【3分でわかる!】低ナトリウム血症の症状と看護

はじめに

本記事では、「低ナトリウム血症」について詳しく解説していきます。

ナトリウムは、私たちの体内で重要な役割を果たしており、特に浸透圧の調整や水分バランスの維持に深く関与しています。低ナトリウム血症とは、そのナトリウムの血中濃度が低下する状態を指し、放置すると深刻な症状を引き起こす可能性があります。

今回は、低ナトリウム血症の原因、分類、診断方法、治療について詳しく説明し、特に医療従事者の方々にとって役立つ情報を提供していきたいと思います。

ナトリウムの役割と低ナトリウム血症とは?

ナトリウムの役割と低ナトリウム血症とは?

ナトリウムの役割

ナトリウムは体液の浸透圧を維持するために欠かせない電解質の一つです。
浸透圧とは、半透膜を介して濃度の異なる液体が隣り合ったとき、濃度の薄い方から濃い方へ水分が移動し、濃度を一定に保とうとする働きのことを指します。

ナトリウムには水を引き寄せる性質があり、体内のナトリウム濃度が上昇すると、それに伴って水分量も増加します。例えば、塩分の多い食事を摂るとのどが渇くのは、体内のナトリウム濃度が高くなりすぎたことを感知し、水分を摂取することでバランスを取ろうとする生理的な反応です。

通常、血清ナトリウム濃度は 135~145 mEq/L に維持されていますが、この基準値を下回ると「低ナトリウム血症」と診断されます。

低ナトリウム血症の分類

低ナトリウム血症は、体内の水分バランスによって大きく以下の3つに分類されます。

  1. 高張性低ナトリウム血症
    • 血漿浸透圧が高い状態で発生する。
    • 高血糖やマンニトール(浸透圧利尿剤)使用時に見られる。
  2. 等張性低ナトリウム血症
    • 血漿浸透圧が正常な状態で発生する。
    • 高脂血症や高タンパク血症によって起こることがある。
  3. 低張性低ナトリウム血症(最も一般的)
    • 血漿浸透圧が低下しており、実際に体内のナトリウム量が減少している状態。
    • ナトリウムを補正する必要があるのはこのタイプのみ。

診断方法

診断方法

低ナトリウム血症が疑われる場合、医師は以下の検査を行い診断を確定します。

血漿浸透圧の測定

血漿浸透圧は次の式で求めることができます。

血漿浸透圧=2×Na+血糖値(mg/dl)÷18+BUN(mg/dl)×2.8

正常値:280~295 mOsm/kgH₂O

この値が 低い 場合は、低張性低ナトリウム血症である可能性が高いです。

尿浸透圧と尿ナトリウムの測定

尿浸透圧と尿ナトリウムの測定により、低ナトリウム血症の原因をさらに絞り込むことができます。
例えば、尿中ナトリウムが多い場合は腎疾患が疑われ、少ない場合は体外へのナトリウム喪失が原因である可能性が高まります。

治療方法と注意点

治療方法と注意点

ナトリウム補正の際の注意点

低ナトリウム血症の治療では、ナトリウム濃度の補正速度が重要です。
一般的に、24時間以内に10mEq/L、48時間以内に18mEq/L 以内の上昇に抑える必要があります。
これは、急激なナトリウム補正が 浸透圧性脱髄症候群(ODS) を引き起こすリスクがあるためです。

浸透圧性脱髄症候群(ODS)とは?

ODSとは、急激なナトリウム補正により、脳の浸透圧が急激に変化し、脳幹や基底核に脱髄が起こる疾患 です。

  • 症状:四肢麻痺、意識障害、構音障害(言葉が話しにくくなる)
  • 特徴:ナトリウム補正直後ではなく、数日後に症状が現れる

そのため、特に ナトリウム濃度の急上昇が見られた患者 には、数日間の経過観察が重要となります。

看護師の役割

看護師は、血液検査の結果や患者の症状の変化を注意深く観察することが求められます。
特に、ナトリウム補正を受けている患者に対しては、補正速度の管理やODSの初期症状の確認が重要です。

まとめ

  • 低ナトリウム血症は、すべてのケースでナトリウム補正が必要なわけではない。
  • ナトリウム補正の際は、補正速度に注意し、急激な上昇を避ける。
  • 急激な補正による合併症(ODS)に警戒し、補正後も数日間の経過観察を行う。
  • 看護師は患者の症状を細かくチェックし、異常があれば早期に報告することが重要。

低ナトリウム血症は、入院患者でもよく見られる疾患の一つです。
今回の記事が、医療従事者の皆さまの理解を深める助けになれば幸いです。