、ぜひ知識を深めておきましょう。
骨折とは、解剖学的に骨の連続性が断たれた状態を指します。骨折には以下のようなさまざまな種類があります。

骨折は部位や受傷機転(外傷を負った原因や経緯)によって分類されます。特に「高エネルギー外傷」と呼ばれる強い衝撃を伴う怪我の場合、外見では軽症に見えても内部で重大な損傷が起こっている可能性があります。生命の危険がある場合もあるため、事故や怪我の際には迅速な対応が求められます。
以下の状況が含まれる場合、高エネルギー外傷の可能性が高いとされます。
このような受傷機転は非常に重要な情報なので必ず聞き取りを行い、診察や治療決定の手掛かりになるので確認するように心がけましょう。また、可能な範囲で医療者へお話しできるようにしましょう。
骨折が起こると、身体には侵襲(損傷)が加わり、次のような症状が現れます。

これらは炎症反応の典型的な4徴候です。仮にすべての症状が揃っていなくても、症状が改善しない場合や悪化が見られる場合は骨折を疑い、速やかに医療機関を受診する必要があります。
骨折による損傷は、骨そのものだけでなく、周囲の神経や血管にも影響を及ぼす可能性があります。特に次のような場合には、特別な処置が必要となります。
処置の方法
こうした症状がある場合には、迅速な医療対応が必要です。特に、手足の変形や内出血による色変化、感覚障害がある場合は速やかに病院を受診してください。
骨折や捻挫、打撲など、怪我の際に有効な応急処置が「RICE処置」です。この処置は、炎症を鎮め、さらなる損傷を予防することを目的としています。RICE処置は、次の4つのポイントで構成されています。

以下、それぞれのポイントについて詳しく説明します。
患部を動かさないことで、骨折の悪化や炎症反応の増強を防ぎます。骨折が疑われる場合は、まず患部を清潔に保ちながら動かさないように努めましょう。
冷却は、腫れや痛みを抑えるために非常に有効です。氷と少量の水をビニール袋に入れ、タオルで包んで患部に当てましょう。冷やす時間は15~20分程度を目安にし、皮膚が凍傷にならないよう注意してください。
タオルや包帯で軽く圧迫することで、内出血や腫れを抑える効果があります。ただし、強く圧迫しすぎると血流障害を招く可能性があるため、圧迫した部分より先が痺れたり、皮膚の色が変化していないかを確認しましょう。
患部を心臓より高い位置に上げることで、腫れを抑えることができます。足を怪我した場合は、座った状態でクッションや布を用いて足を高くするなど、可能な範囲で挙上を行いましょう。一度腫れてしまうと回復に時間がかかるほか、手術が必要な場合の妨げになる可能性もあるため、腫れを防ぐことが重要です。
RICE処置を早期に行うことで、腫れや炎症の拡大を抑え、回復までの時間を短縮する効果が期待できます。また、適切な応急処置は後の診断や治療にも大きく影響を与えます。特に高エネルギー外傷や開放骨折が疑われる場合には、現場での初期対応がその後の予後を左右することがあります。
骨折は、誰にでも起こり得る身近な怪我です。しかし、その応急処置の仕方によっては、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。特にRICE処置は、骨折だけでなく捻挫や打撲にも効果的な方法です。もしもの時に備えて、今回の記事で紹介した内容をぜひ覚えておきましょう。
「R:Rest(安静)」「I:Ice(冷却)」「C:Compression(圧迫)」「E:Elevation(挙上)」を合言葉に、迅速かつ適切な対応を心がけましょう。