発達障害の初診で伝えるべき情報

はじめに

発達障害の診断を受けようと考えたとき、どのような情報を医師に伝えればよいのか悩む方は少なくありません。心療内科やメンタルクリニックで発達障害の可能性を調べる際に、適切な情報を提供することで、より正確な診断や適切な支援につながります。

本記事では、発達障害の診断を受ける際に役立つ情報について詳しく解説します。初診の際に医師に伝えるべきポイントを整理し、スムーズに診察を受けられるようにするための参考になれば幸いです。

発達障害の診断に必要な情報

発達障害の診断には、以下の4つの情報が特に重要です。

  1. 受診のきっかけ
  2. 現在の発達障害に関する症状
  3. 幼少期の発達障害に関する症状
  4. 現在のその他の心の不調

これらの情報を整理しておくことで、診断の精度が高まり、より適切な治療や支援を受けやすくなります。以下、それぞれの項目について詳しく説明します。

1. 受診のきっかけ

最初に、受診を考えたきっかけを明確にすることが大切です。どのような場面で困っているのか、日常生活や仕事、対人関係などで具体的にどのような問題が生じているのかを伝えましょう。

また、受診の動機についても整理しておくとよいでしょう。例えば、

  • 自分の意志で受診を決めたのか
  • 家族や職場の人、友人など周囲の勧めで受診を考えたのか
  • 周囲の勧めによる場合、自分では発達障害の可能性があると感じているのか、そうは思っていないのか

このような情報は、医師が診断を進める上で重要な判断材料になります。

2. 現在の発達障害に関する症状

現在困っている発達障害の症状について、具体的に伝えることが重要です。発達障害には主に ADHD(注意欠如・多動症)ASD(自閉スペクトラム症) があります。それぞれの特徴的な症状について、以下のような点を整理しておくと診察がスムーズになります。

ADHDの主な症状

  • 不注意: 忘れ物や失くし物が多い、物事を最後までやり遂げられない、ケアレスミスが多い
  • 多動: じっとしていられない、落ち着きがない
  • 衝動性: 考えずに行動してしまう、人の話を遮って話し始める

ASDの主な症状

  • 対人関係の困難: 人とのコミュニケーションが苦手、相手の気持ちを察するのが難しい
  • こだわり: 特定の物事に強くこだわる、ルーチンが崩れると不安になる
  • 柔軟な対応の難しさ: 予想外の出来事に適応するのが苦手、場面に応じた適切な対応ができない

現在の自分に当てはまる症状を整理し、どのような場面で困っているのかを具体的に説明できるようにしておきましょう。

3. 幼少期の発達障害に関する症状

発達障害の診断では、「子どもの頃から一貫して症状が続いているかどうか」が重要な判断基準となります。そのため、幼少期の様子についても振り返っておくことが必要です。

振り返るポイント

  • 幼稚園・保育園や小学校の頃、友達との関わり方に困ったことがあったか
  • 集団生活が苦手だったか
  • 忘れ物や提出物の管理が苦手だったか
  • 一つのことに強くこだわる傾向があったか

また、小学校の 通知表 に記載された評価も参考になります。ただし、最近では行動に関する記述が少なくなっている傾向があるため、通知表がない場合でも問題ありません。可能であれば、保護者や家族に当時の様子を聞いておくと、より正確な情報を提供できるでしょう。

4. 現在のその他の心の不調

発達障害に伴い、二次的な精神的な不調を抱えている場合もあります。例えば、以下のような症状がないか確認しておきましょう。

  • うつ症状: 気分の落ち込み、意欲の低下、興味関心の喪失
  • 不安症状: 人前で話すことへの強い不安、対人関係の苦手意識
  • 睡眠障害: 夜眠れない、途中で目が覚める、朝起きられない
  • 強いストレス: 仕事や人間関係のストレスが極端に高い

これらの症状がある場合、それが発達障害に伴う二次障害なのか、あるいは別の精神疾患によるものなのかを医師が判断するため、できるだけ具体的に伝えることが大切です。

初診を受ける際のポイント

初診の面接では、できるだけ普段通りの自分でいることが重要です。診察では、会話の流れや話し方、表情などからも情報を得るため、必要以上に気を張らずに自然体で臨みましょう。

スムーズに診察を進めるためのコツ

  • 事前に話す内容を整理する: メモを取るなどして、伝えたいことをまとめておく
  • 話を簡潔にまとめる: ADHD傾向のある方は話が脱線しやすいため、ポイントを絞る
  • 細かい点にこだわりすぎない: ASD傾向のある方は詳細を伝えすぎる傾向があるため、要点を意識する

まとめ

発達障害の診断を受ける際には、以下の4つの情報を整理して伝えることが大切です。

  1. 受診のきっかけ(なぜ診察を受けようと思ったのか)
  2. 現在の発達障害の症状(日常生活で困っていること)
  3. 幼少期の発達障害の症状(子どもの頃からの傾向)
  4. 現在のその他の心の不調(うつ、不安、不眠など)

診察時は、できるだけリラックスして普段通りの自分を意識しつつ、整理した情報を伝えることが重要です。本記事が発達障害の診断を受ける際の参考になれば幸いです。