うつ病や適応障害の治療が思うように進まないと感じることはありませんか?
その一因として、過去の嫌な出来事を繰り返し思い出し、ネガティブな感情にとらわれてしまうことが挙げられます。
「どうしても過去の出来事が頭から離れず、思い出すたびに落ち込んでしまう……」
「気持ちが沈み、症状が悪化してしまう……」
こうした悪循環が続くと、治療がうまく進まず、回復までに時間がかかってしまいます。
そこで今回は、「嫌なことにも良い意味を見出す」という考え方をご紹介し、心の負担を軽減するための方法をお伝えしていきます。

過去の嫌な出来事は、次のような悪循環を引き起こします。
嫌な出来事を思い出す → 強いストレスを感じる → 気持ちが沈む → さらに嫌な記憶が浮かぶ
このサイクルを繰り返すことで、症状がぶり返しやすくなり、回復が遅れてしまうのです。
この悪循環を断ち切るためには、過去の出来事そのものを変えることはできなくても、出来事に対する「意味づけ」を変えることが有効です。
この考え方の背景には、弁証法的行動療法(DBT:Dialectical Behavior Therapy)がありますが、その一つの概念として「レモネードの法則」という言葉があります。
「レモンは酸っぱいが、工夫次第で美味しいレモネードにできる」という考え方です。
つまり、一見嫌な出来事であっても、意味づけを変えることで前向きに捉えることができるのです。
嫌な出来事には、次の2つの側面があります。
出来事そのものは変えられませんが、それをどう解釈するかは私たち次第です。
意味づけを変えることで、心理的な負担を減らし、前向きな気持ちを育むことができます。

例えば、受験で第一志望の学校に落ちてしまい、滑り止めの学校に進学することになったとします。
このとき、次のようなネガティブな考えが浮かぶかもしれません。
このように考えると、過去の出来事が「挫折」や「失敗」という意味を持ち続け、心の重荷になってしまいます。
しかし、意味づけを変えることで、異なる視点を持つことができます。
このように、出来事そのものは変えられなくても、捉え方を変えることで、気持ちの持ち方が大きく変わるのです。
では、どのようにすれば過去の出来事に対する意味づけを変えられるのでしょうか?
そのためのコツを3つご紹介します。
出来事を異なる角度から見ることで、新しい意味を見つけることができます。
例えば、仕事でミスをしてしまった場合、「自分はダメな人間だ」と考えるのではなく、「この経験を活かして、次はもっと成長しよう」と考えてみるのです。
過去の出来事は変えられませんが、未来は変えられます。
「今、何ができるか」に意識を向けることで、過去の出来事にとらわれにくくなります。
意味づけを変える際には、最初は違和感があるかもしれません。
しかし、「これは自分にとってプラスの出来事だった」と強引にでも考えてみることが大切です。
次第に、新しい考え方が習慣になっていきます。

意味づけを変えていく途中で、大切にしたいポイントが3つあります。
意味づけが定まるまでは、周囲のネガティブな意見に流されないようにしましょう。
自分にとって前向きになれる考え方を大切にすることが重要です。
過去の嫌な記憶がふとした瞬間に蘇ることは避けられません。
しかし、それに対して深く考えすぎず、「また思い出したけど、気にしない」と軽く受け流すことが大切です。
過去の記憶を薄めるためには、小さな成功体験を積み重ねることが有効です。
「今日は少し気持ちが楽だった」「前より前向きに考えられた」など、小さな変化を実感しながら、少しずつポジティブな気持ちを育てていきましょう。
過去の出来事にとらわれず、少しずつ新しいストーリーを作っていきましょう。
すぐには変えられなくても、繰り返すことで、気持ちは必ず軽くなっていきます。
あなたの心が少しでも楽になるよう、ぜひ今日から試してみてください。