鬱で休職になった方へ ― 休職の目的と進め方
うつ病や適応障害により休職を余儀なくされる方は少なくありません。「休職になったけれど、何をすればいいのか分からない」と感じる方も多いでしょう。本記事では、休職の目的や各段階の進め方、復職までのプロセスを詳しく解説します。
休職の目的
休職の目的は大きく3つに分かれます。
- 鬱症状の改善:仕事から離れ、脳を休ませ、症状の改善を図る。
- 復職:リハビリや復職準備を経て、職場復帰を目指す。
- 再燃の予防:復帰後、ストレスがかかっても再燃しない状態を作る。
まずはしっかり休むことが最優先です。その後、リハビリを経て復職し、再発防止の対策を行うことが重要になります。
休職の3段階
休職期間は大きく「前期」「中期」「後期」の3つの段階に分けられます。
1. 休養(前期)
前期では とにかく休むこと が最も重要です。特にうつ病の方は焦りを感じやすく、休むこと自体が難しく感じることもありますが、ここでしっかりと休息を取ることが回復の土台となります。
- 睡眠をしっかり取る
- 何もしない時間を作る
- 散歩や軽いストレッチで体を動かす
2. リハビリ(中期・後期)
中期以降は、徐々に体を動かし、社会復帰に向けた準備を進めます。
- 中期:仕事に関係ない活動を増やす(散歩、趣味、読書など)
- 後期:仕事に近いリハビリを行う(図書館で読書、通勤練習など)
復帰の際は フルタイム(8時間×週5日) を求められることが多いため、それに向けて徐々に慣らしていくことが大切です。
3. 振り返りとストレス対処技術の獲得(後期)
後期では、職場復帰を見据えた準備を行います。
以前の振り返り
- 以前、どんなストレスがあったか?
- 復帰後、似たストレスが起こる可能性は?
- その場合、どのように対応するか?
振り返りを通じて整理がつけば復帰しやすくなりますが、難しい場合は 配置転換 などを検討するのも選択肢の一つです。
ストレス対処技術の習得
復帰後は、再燃を防ぐためのストレス対処技術を身につけることが重要です。
- 対処法を増やす(趣味、運動、カウンセリングなど)
- 認知行動療法(CBT)(考え方のクセを見直す)
- マインドフルネス(現在の自分を受け入れるトレーニング)
会社との復帰相談(後期)
復職前には、会社と復帰の段取りについて話し合うことが大切です。
- 復職までのスケジュール確認(段階的な復帰の可否)
- 配置転換の可能性(特に適応障害の方は重要)
- 復帰条件の調整(勤務時間や業務内容の相談)
話し合いの結果、 条件が合えば復帰、難しい場合は 転職を検討する ことになります。
復帰後の再燃予防
復帰後も、再発防止のためのフォローが重要です。
- 外来フォロー:再燃の兆候がないかチェックし、必要時に介入。
- 徐々に負荷を増やす:急な負荷は再燃リスクが高いため、慎重に。
- 薬の継続:復帰後半年は同じ量を維持し、その後減薬を検討。
抗うつ薬の使い方
- 症状が改善してもすぐにやめない(再燃リスクが高まる)
- 再燃予防のために一定期間服用を続ける
- 復帰後半年を目安に徐々に減薬
社会的サポート制度
休職中・復職後に活用できる公的支援制度があります。
1. 傷病手当金(最大1年半)
- 休職中、給与の約6割が保証される
- 本人・会社・医療機関 の3者が書類を提出する必要あり
2. 自立支援医療制度
- 通院費の負担が3割→1割 に軽減される
- 医療機関の診断書をもとに 市役所・区役所で手続き
3. リワークプログラム(復職支援プログラム)
- グループリハビリで復職準備を進める
- 活動リハビリ+振り返り+対処技術獲得
- 保険適用・自立支援医療の対象になることも
リワークプログラムは、 再燃予防をしっかりしたい方、復職後に強いストレスが予想される方 に特におすすめです。
まとめ
うつ病や適応障害で休職することは珍しくなく、適切なプロセスを踏めば無理なく復職することが可能です。
- 前期はしっかり休むことが最優先
- 中期・後期はリハビリとストレス対処技術の習得
- 復職に向けて会社と相談し、スムーズに戻れる環境を整える
- 社会的支援制度を活用し、経済的・精神的負担を軽減する
焦らず、自分のペースで回復を目指しましょう。