達成感のあることをする

 仕事や家事、育児など、日々の生活の中で私たちはさまざまなことに追われています。忙しさは確かにストレスの要因となることが多いですが、「忙しい=ストレスが大きい」とは必ずしも言えません。

 同じように過酷な環境であっても、達成感を感じられるかどうかによって、そのストレスの受け止め方が変わることがあります。達成感を得ることで、人は充実感や満足感を感じることができ、それが次の行動へのモチベーションにもつながります。

 本記事では、心理学の「行動活性化(Behavioral Activation)」の理論をもとに、達成感を得ることの重要性と、それを日常生活や仕事に活かす方法について詳しく解説します。


行動活性化とは?

 行動活性化とは、認知行動療法(CBT)の中で用いられる概念の一つで、「活動を増やすこと自体が意欲の増進につながる」という考え方です。人は、何かを達成することでポジティブな感情を得ることができ、それが次の行動への原動力になります。

 例えば、気分が落ち込んでいるとき、「何もやる気が起きない」と感じることがあります。しかし、そのまま何もしないでいると、気分がさらに沈んでしまうことがあります。一方で、小さなことでも「やってみる」ことで達成感が生まれ、少しずつ意欲が湧いてくることがわかっています。

 この理論は、うつ症状の改善にも応用されています。例えば、最初は簡単なタスク(部屋の片づけや散歩など)から始め、少しずつ達成感を積み重ねることで、気分を改善し、より大きな活動へとつなげていくのです。


達成感を得るための具体的な方法

 それでは、どのようにすれば日常の中で達成感を得られるのでしょうか。仕事、プライベート、そして人間関係において、それぞれの視点から具体的な方法を見ていきましょう。

1.仕事における達成感の見つけ方

 仕事は生活の大部分を占めるため、達成感を持てるかどうかが日々の充実度を左右します。以下のポイントを意識すると、仕事の中で達成感を感じやすくなります。

(1) 目標を設定する

 達成感を得るためには、「何を達成するのか」を明確にすることが重要です。漠然と業務をこなすのではなく、短期・中期・長期の目標を立て、それをクリアしていくことがモチベーションの向上につながります。
  • 短期目標: 今日中に終わらせるべきタスク
  • 中期目標: 1週間〜1ヶ月以内に達成するべき業務改善やスキル習得
  • 長期目標: 1年後のキャリアプランや昇進、転職など

(2) 成果を可視化する

 自分がどれだけのことを成し遂げたのかを見える形にすることで、達成感をより強く感じることができます。例えば、進捗をリスト化してチェックを入れる、日報をつける、数字で成果を記録するなどの方法があります。

(3) 成果を認めてもらう

 上司や同僚に成果を報告し、評価してもらうことで、さらに達成感が高まります。特に、チームでの仕事では、お互いにフィードバックを送り合うことで、達成感を共有しやすくなります。


2.プライベートで達成感を得る方法

 仕事だけでなく、プライベートの時間に達成感を得ることも、日々の充実感を高めるために重要です。

(1) 趣味や特技を活かす

 達成感を得るためには、何か新しいことに挑戦したり、自分の得意なことを伸ばしたりするのが効果的です。例えば、以下のような活動が挙げられます。
  • 楽器やスポーツの習得: 上達が目に見えるため、達成感を感じやすい
  • 読書や勉強: 知識が増えることで自己成長を実感できる
  • 料理やDIY: 形に残るものを作ることで、満足感を得られる

(2) 休日の過ごし方を工夫する

 休日に充実した時間を過ごすことで、リフレッシュしながら達成感を得ることができます。ただし、過度な活動で疲れすぎると逆効果になるため、バランスを意識することが大切です。
  • 自然の中でリラックスする: ハイキングや散歩
  • 新しい体験をする: 旅行やイベントへの参加
  • 自己成長につながる活動をする: 資格取得の勉強やスキルアップ


3.人間関係で達成感を得る方法

 人間関係においても、達成感を得ることが可能です。人と関わることで生まれる達成感は、自己肯定感の向上にもつながります。

(1) 家族や友人との時間を大切にする

 家族や友人との時間を意識的に確保し、質の高いコミュニケーションをとることで、満足感を得ることができます。例えば、家族と一緒に料理をする、友人と一緒にスポーツを楽しむなどの活動が挙げられます。

(2) 誰かの役に立つ行動をする

 人は誰かのために行動し、感謝されることで、大きな達成感を感じることができます。例えば、以下のような行動が効果的です。
  • ボランティア活動: 地域貢献や社会貢献を通じて充実感を得る
  • 職場で後輩をサポートする: 指導やアドバイスを行い、感謝される
  • 家族や友人を助ける: 相談に乗る、ちょっとした手伝いをする


まとめ

 • 達成感を得ることで、ストレスが軽減され、モチベーションが向上する
 • 仕事においては、目標を設定し、成果を可視化し、評価を受けることで達成感を高める
 • プライベートでは、趣味や休日の過ごし方を工夫し、達成感を感じる機会を増やす
 • 人間関係の中でも、誰かのために行動することで達成感を得ることができる

忙しい日々の中でも、意識的に達成感を得る行動を取り入れることで、より充実した毎日を送ることができます。

自分に合った方法を見つけ、無理のない範囲で実践してみましょう。