復職後から治療終結まで

うつ病などで休職した後、復職をする際には「再燃予防(ぶり返しを防ぐ)」が最も重要です。焦らずに少しずつ仕事量を増やし、無理のないペースで職場復帰を進めていくことが求められます。

本記事では、復職後に注意すべきポイントや仕事量の増やし方、不調時の対応、抗うつ薬の使用、治療の終結までの流れを詳しく解説します。

復職後の最重要課題:再燃予防

復職後、最も注意すべきなのは再燃予防(ぶり返しを防ぐこと)です。

実際、復職後にストレスや疲労が蓄積し、症状がぶり返して再び休職に至るケースは少なくありません。そのため、外来診察では以下の点を重点的にチェックします。

再燃の前兆を見極める

  • ストレスの蓄積度
  • 疲労の度合い
  • 症状のぶり返しの兆候(睡眠障害、不安、気分の落ち込み、体調不良など)

中でも「疲労の蓄積」は再燃のリスクを大きく高めるため、疲労をためない工夫が復職初期には特に重要になります

仕事量の増やし方

復職直後は軽めの業務から

復職後すぐにフルタイムで働くのは非常にリスクが高いため、最初は負担の少ない業務から始めるのが基本です。

仕事量の増やし方のポイント

  1. 最初は少なめの業務から開始(短時間勤務や軽作業など)
  2. 無理のない範囲で徐々に増やしていく
  3. 急に仕事量を増やさない(急激な負荷増大は危険)
  4. 会社や産業医と相談しながら進める

特に、「大丈夫そうだから」と急に業務を増やすのは危険です。少しずつ慣らしていくことで、再燃のリスクを最小限に抑えられます

不調を感じたときの対応

不調の兆候を見逃さない

復職後に不調を感じた場合、「早期対応」が非常に重要です。

早めに気づくためのポイント

  • 自分の前兆症状を知っておく(不安が強くなる、眠れなくなる、落ち込む、体調不良など)
  • 少しでも異変を感じたら早めに休む(有給休暇の活用など)
  • 会社や産業医に相談する

不調のサインは人によって異なりますが、一度症状が悪化してしまうと回復に時間がかかるため、「違和感を覚えたらすぐに対応する」ことが重要です。

抗うつ薬の使用について

復職後の抗うつ薬の継続が推奨される理由

復職後すぐに抗うつ薬をやめると、再燃のリスクが高まるため、原則として復職後半年間は同じ量を続けることが推奨されます。

抗うつ薬の減薬の流れ

  1. 復職後半年間は同じ量を維持(その間に仕事量を元に戻す)
  2. 半年後、症状が安定しており仕事量も十分であれば徐々に減薬
  3. 減薬時は離脱症状(めまい、不安、倦怠感など)に注意
  4. 1回目のうつ病ならば最終的に薬をなくすのが目標

再発歴がある場合の注意点

  • うつ病の再発歴が2回以上ある場合、少量の薬を続ける選択肢もある
  • 医師と相談しながら、最適な治療方針を決める

なお、躁うつ病や統合失調症などの場合は、抗うつ薬を続ける必要があるため、主治医の指示に従いましょう。

治療の終結(卒業)のタイミング

治療を終える3つの条件

治療を終結するタイミングは、次の3つの条件が揃ったときです。

  • 症状がほぼない(気分の落ち込みや不安がほとんどない)
  • 仕事量が十分増えており、通常業務に問題なく対応できる
  • 薬をやめても問題がない

これらの条件が満たされると、通院の必要性が低くなり、治療を終えることができます。

治療後の注意点

ただし、治療を終えても再燃のリスクはゼロではないため、

  • 再燃の兆候があればすぐに対処する
  • 必要に応じて再受診する

ことが重要です。

まとめ:復職後の成功のために

  • 復職後の最重要課題は「再燃予防
  • 仕事量は無理せず徐々に増やしていく
  • 不調を感じたら早めに対処(休養や相談を躊躇しない)
  • 抗うつ薬は復職後半年間は続けるのが基本
  • 症状が安定し、仕事量も問題なく、薬も不要になったら治療終結

復職は、単なる「仕事への復帰」ではなく、「長く働き続けるための準備期間」でもあります。焦らず、無理せず、自分のペースで復職を進めていきましょう。

もし不安や疑問がある場合は、一人で悩まず主治医や会社の産業医に相談することが大切です。