HSPまとめ【精神科医が6分で説明、アニメーション入り改善版】

HSP(Highly Sensitive Person)は、生まれつき「敏感さ」や「疲れやすさ」などの特徴を持つ人のことを指します。日々の刺激に過敏に反応しやすいため、ストレスを受けやすく、疲れ切ってしまうこともあります。

本記事では、HSPの特性、精神医学的な視点からの解説、HSPの生活面での工夫、そして受診を考えるべきタイミングについて詳しく説明していきます。

HSPとは?

HSPとは、生まれつき「敏感さ」を持つ人のことであり、心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱された概念です。HSPの人は、感受性が強く、深く考え、共感力が高いという特徴を持っています。しかし、その敏感さが原因で、日常生活でストレスを受けやすく、疲れやすいという側面もあります。

HSPの3つの主要な特性

① 深く考えすぎる

  • 物事の本質を見抜く力がある
  • しかし、考えすぎてしまい、疲弊してしまう

② 刺激に敏感

  • 常に周囲の変化に気づき、気が利く
  • その分、気を休める時間がなく、疲れやすい

③ 共感性が高い

  • 他人の気持ちを理解し、思いやりを持てる
  • しかし、相手の感情に振り回されやすい

HSPの人は、これらの特徴を持つがゆえに、日々の生活の中でエネルギーを消耗しやすく、疲れを感じやすくなります。

HSPは精神医学用語ではない

ここで重要なのは、HSPは医学的な診断名ではないという点です。HSPという概念は心理学の分野で提唱されたものであり、精神医学では正式な診断基準としては認められていません。

精神医学では、主にDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)という基準を用いますが、HSPという言葉は存在しません。では、精神医学的にはHSPはどのように分類されるのでしょうか?

HSPは「不安障害(不安神経症)」と類似していると考えられます。

HSPの特徴である「過敏さ」「ストレスに対する反応の強さ」などは、不安障害の症状とよく似ています。ただし、HSPのような症状が見られる場合でも、他の病気が原因となっている可能性もあるため、慎重な判断が必要です。

HSPと鑑別が必要な疾患

HSPと混同しやすい精神疾患や体の病気には、以下のようなものがあります。

① 発達障害(ASD、ADHD)

  • HSPと同様に「生まれつきの敏感さ」がある
  • しかし、対人関係の特徴などで異なる部分がある

② うつ病

  • 脳の機能の不調によって「敏感さ」が現れることがある
  • HSPは生まれつきの特性であるのに対し、うつ病は病歴から判断できる

③ 身体の病気(甲状腺機能異常など)

  • 甲状腺ホルモンの異常によって、敏感さや不安感が強くなることがある
  • 血液検査などで判断可能

HSPに対する精神科・心療内科の役割

HSPの症状に悩んでいる場合、心療内科や精神科を受診することで、適切なサポートを受けられることがあります。

心療内科でできること

  1. 精神医学的診断
    • HSPの症状が、不安障害などの精神医学的な診断に当てはまるかを判断する
  2. 身体の病気の除外
    • 血液検査などで、甲状腺ホルモンの異常などが原因ではないかを確認する
  3. 精神医学的治療
    • 必要に応じて、漢方薬や抗不安薬などの治療を行う

心療内科では難しいこと

  1. HSPの確定診断(医学的な診断基準がないため)
  2. 長時間のカウンセリング(希望する場合は、専門のカウンセリング施設を利用)
  3. HSPの根本治療(HSP自体は病気ではないため、精神疾患に対する治療が中心)

HSPの人が取り入れたい生活面の工夫

HSPの人は、疲れやすさを軽減し、自分の強みを活かすことで、より快適に生活することができます。

① 疲れやすさのカバー

  • 考えすぎない練習(考え込む前に、他のことに集中する習慣をつける)
  • 刺激を減らす環境調整(静かな場所を選ぶ、ノイズキャンセリングイヤホンを使うなど)
  • 対人距離の確保(無理にすべての人と関わろうとしない)
  • リラックスと休養(適度に休憩を取り、心と体をリセットする)
  • マインドフルネス(今この瞬間に意識を向け、リラックスする練習をする)

② 強みを生かす

  • 考え抜いて「本質を見抜く」力にする
  • 共感性を他者への配慮として活用する
  • 高い感受性を生かし、質の高いアウトプットを行う

HSPの人は、適切に環境を整え、自分の特性を理解することで、才能を発揮することができます。

HSPの人が受診を検討すべきケース

HSPの症状が強く、日常生活に支障をきたしている場合は、専門医の診察を受けることを検討しましょう。

受診を考えるべき具体的な例

  1. 生きづらさが強い(緊張、不安、不眠が続く)
    • 緊張を和らげる漢方薬や、不眠のための薬の処方で改善が期待できる
  2. 社会生活が困難(仕事や人間関係に影響がある)
    • 発達障害の可能性がある場合、専門医の診断が役に立つことも
  3. 心身の不調が強い
    • 二次的な精神的な不調(うつ病や不安障害)が合併している可能性がある

まとめ

  • HSPは生まれつきの特性であり、医学的な診断名ではない
  • HSPの特性(深く考えすぎる、刺激に敏感、共感性が高い)がある
  • HSPの人は、適切な生活環境を整えることで、強みを活かせる
  • 日常生活に支障をきたす場合は、心療内科の受診を検討する

HSPの特性を理解し、適切に対処することで、自分らしく生きるための方法を見つけましょう。