医療において、除細動は非常に重要な処置の一つです。
本記事では、除細動の基本的な役割と2種類の除細動の違い、適応症例、そして看護の視点について詳しく解説していきます。

除細動とは、不整脈の治療に用いられる医療機器で、体表から強い電気刺激を瞬間的に心臓へ送り、正常なリズムに戻すことを目的としています。
身近な例として、公共の場に設置されているAED(自動体外式除細動器)も除細動器の一種です。
心臓は、自ら電気刺激を発生させ、それが心臓全体に伝わることで、一定のリズムを保ちながら収縮・拡張を繰り返しています。
しかし、不整脈が発生すると、電気刺激のタイミングや場所がバラバラになり、心臓の筋肉が不規則に収縮してしまいます。
これにより、全身への血液循環が正常に行えず、血圧の低下やショック状態に陥る危険があります。
こうした異常な状態をリセットし、正常なリズム(洞調律)に戻すために除細動器が用いられます。

除細動には大きく分けて「非同期除細動(defibrillation)」と「同期下除細動(cardioversion)」の2種類があります。それぞれ適応する不整脈が異なり、使用する場面が明確に分けられています。
適応となる不整脈
心室細動や無脈性心室頻拍は致死性不整脈に分類され、心臓が効果的に収縮せず、血液を全身に送ることができない状態です。これは心肺停止状態に相当し、一刻も早い対応が必要です。
そのため、電気刺激をタイミングに関係なく(=非同期)即座に送る必要があります。
ポイント
適応となる不整脈:
これらの不整脈は循環動態を不安定にさせるリスクがあるものの、完全な心停止ではないため、適切なタイミングで電気ショックを行うことが重要になります。
このとき、電気ショックは心電図のQRS波に同期して行われます。
理由は、電気刺激がT波(再分極時)に重なると、致死性不整脈(Shock on T)を誘発する危険があるためです。T波は心室の興奮から回復するタイミングであり、この時に強い電気刺激が加わると、心室細動へ移行するリスクがあります。
ポイント

除細動を行う際の基本的な手順は以下の通りです。

同期下除細動を行う際、意識のある患者に対していきなり電気ショックを行うのは大きな苦痛を伴います。そのため、以下の薬剤を使用することが一般的です。
ただし、これらの薬剤は呼吸抑制の副作用があるため、バイタルサインの監視や酸素投与の準備が重要です。
今回の記事では、2種類の除細動の違いと看護のポイントについて解説しました。
✅ 非同期除細動:心室細動・無脈性心室頻拍 → 即座に除細動が必要
✅ 同期下除細動:発作性上室頻拍・心房細動など → QRS波にタイミングを合わせて実施
✅ 除細動時は安全確認を徹底!
✅ 鎮痛・鎮静管理や皮膚トラブルのケアが重要!
除細動は救命処置として不可欠な技術であり、適切な知識と準備が求められます。看護師として、患者の安全を第一に考え、適切な対応を行えるよう努めていきましょう!