はじめに
大動脈解離は、突然発症し、命に関わる可能性の高い重篤な疾患です。本記事では、大動脈解離の基本的なメカニズム、原因、症状、手術の種類、そして術後の看護について詳しく解説していきます。医療従事者の方だけでなく、一般の方にも分かりやすく説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
大動脈は 外膜・中膜・内膜 の3層構造になっています。
大動脈解離とは、何らかの原因によって 内膜に亀裂が生じ、中膜が裂ける ことで発症する疾患です。この際に、内膜と中膜の間にできるスペースを 「偽腔(ぎくう)」 と呼びます。
また、大動脈解離には以下の2種類があります。
❶ 偽腔閉鎖型
❷ 偽腔開存型
このように、偽腔の状態を把握することが、治療方針の決定において重要なポイントとなります。
大動脈解離の発症には 生活習慣や疾患 など、さまざまな要因が関係しています。
特に 寒い季節は注意が必要 です。室内外の温度差によって血圧が急上昇し、大動脈解離を引き起こすことがあります。
❶ 主な症状
❷ 合併症
大動脈解離は、他の重篤な疾患を引き起こすことがあります。
大動脈解離は 緊急性・重症度が極めて高い疾患 であり、迅速な治療が求められます。
治療方針を決定する際に、 Stanford(スタンフォード)分類 という基準が使われます。
| 分類 | 特徴 | 治療方針 |
| A型 | 上行大動脈 に解離がある | 緊急手術(人工血管置換術) |
| B型 | 上行大動脈に解離なし | 内科的治療(血圧管理など) |
特に Stanford A型 の場合、発症から 48時間以内に破裂するリスクが高く、合併症を併発しやすいため、 緊急手術 が必要となります。
手術では、損傷した大動脈の一部を 人工血管 に置き換えます。
❶ 標的となる部位
❷ 手術の種類
手術の方法は 置換する範囲 によって異なります。
| 手術名 | 置換範囲 |
| 部分弓部大動脈置換術(ヘミアーチ) | 1~2本の血管+大動脈弓部の一部 |
| 全弓部大動脈置換術(トータルアーチ) | 3本の血管+大動脈弓部全体 |
❸ 手術中の工夫
大動脈解離の手術後は、以下の点に特に注意が必要です。
❶ 出血リスク
【看護ポイント】
❷ 脳梗塞・脳出血リスク
手術中に脳の血流が一時的に遮断されるため、術後の神経症状に注意します。
【看護ポイント】
❸ 呼吸・嚥下機能の低下
【看護ポイント】
・大動脈解離は緊急性・重症度ともに高い疾患である
・手術後は出血・脳梗塞・呼吸機能に注意し、適切なケアを行うことが重要
・多職種連携を活用し、質の高いケアを提供することが求められる
本記事では、大動脈解離の 原因・症状・手術・術後管理 について詳しく解説しました。特に医療従事者の方にとって、 術後管理の重要性 を理解することが患者の回復に大きく影響します。迅速かつ適切な対応を心がけましょう。