はじめに
うつ病や適応障害の予防や治療において、睡眠の質は非常に重要な要素です。適切な睡眠が取れていないと、気分の落ち込みが悪化したり、日中の活動に支障をきたしたりすることがあります。
もちろん、必要に応じて睡眠薬を使用することも選択肢の一つですが、薬に頼らずとも工夫次第で睡眠の質を向上させることができます。また、睡眠薬を使用する場合でも、薬の効果を最大限に引き出すためには、睡眠環境を整えたり、生活習慣を改善したりすることが大切です。
今回は、睡眠の質を高めるためのシンプルな3つの対策について、わかりやすく解説していきます。
睡眠のリズムが崩れると、不眠が慢性化する可能性があります。 例えば、日中に昼寝の習慣がついてしまうと、夜になっても眠くならず、結果として寝つきが悪くなってしまうことがあります。このような悪循環に陥らないよう、「昼は活動的に、夜はしっかり休む」 という生活リズムを意識しましょう。
特に午後遅くや夕方の昼寝は避けることが重要です。どうしても眠気を感じて昼寝をしたい場合は、早めの時間に短時間(20分以内)で済ませるようにしましょう。
「早く寝よう」と意識しすぎると、かえって寝つきが悪くなることがあります。就寝時間を早めたい場合は、まずは朝起きる時間を一定に保つことから始めましょう。 それにより、徐々に体内時計が整い、自然に眠くなる時間も早まっていきます。
睡眠は副交感神経(リラックス状態)と深い関係があります。 例えば、多くの睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)は抗不安薬に似た成分を持ち、交感神経(興奮状態)を抑える作用があります。つまり、しっかり眠るためには、リラックスすることが重要なのです。

日中に活動的に過ごせても、その興奮が夜まで続いてしまうと、寝つきが悪くなってしまいます。そのため、夕方以降は意識的にリラックスする時間を作ることが大切です。
具体的には、以下のような方法が効果的です。
「寝る環境が快適かどうか」も、リラックスに大きく影響します。以下のポイントをチェックしてみましょう。
環境を整えることで、より快適な眠りをサポートできます。
不安や悩み事があると、寝る前に考え込んでしまい、眠れなくなることがあります。 これは、交感神経が刺激され、体が興奮状態になってしまうためです。
しかし、「考えないようにしよう」と意識しすぎると、逆に考えてしまうこともあります。そのため、無理に考えないようにするのではなく、考え方をコントロールする工夫をしてみましょう。

夜寝る前ではなく、日中のうちに「考え事をする時間」を確保することが効果的です。例えば、夕方までに悩み事を整理する時間を作ることで、寝る前に考え込むのを防ぐことができます。
また、「どうしても考え事をしたいときは、翌朝に回す」というのも一つの方法です。朝は思考が整理されやすく、冷静に考えられることが多いため、夜よりもポジティブな結論に至りやすいのです。
どうしても考え事をしてしまう場合は、意識的に別のことに集中するのも効果的です。
例えば、
など、自分に合ったリラックス方法を取り入れましょう。
睡眠の質を改善するために、次の3つの対策を意識しましょう。
睡眠は心と体の健康を支える重要な要素です。 日々の生活の中で、できることから少しずつ取り入れていきましょう。
うつ病や適応障害に悩んでいる方は、睡眠の工夫を取り入れることで、少しでも心が軽くなるかもしれません。無理のない範囲で、できることから始めてみてください。