自閉症にみられるカタトニア【緊張病】について

緊張病(カタトニア症候群)は、自閉症を含む発達障害の方々に頻繁に見られる症候群で、
体の動きが止まったり、言葉による指示に対して拒否反応を示すことが特徴です。
これは、いわゆる「あがり症」とは異なり、専門的な治療が必要となる状態です。

今回は、自閉症に見られるカタトニアの症状や治療法について説明いたします。

カタトニアとは
カタトニア(緊張病)とは、「動きが止まってしまう」「長時間動けなくなる」
「動作が遅くなる」「自発的に動けなくなる」など、動きが低下する症状や、
逆に「突然急激に動き出す」「指先などをくねらせる」などの動きも見られる症状です。

カタトニアは、ICD-10やDSM-5で統合失調症の一種として分類されています。
しかし、2000年に英国の精神科医ローナ・ウイングが自閉症との関連を報告して以来、
自閉症や発達障害の観点からも注目されるようになりました。

自閉症の人に見られるカタトニア
自閉症や発達障害の方々に見られるカタトニアは、主に10代半ばから20代前半にかけて発症します。
一定の治療法が有効とされており、多くの場合、数か月で症状が消失します。
しかし、中には症状が何年も続いたり、治療後も自発性が改善されないケースも存在します。

カタトニアの症状
カタトニアの症状には以下のものがあり、これらのうち3つ以上が当てはまるとカタトニア症候群と定義されます。

  • カタレプシー: 受動的に取らされた姿勢を保持し続ける症状
  • 蝋屈症: 固定された姿勢を自分の意思で動かせなくなる症状
  • 昏迷: 身動きせず、周囲の呼びかけにも反応がない状態
  • 焦燥: 理由もなくイライラしたり焦ったりすること
  • 無言症: 言語障害がないのに発語が見られない状態
  • 拒絶症: 外部からの指示や刺激に対して拒否反応を示す症状
  • 不自然な姿勢: 重力に逆らうような姿勢を続ける状態
  • 衒奇症: 不自然な表情や動作を取る状態
  • 常同症: 特定の行動を繰り返す症状
  • しかめ面: 理由もなくしかめ面を取る症状
  • 反響言語: 他人の言葉を繰り返すこと
  • 反響動作: 他人の動作や表情を真似る症状

自閉症に見られるカタトニアの具体例

  • 飲食の動作: 食事や飲み物を摂る際に動きが止まったり、動作が非常に遅くなることがあります。
  • 移動の動作: 室内外の移動が遅かったり、動けなくなることがあります。
  • トイレでの動作: 排尿の際に動きが止まったり、時間がかかることがあります。
  • 動作の停止: 作業や動作が途中で止まり、指示に抵抗することもあります。

カタトニアの治療法
カタトニアには主に薬物療法とECT(電気けいれん療法)の2つの治療法があります。

  • 薬物療法: ベンゾジアゼピン系のロラゼパムなどが代表的です。専門の医療機関での診断が必要です。
  • ECT(電気けいれん療法): 頭の左右のこめかみに電極を当てて電気を流す治療法です。
    即効性があり、効果が短期的な場合が多いです。

緊張病(カタトニア症候群)は、動作が止まったり、繰り返される症状に対して
専門的な治療が必要です。
早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが何よりも重要です。
以上が緊張病(カタトニア症候群)についての説明でした。
お読みいただきまして、ありがとうございました。