日常生活の中で、私たちはさまざまなストレスを抱えることがあります。特に、うつ症状や不眠といった心身の不調を経験することは、健康な人でも珍しいことではありません。こうした不調の背景には、さまざまな要因が存在しますが、大きく分けると以下の二つに分類できます。
1.考え方の癖によるストレス
2.実際に存在する大きな問題によるストレス
考え方の癖によるストレスは、認知の歪みを修正することで軽減できます。例えば、「自分は何をやってもダメだ」といった極端な思考を見直し、現実的な視点を持つことが重要です。
一方で、実際に大きな問題が存在する場合、考え方を変えるだけでは根本的な解決にはなりません。その場合、問題自体に向き合い、具体的な解決策を講じる必要があります。
大きな問題に直面したとき、そのままの形で解決しようとすると、圧倒されてしまい、手のつけようがないと感じることが多いものです。そこで有効なのが、問題を小分けにし、段階的に解決していく方法です。
この考え方は認知行動療法の一環である「問題解決技法」にも含まれています。認知行動療法には、「認知再構成」と呼ばれる考え方の癖を修正する方法もありますが、実際の問題に対応するためには「問題解決技法」を活用することが有効です。

問題解決技法の基本的な流れは、以下の3つのステップで進めます。
①問題を分ける→②簡単なものから解決する→③難しい問題を段階的に処理する
大きな問題を一つのまま捉えるのではなく、いくつかの要素に分解します。例えば、「仕事のストレスが多すぎてつらい」という漠然とした問題を、
• 人間関係のストレス
• 業務量の多さ
• 仕事の評価に対する不安
といったように、小さな要素に分けることができます。
分けた問題の中で、比較的簡単に解決できるものから着手します。例えば、仕事のストレスに関して、「デスクの整理をして作業環境を整える」「タスク管理を見直す」など、すぐに実行できる小さな行動を起こすことで、ストレスを軽減できる可能性があります。
小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、より大きな問題にも取り組みやすくなります。
簡単に解決できない問題については、さらに二つのタイプに分けます。
①まだ大きすぎる問題 → 再度分割し、解決可能な要素を探る
②解決が困難な問題 → 割り切れる部分を見つけ、少しでも対処できる方法を考える
例えば、「職場の人間関係がつらい」という問題がある場合、
• 直接の対話で解決できるか?
• 上司に相談することで状況を改善できるか?
• 異動や転職を視野に入れるか?
といったように、複数のアプローチを考えます。
また、どうしても解決が難しい場合は、「ストレスの原因をすべて取り除く」ことを目指すのではなく、「少しでもストレスを軽減する方法」を見つけることが現実的です。

問題解決技法は、日常のさまざまな場面で活用できます。
• 仕事の課題: 大きなプロジェクトをタスクごとに分解し、優先順位をつけて進める。
• 家庭の問題: 家事の負担を家族と分担し、一人で抱え込まないようにする。
• 健康管理: いきなり完璧な運動や食事制限を目指すのではなく、少しずつ改善していく。
こうした考え方を持つことで、日々のストレスを軽減し、より前向きに生活を送ることができるでしょう。
• ストレスには「考え方の癖」と「実際の問題」の2種類がある。
• 考え方の癖によるストレスは、認知再構成で軽減できる。
• 実際の問題が原因のストレスは、問題解決技法を活用して対処する。
• 問題を小分けにし、簡単なものから解決することが大切。
• 難しい問題は再度分割し、少しずつ解決できる部分を見つける。
• 日常生活のさまざまな場面で問題解決技法を活用できる。
問題解決を進める際には、紙に書き出して可視化することも有効です。頭の中だけで考えていると、問題が漠然としてしまいがちですが、紙に書き出すことで具体的に整理しやすくなります。
また、他者の意見を取り入れることも重要です。自分一人では気づけなかった視点や解決策を得ることができるため、信頼できる人と話す時間を作るのも良い方法です。
日々のストレスを軽減し、より健やかな生活を送るために、問題解決技法を取り入れてみてはいかがでしょうか。