【3分半でわかる!】低カリウム血症!やっぱり心電図に注意!

カリウムは人体にとって重要なミネラルであり、以下のような役割を担っています。

  1. 心臓や筋肉の動きの調整
  2. 細胞内外の浸透圧の調整
  3. 神経刺激の伝達

 血液中のカリウム濃度は通常 3.5~5.0mEq/L に保たれています。この値が 3.5mEq/L未満 になると、低カリウム血症と診断されます。


低カリウム血症の原因

低カリウム血症の原因は大きく 3つ に分けられます。

① カリウムの摂取不足

 食事からのカリウム摂取が不足すると、低カリウム血症を引き起こす可能性があります。背景として、以下のようなケースが考えられます。
 • 食欲不振 や 偏食
 • 絶食中の輸液管理(カリウム含有量が少ない輸液を使用)
 • 一人暮らしの高齢者や認知機能の低下した患者


② 体外へのカリウム喪失

 カリウムは尿だけでなく 下痢や嘔吐 によっても体外に排出されます。特に、以下のような疾患や薬剤使用が関連します。

• 潰瘍性大腸炎• ループ利尿薬の使用
• 原発性アルドステロン症• 腎血管性高血圧症
• 下剤の乱用• クッシング症候群
• Bartter症候群• 偽性アルドステロン症

③ 細胞外から細胞内へのカリウム移動

 細胞膜には ナトリウム-カリウムポンプ が存在し、カリウムを細胞内外でバランス良く調整しています。しかし、以下のような要因によってカリウムが細胞内へ移動し、血中カリウム濃度が低下することがあります。

 • インスリン投与
 • アルカローシス
 • β2刺激薬(ドブタミン、テオフィリンなどの吸入薬)

 低カリウム血症の原因を特定するためには、患者の 下痢・嘔吐の有無、尿量、使用薬剤、食事摂取状況 などを確認することが重要です。


低カリウム血症の症状

低カリウム血症の症状は 筋肉や心臓に関連するものが多い です。
 • 脱力感、筋力低下
 • 腸蠕動の低下(便秘)
 • 知覚異常(しびれなど)
 • 不整脈
 • 高度な低カリウム血症では呼吸筋麻痺
 • 多尿による脱水症状


低カリウム血症による心電図の変化

 特に 心電図の変化 に注意が必要です。カリウム濃度が 3.0mEq/L以下 になると、以下のような 不整脈 が出現しやすくなります。

 • T波の低下
 • ST低下
 • QT時間の延長
 • 重度の場合は致死性不整脈

日常的に患者の心電図をモニターしている看護師が早期発見することが重要となります。


低カリウム血症の治療

治療の基本は カリウムの補充 ですが、原因に応じたアプローチも重要です。

① 点滴によるカリウム補充

 • KCL(塩化カリウム)
 • ソルデム3A
 ※ 点滴でのカリウム投与は 急速投与を避けることが重要 です。


② 経口投与によるカリウム補充

 • アスパラカリウム
 • グルコン酸カリウム


③ 利尿薬の調整

 • カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトンなど) の使用


④ マグネシウム補充

 カリウム補充でも改善しない場合は マグネシウムの補充 を考慮します。低カリウム血症の患者の多くは 低マグネシウム血症 を合併していることがあるためです。


低カリウム血症の看護ポイント

①心電図モニターの観察

カリウム濃度が 3.0mEq/L以下 になると、心電図に異常が現れる可能性が高くなります。
 • T波の低下やST低下がないか確認
 • 不整脈の有無を常にチェック


②患者の状態変化の早期発見

 • 脱力感や筋力低下の有無
 • 便秘や腸蠕動低下の観察
 • 呼吸筋麻痺の兆候(呼吸苦など)


③カリウム補充時の注意点

カリウムの補充療法を行う際には、
 • 急速投与を避ける(点滴速度を遵守)
 • 腎機能を確認しながら投与(腎機能が低下しているとカリウム排泄が低下)
 • 過剰補正に注意(高カリウム血症のリスクも考慮)


④患者の生活指導

 • カリウムを多く含む食品の摂取(バナナ、ホウレン草、芋類など)
 • 利尿薬の服用時はカリウム補充の必要性を説明
 • 過度な下剤使用のリスクについて教育


まとめ

 • 低カリウム血症は不整脈を引き起こすリスクがあるため、心電図の変化に注意が必要。
 • 原因は「摂取不足」「体外への喪失」「細胞内への移動」に分けられる。
 • カリウム補充の際は急速投与を避け、腎機能を確認しながら慎重に行う。
 • 患者の状態変化を見逃さず、適切な対応を行うことが重要。

日々の看護業務の中で低カリウム血症のリスクを理解し、適切なケアを提供できるようにしましょう。