はじめに
妊娠が判明したとき、多くの方が「今飲んでいる薬を続けても大丈夫なのか?」と不安になるのではないでしょうか。
この問いに対するシンプルな答えは、「薬を続けるリスクとやめるリスクの両方があるため、主治医と相談して慎重に調整することが必要」 です。
薬には症状を改善し、病状の悪化を防ぐ役割がありますが、一方で胎児への影響が懸念されることもあります。妊娠中の薬の使用については、母体と胎児の両方にとって最良のバランスを取ることが大切なのです。
本記事では、妊娠中の薬の影響や、適切な対応方法について詳しく解説していきます。

心の病気に使われる薬には、主に 「症状の改善」 と 「悪化や再燃の予防」 という二つの重要な役割があります。
うつ病や双極性障害(躁うつ病)、不安障害などの精神疾患では、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れていることが多く、薬を使うことでこれを整えることができます。
病状が一度落ち着いたとしても、薬を急にやめると症状がぶり返したり、悪化したりするリスクがあります。特に、再発を繰り返すと、以前よりも症状が重くなることがあるため、継続的な治療が重要です。
妊娠したからといって自己判断で薬を中止すると、心身のバランスが崩れ、かえって大きなリスクを伴うことがあるため、慎重に対応する必要があります。
妊娠中の薬の影響を考える際には、胎児がどのように成長していくかを理解することが大切です。
つまり、薬の成分が胎児に悪影響を及ぼす可能性がある一方で、母体の精神状態が不安定になること自体も、胎児にとってリスクになるのです。
胎児に対する薬の影響は、妊娠の時期によって異なります。
妊娠初期は、特に慎重な対応が求められます。
妊娠中の薬の使用については、以下の3つの方針が重要になります。
妊娠が判明した場合、次のような流れで対応するのが一般的です。
すぐに主治医に相談する
➡ 妊娠がわかったら、できるだけ早く主治医に報告しましょう。
現在の薬の必要性を評価する
➡ 「どの薬を減らせるか」「どの薬は継続すべきか」を判断します。
リスクの高い薬を安全なものに変更する
➡ 可能であれば、胎児に優しい薬へ置き換えます。
減薬・変更後の経過を慎重に観察する
➡ 症状が悪化しないか、注意深く経過を見ていきます。
必要に応じて再調整する
➡ 妊娠の進行に伴い、再度治療方針を見直すこともあります。
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、普段よりも不安やストレスを感じやすくなる時期です。
薬の調整だけでなく、生活習慣やストレス管理も重要になります。

妊娠中の薬の調整はデリケートな問題ですが、適切な対応をすれば、安全に妊娠・出産を迎えることができます。不安がある場合は、必ず主治医に相談し、最適な方法を選択しましょう。