躁うつ病(双極性障害)について

躁うつ病(双極性障害)は、気分の波が大きく変動する「脳の不調」の一種です。うつ病と非常に似ていますが、うつ状態に加えて「躁状態」がある点が大きな違いです。

本記事では、躁うつ病の症状、タイプ、診断の難しさ、そして治療法について詳しく解説していきます。

1. 躁うつ病とは?

躁うつ病(双極性障害)は、「うつ状態」と「躁状態」を繰り返す疾患 です。これらの気分の波は、数週間から数か月単位で変動することが多く、時には年単位で続くこともあります。

うつ病との違い

躁うつ病は、うつ病と似た症状を示しますが、「躁状態」が存在することが特徴 です。

  • うつ病 → うつ状態のみ
  • 躁うつ病(双極性障害) → うつ状態と躁状態の両方がある

2. 躁うつ病の主な症状

① うつ状態の症状

躁うつ病のうつ状態は、一般的なうつ病の症状とほぼ同じです。

主な症状

  • 気分の落ち込み
  • 意欲が出ない
  • 考えすぎてしまう
  • 疲れやすい
  • 何をしても楽しめない

人によっては、身体的な症状(頭痛・倦怠感など)や行動の変化(食欲減退・無気力)も見られることがあります。

② 躁状態の症状

うつ状態とは正反対の状態が躁状態です。躁状態のときには、以下のような症状が現れます。

主な症状

  • 全能感(何でもできる気がする)
  • 活動的になりすぎる(じっとしていられない、寝なくても元気)
  • お金を浪費する(衝動買い、投資の失敗など)
  • 怒りっぽくなる(攻撃的な態度をとることも)

これらの症状が激しくなると、仕事や人間関係に大きな影響を及ぼします。

③ 躁うつ病の特徴

躁うつ病では、うつ状態と躁状態が繰り返される ことが最大の特徴です。気分の波が大きいため、日常生活に支障をきたすことがあります。

3. 躁うつ病の2つのタイプ

躁うつ病には、大きく分けて 「Ⅰ型」「Ⅱ型」 の2種類があります。

① Ⅰ型(躁+うつ)

  • 特徴:躁状態が強く、目立つ
  • 影響:仕事や人間関係への影響が大きいため、早めの治療が必要
  • 注意点:躁状態が極端に強いと、入院が必要になることもある

② Ⅱ型(軽躁+うつ)

  • 特徴:うつ状態が目立ち、躁状態(軽躁)は軽度
  • 診断の難しさ
    • 軽躁の症状がわずかであるため、うつ病と間違えられやすい
    • うつ病として治療を受けていたが、実は軽躁のエピソードがあり、後から躁うつ病(Ⅱ型)と診断されることもある

Ⅱ型はうつ状態が長引く傾向があり、適切な診断と治療が重要です。

4. 躁うつ病の周期

気分の波の周期には個人差がありますが、一般的には次のようなパターンが見られます。

一般的な周期

  • 数週間~数か月単位 で躁とうつが切り替わる

型の特徴

  • うつ状態は 年単位 で続くこともある

短期間で気分が変わる場合

  • 数時間~1日単位 で気分が変動する場合は、ADHDや他の疾患の可能性も考えられる

5. 他の疾患との区別

躁うつ病と似た症状を持つ疾患もあるため、診断は慎重に行われます。

① うつ病との区別

特にⅡ型はうつ病と見分けるのが難しいため、次のようなポイントが診断のカギとなります。

  • 抗うつ薬の効果が薄い場合うつ病ではなく躁うつ病の可能性がある

② ADHDとの区別

ADHD(注意欠如・多動症)と躁うつ病は、気分の波が激しい点で似ています。

  • ADHDの特徴
    • 衝動的な行動(突発的な買い物・発言)
    • 気分の変動は 数時間~数日単位
  • 躁うつ病の特徴
    • 気分の変動は 数週間~数か月単位
    • 躁のときは「何でもできる」と思い込み、行動が過剰になる

躁うつ病とADHDが合併するケースも珍しくなく、診断には専門的な評価が必要です。

6. 躁うつ病の治療法

① 薬物療法

躁うつ病の治療には、「気分の波を安定させる薬」が使われます。

主な薬

  1. 気分安定薬(リチウム・バルプロ酸など)
    • 気分の波を抑える
    • 再発予防の効果もある
  2. 抗精神病薬(オランザピンなど)
    • 躁状態を改善する
    • 継続して服用すると、気分の波を安定させる効果が期待できる

② 生活面の治療

薬だけでなく、生活習慣の改善 も治療において重要なポイントです。

行動量の調整

  • うつのとき意識的に動く(散歩や軽い運動を取り入れる)
  • 躁のとき意識的に休む(過剰な行動を控える)

生活リズムの安定

  • 規則正しい睡眠・食事を心がける
  • ストレスをコントロールする(疲れすぎないようにする)

7. まとめ:躁うつ病とうまく付き合うために

躁うつ病は、気分の波が大きく変動するため、日常生活に影響を与えることがあります。しかし、適切な治療と生活習慣の改善によって、安定した生活を送ることも可能です。

大切なポイント
気分の波が激しいと感じたら、専門医の診察を受ける
薬物療法と生活習慣の調整を両立させる
自分の状態を客観的に理解し、無理をしすぎない

躁うつ病とうまく付き合いながら、安定した毎日を目指しましょう。