家庭とは、夫婦間の信頼と愛情を基盤として築かれるものです。そこには家族の団らんがあり、全員が安心して過ごせる場所です。家族同士の思いやりにより心が成長し、外で辛いことがあっても家に戻ると心が癒され、次の日に向けて前向きになることができます。しかし、逆に家庭内で心が傷つけられたり、孤独を感じる場合、家族全員、特に子どもの心に悪影響を与えることがあります。子どもの心は特に敏感であり、そうした悪影響により心の病気を発症する可能性があります。
最近の研究によれば、家庭内で暴力などの悪い影響を受け続けた子どもは、トラウマだけでなく、成長後の人格形成にも悪影響を及ぼすことが分かってきました。具体的には、大人になっても自己肯定感が低く、感情が不安定になり、対人関係を築けなくなるといった状態です。これが「複雑性PTSD」と呼ばれるようになりました。心理学者のスーザン・フォワードは、子どもに悪影響を与える親を「toxic parents」、日本語で「毒親」と名付けました。この考えに基づき、子どもの心に傷を与える家族を「toxic family」、日本語で「毒家族」と呼ぶことがあります。では、具体的にどのような家庭が問題なのでしょうか。今回は、子どもが心を病んでしまう毒家族の9つのサインについて紹介します。

家庭において最も重要なのは団らんですが、夫婦が絶えず争っている場合、家庭はまるで戦場のようになります。そんな環境では子どもは常に緊張し、安らぎを得られません。家庭の中心が恨みや争いであるならば、そこに住む子どもの心は次第に病んでしまうでしょう。
暴力が存在する
家庭内で暴力があると、家族の一員は大きな心のダメージを受けます。これは身体的な暴力だけでなく、言葉の暴力も含まれます。暴力を振るう人自身がパーソナリティ障害やアルコール依存症などの心の問題を抱えている場合が多く、それが家族全体に悪影響を及ぼすことがあります。
家族を自分の一部のように扱い、全員を自分の思い通りにしようとする人がいます。例えば、親が子どもに東大に入ることを強要し、生活全般を管理するなど、子どもの自主性を尊重せず、従わない場合は罰を与えることがあります。これは子どもにとって非常に過酷な状況です。
プライバシーの侵害
健康的な家庭では、家族全員にプライベートな時間や空間があるべきですが、それが守られない場合があります。例えば、親が突然酔っ払って子どものプライバシーを侵害し、愚痴を強要する場合、子どもは常に緊張を強いられ、心の安らぎを感じることができません。
反対に、家族同士が無関心で、ほとんど会話がない家庭も問題です。親が子どもの心のSOSに気づかない場合、子どもの孤独感は深まり、最悪の場合、非行や犯罪に繋がることがあります。
親からの批判が続くと、子どもの自己肯定感が育たなくなります。家庭が心の安らぎを提供する場所であるべきなのに、子どもが助けを求めても批判しかされない場合、子どもはますます追い詰められ、心の病気を発症する可能性があります。
子どもをバカにしたり、外見や能力を否定的に扱う家族も毒家族の一種です。子どもが家族から屈辱を受け続けると、自己肯定感が低下し、自分の存在を否定するようになります。
離婚や死別などで親を失った子どもが、残された家族に適切なケアを受けられない場合、孤独感が増し、心の病を引き起こす可能性があります。

家庭内での不公平な扱い、特に兄弟間での差別が続くと、子どもは深く傷つきます。長期間にわたって差別を受けた子どもは、心の病気にかかることがあります。
家庭の問題が原因で生じた複雑性PTSDは治療可能です。まずは毒家族から独立することが大切で、必要に応じて福祉機関のサポートを受けることも可能です。心の傷は、安心できる生活や信頼できる人との関係で癒されていきます。カウンセリングなどを活用して、少しずつ過去の辛い経験を話し、心を軽くすることが重要です。過去を語る際に怒りや苦痛を感じなくなった時、それは回復のサインです。