WAIS(ウェクスラー成人知能検査)は、代表的な心理検査の一つです。近年では、発達障害の診断に関連する検査として認知されることも増えてきました。
しかし、この検査には得意な部分と不得意な部分があり、すべてを明確に診断できるわけではありません。本記事では、WAIS検査でわかること、そしてわからないことについて詳しく整理し、検査を受ける際のポイントを解説します。

WAIS検査では、主に以下のようなことがわかります。
WAIS検査の基本となるのがIQ(知能指数)の測定です。IQの平均は100とされ、一般的に95%の人が70~130の範囲に収まるとされています。IQの数値によって、知的能力の全体的な傾向を把握できます。
WAIS検査では、IQだけでなく、認知機能を4つの領域に分けて測定します。
この4つの指標をもとに、どの分野が得意でどの分野が苦手なのかが明確になります。例えば、「言語理解が強いが、処理速度が遅い」という場合、会話や文章理解は得意でも、素早い作業が苦手である可能性が考えられます。
WAIS検査の特徴の一つとして、「得意分野と苦手分野の差」を分析できる点があります。このばらつきが大きいと、発達障害の可能性を示唆することがあります。例えば、言語理解が非常に高いのに処理速度が極端に低い場合、日常生活の中でストレスを感じやすい傾向があるかもしれません。
ただし、WAIS検査の結果だけで発達障害の診断が確定するわけではありません。他の心理検査や医師の診察と組み合わせることで、より正確な診断につなげることが重要です。
WAIS検査の結果は、以下のように活用できます。
例えば、「ワーキングメモリーが低い」と診断された場合、メモを活用したり、タスクを細かく分けて進める工夫が有効です。一方、「処理速度が速いが言語理解が低い」場合、会話や文章の理解に時間をかけることで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。

WAIS検査は知能の特性を測る優れた検査ですが、以下のようなことはわかりません。
WAIS検査の結果だけでは、発達障害の診断はできません。あくまで「認知の特性」を示すものであり、発達障害の診断には、臨床心理士や医師による診察や、他の心理検査、問診などが必要です。
WAIS検査は「問題を解く能力」を測るものであり、性格や個性を直接測定するものではありません。そのため、「内向的か外向的か」「協調性が高いか低いか」といった性格傾向はこの検査からはわかりません。
WAIS検査は、基本的に数値化できる認知能力を測るものです。例えば、芸術的な感性や独創的な発想力など、定量的に評価しづらい能力はこの検査では把握できません。
WAIS検査を受けるにあたって、以下の点を理解しておくことが大切です。
WAIS検査は、認知能力を詳細に測ることができる有用な検査です。他の心理検査や診察と組み合わせることで、発達障害の診断補助や自己理解に役立ちます。ただし、万能な検査ではないため、結果を過信せず、適切に活用することが大切です。
検査を受けるかどうか迷っている方は、まずは専門家に相談し、自分にとって最適な活用方法を考えてみましょう。