発達検査および知能検査について
発達検査や知能検査は、子どもの心身の発達や知的発達の度合いを評価するための検査です。
専門家が実際の検査場面で子どもが課題を遂行する様子を観察し評価することが望ましいとされていますが、子どもの精神状態や時間・場所の制約により実施が困難な場合には、親や保護者が記入する
スクリーニング形式で実施することもあります。
発達検査・知能検査の目的
- 子どもの心身の発達や知的発達の度合いを調査する
- 結果から発達の特徴を把握し、効果的な声かけや接し方のヒントを得る
- 発達の遅れやアンバランスから生じる困難を理解し、療育や支援計画を策定するための
基礎資料とする
検査結果は、子どもの発達の特徴を理解し、適切な声かけや接し方のヒントを提供します。
また、発達の遅れやアンバランスから生じる困難を把握し、療育や支援計画を策定する際にも
有効です。
注意点
- 一つの検査結果の数値だけで子どもの全てを理解することはできません
- 子どもの体調や検査環境が結果に影響することがあります
- 短期間に同じ検査を繰り返すと、練習効果によって結果が上昇する可能性があるため
注意が必要です
主な発達検査および知能検査
以下に、主な発達検査および知能検査を紹介します。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査法
- 適応年齢:0ヶ月~4歳8ヶ月
- 測定内容:運動、社会性、言語の分野ごとに乳幼児期の発達を評価し、
発達上の特徴を明らかにする
- 目的:発達の二次スクリーニング、発達の臨床診断
乳幼児精神運動発達診断法(津守稲毛式)
- 適応年齢:0歳~7歳
- 測定内容:日常生活の行動を運動、探索・操作、社会、食事・生活習慣、言語の
各領域から理解する
- 目的:発達の二次スクリーニング
日本版デンバー式発達スクリーニング検査
- 適応年齢:0歳~6歳
- 測定内容:粗大運動、言語、微細運動-適応、個人-社会の4領域を評価し、
正常な発達と比較する
- 目的:発達の二次スクリーニング
新版K式発達検査2001
- 適応年齢:3ヶ月~成人
- 測定内容:全体的発達水準および姿勢運動、認知適応、言語社会の3領域を評価する
- 目的:発達の臨床診断
田中ビネー知能検査Ⅴ
- 適応年齢:2歳~成人
- 測定内容:知能を総合的に捉え、知能指数により知能レベルを評価する
- 目的:一般知能の測定、知的障害の判定
改訂版鈴木ビネー知能検査
- 適応年齢:2歳~18歳11ヶ月
- 測定内容:短時間で知能を測定し、制限時間を設けずに子どもの姿勢を尊重する
- 目的:一般知能の測定、知的障害の判定
ウィスクラー式 WPPSI-Ⅲ、WISC-Ⅳ、WAIS-Ⅳ
- 適応年齢:WPPSI-Ⅲは2歳6ヶ月~7歳3ヶ月、WISC-Ⅳは6歳~16歳11ヶ月、
WAIS-Ⅳは16歳~89歳
- 測定内容:全体IQと4つの群指数(言語理解、知能総合、作動記憶、処理速度)
を算出し、詳細に分析
- 目的:知能指数の測定と個人のプロファイル解釈
絵画語彙発達検査
- 適応年齢:3歳~10歳11ヶ月
- 測定内容:絵画を用いて言語理解力の発達水準を評価
- 目的:言語理解の評価
日本版K-ABCⅡ
- 適応年齢:2歳6ヶ月~18歳11ヶ月
- 測定内容:認知処理過程と習得度から知能活動を測定し、教育的な働きかけに活用
- 目的:知能指数の測定と学習障害の判定
日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査
- 適応年齢:2歳9ヶ月~6歳2ヶ月
- 測定内容:感覚統合、運動協応性、言語非言語および複合能力を評価
- 目的:発達の臨床診断
S-M社会生活能力検査第3版
- 適応年齢:乳幼児~中学生
- 測定内容:身辺自立、移動、作業、意志交換、集団参加、自己統制など
6領域の生活行動を評価
- 目的:社会生活能力の評価
検査の重要性と実施の注意点
検査を実施する際には、目的を明確にし、必要な検査を選択することが大切です。
検査結果は数値だけでなく、子どもの表情や態度、応答の仕方を詳細に分析することで、
さらに深い理解が得られます。
検査実施者とフィードバックを行う医師等、そしてフィードバックを受けた保護者や支援者が
密接に連携し、子どもの強みを生かし、苦手な部分も無理なく取り組めるように
工夫することが重要です。