糖尿病とは、血糖値を下げる働きをするホルモン「インスリン」の分泌が不足したり、インスリンの作用が弱くなる(インスリン抵抗性が増大する)ことで、慢性的に血糖値が高くなる病気です。
インスリンは膵臓の「ランゲルハンス島」にあるβ細胞から分泌され、血液中の糖を細胞内へ取り込むことでエネルギーとして利用できるようにする働きを持ちます。しかし、何らかの理由でこの機能が低下すると、血液中に糖が過剰に残り、高血糖の状態が続いてしまいます。
糖尿病が進行すると、血管や神経が傷つき、腎不全、失明、心筋梗塞、脳梗塞、神経障害などの合併症を引き起こすリスクが高まります。そのため、糖尿病の治療では、血糖値をコントロールすることが最も重要とされています。
糖尿病の治療には、食事療法・運動療法・薬物療法の3つが重要です。
薬物療法は、糖尿病の進行を抑え、血糖値を適正範囲に保つために行われます。薬剤の種類は、以下の4つの作用に分けられます。
対象:主にインスリン分泌が極端に少ない1型糖尿病患者や、2型糖尿病で進行した患者
インスリンは、血糖値を一定に保つために「基礎分泌」と「追加分泌」の2つの分泌形態があります。
これに対応するために、インスリン製剤は以下の4種類に分類されます。
| 分類 | 主な薬剤 | 作用発現時間 | 持続時間 | 用途 |
| 超速効型 | ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ | 15~20分 | 2~4時間 | 食直前に投与し、食後血糖をコントロール |
| 速効型 | ヒューマリンR、ノボリンR | 30分 | 5~8時間 | 食前30分前に投与 |
| 中間型 | ヒューマリンN、ノボリンN | 1~2時間 | 12~18時間 | 基礎分泌の補充 |
| 持続型 | ランタス、レベミル、トレシーバ | 1~2時間 | 24~48時間 | 1日1回の投与で安定した血糖コントロール |
この治療は、膵臓β細胞を刺激してインスリンの分泌を増やす薬剤を使用します。
糖尿病の治療では、血糖値を適正範囲に維持するために、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせることが重要です。
✅ インスリン補充療法:自己分泌が不足している場合に用いられる。
✅ インスリン分泌促進薬:SU剤やDPP-4阻害薬を使用し、膵臓からのインスリン分泌を増やす。
✅ 糖の吸収・排泄調整薬:α-グルコシダーゼ阻害薬やSGLT-2阻害薬を用いて、糖の排泄や吸収を調節。
✅ インスリン抵抗性改善薬:メトホルミンやチアゾリジン系薬剤でインスリンの効きを良くする。
糖尿病は適切な治療と生活習慣の改善によって管理が可能です。早期発見と治療を行い、健康的な生活を維持することが大切です。