高ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が異常に高くなる状態を指します。
本記事では、高ナトリウム血症の原因や症状、治療方法、そして看護師ができるケアについて詳しく解説していきます。
日々の臨床現場で高ナトリウム血症の患者さんに遭遇することは少なくありません。適切な予防や早期対応を行うために、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。
高ナトリウム血症は、血清ナトリウム濃度が 150mEq/L以上 になった状態を指します。一般的な正常範囲は 135〜145mEq/L であり、これを超えると体内の水分バランスが崩れ、さまざまな症状が現れます。
ナトリウムは体液の浸透圧を調整し、水分バランスを維持する重要な電解質です。そのため、ナトリウム濃度が異常に上昇すると、体の水分分布に大きな影響を与え、特に脳に深刻なダメージを引き起こす可能性があります。

高ナトリウム血症の主な原因は、水分の喪失 または ナトリウムの過剰摂取 によるものです。具体的な原因を以下にまとめます。
体内の水分が過剰に排泄されることで、血液中のナトリウム濃度が相対的に上昇します。水分の喪失が原因となるケースには、以下のようなものがあります。
通常、健康な人であれば口渇中枢が働き、喉の渇きを感じて水分摂取を行います。しかし、脳の口渇中枢に異常がある場合 や 意識障害がある人 では、喉の渇きを訴えることができず、水分補給が不足することで高ナトリウム血症が進行します。
ナトリウムを過剰に摂取することでも、高ナトリウム血症が引き起こされることがあります。
通常は腎臓が余分なナトリウムを排泄しますが、腎機能が低下している場合には適切に排泄できず、血清ナトリウム濃度が上昇することがあります。
高ナトリウム血症では、細胞外液の浸透圧が上昇し、水分が細胞内から細胞外へと移動します。その結果、細胞内脱水が生じ、特に 脳細胞 への影響が大きくなります。
主な症状
特に 急激にナトリウム濃度が上昇 した場合、神経症状が顕著に現れることが多いため、早期発見と迅速な対応が必要です。

高ナトリウム血症の治療の基本は、水分を補給し、血清ナトリウム濃度を正常範囲に戻すこと です。
水分を補給することで、血液中のナトリウム濃度を希釈し、正常範囲に戻します。
ただし、急激にナトリウム濃度を下げると脳浮腫を引き起こす 可能性があるため、慎重に補正する必要があります。
糖尿病患者では、ブドウ糖液の使用によって高血糖を引き起こすリスクがあるため、血糖値の管理にも注意が必要です。
高ナトリウム血症の患者に対して、看護師ができる対応には以下のようなものがあります。
特に 高齢者や意識障害のある患者 では、喉の渇きを訴えにくいため、こまめに水分摂取を促すことが重要です。
ナトリウム濃度を急激に下げすぎると 脳浮腫 を引き起こし、頭蓋内圧亢進や 脳ヘルニア につながる可能性があります。慎重な管理が必要です。
高ナトリウム血症は、水分不足やナトリウム過剰摂取によって引き起こされる疾患ですが、適切な水分補給で予防が可能 です。看護師として、患者の皮膚状態や尿量、意識レベルを観察し、早期発見・早期対応に努めることが大切です。
本記事が、皆さまの臨床業務の一助になれば幸いです。