学習障害(LD)は、知的な遅れや聴覚・視覚の問題がないにもかかわらず、
読む、書く、話す、聞く、計算する、推論する能力の一部に著しい困難を抱える発達障害の一つです。
「勉強ができない」「新しいことを学べない」という誤解を受けることがありますが、
実際には学習の一部が特に苦手なだけで、全般的に学習が苦手なわけではありません。
他の発達障害と同様に、成人になってから障害に気づくこともあります。
学習障害の原因は未解明ですが、脳の一部が正常に機能していないことが考えられています。
男女比では男性の方が多い傾向にあり、著名人ではハリウッド俳優のトム・クルーズやキアヌ・リーブス、映画監督のスティーブン・スピルバーグもディスレクシア(読字障害)を公表しています。
学習障害や他の発達障害の原因には遺伝や環境など様々な説がありますが、
今回は学習障害の原因とされるいくつかの要因と遺伝に関する情報をまとめて解説します。

学習障害の症状
学習障害(LD)は、知的な遅れがないにもかかわらず、
聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力の一部に、著しい困難を抱える発達障害です。
学習障害には、
読字障害(ディスレクシア)、
書字障害(ディスグラフィア)、
算数障害(ディスカリキュリア)の3つのタイプがあり、
人によって症状の現れ方が異なる(主に学習を開始してから目立った症状が見られることが多い)ため、
診断が難しいことが多いです。
学習障害の特徴
読字障害(ディスレクシア):文字が読めないのではなく、文章を読むことが極端に遅く、
読み間違えることが多い。
書字障害(ディスグラフィア):文字を書く、文章を綴るのが難しい。
読字障害と書字障害は併存して表れやすいと言われています。
算数障害(ディスカリキュリア):計算や推論をするのが困難。
学習障害をもつ子どもによく見られる行動の一例
読字障害(ディスレクシア):ひらがなの音読が遅く、読み間違えることが多い。
読んでいる文字、文章の意味を理解することが困難。
文章を読むのがたどたどしく、文章の内容やあらすじを把握したり、
内容をまとめたりすることが苦手。
書字障害(ディスグラフィア):バランスのとれた文字を書くことに難しさを覚えていて、
板書などを書き写すのに時間を要する。
文章を書くときに助詞などを上手く使いこなせなかったり、考えた内容を文章や文字にして表すことが困難。
算数障害(ディスカリキュリア):数の概念が身につかず、数系列の規則性などを覚えることが大変で、
計算を覚えること、文章問題を解くことが難しい。
※これらは行動の一例です。必ずしも全ての学習障害をもつ人に、上記の行動が該当するとは限りません。
学習障害の原因
学習障害の原因は未解明ですが、中枢神経系に何らかの機能障害があると考えられています。
視覚障害、聴覚障害、情緒障害などが直接の原因ではありません。
学習障害は遺伝や環境など様々な要因が関係していると考えられており、先天的な脳機能の偏りが原因である可能性があります。
特性の偏りと対処法
学習障害は特性の偏りを判断することで対処しやすくなります。
読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)などのタイプの中にも個々に細かな特性が存在します。
これらの特性は専門機関での検査と診断で発見可能であり、その子に合った対処法を探していくことが重要です。
ICTといったテクノロジーの進歩により、学習障害による困難は軽減できると期待されています。

合理的配慮と支援の重要性
2016年4月からは障害者差別解消法によって合理的配慮が実施され、障害のある子どもに対して学校などで配慮がなされるようになりました。
学習障害を「障害」ととらえず「特性」の一つとして考え、治療して克服しなければならないものではなく、その人に合った解決策を見つけることが重要です。
学習障害についての正しい理解と合理的配慮を行うことで、誰もがのびのびと過ごせる環境を整えることができます。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。