【躁うつ病セルフケア】生活リズムを整える

はじめに

躁うつ病(双極性障害)は、気分の浮き沈みを繰り返す特徴を持つ病気であり、治療の基本は 「気分安定薬の服用」 です。しかし、薬だけでは十分ではなく、再発を防ぐためには生活習慣の見直しも重要になります。

その中でも特に大切なのが 「生活リズムを整えること」です。生活リズムは、躁うつ病の気分の波と密接に関係しており、不規則になると症状が悪化するリスクが高まります。

本記事では、躁うつ病と生活リズムの関係や、リズムを整える具体的な方法について詳しく解説します。

1. 躁うつ病とは?

躁うつ病(双極性障害)の特徴

躁うつ病は、気分が極端に落ち込む「うつ状態」と、異常に気分が高揚する「躁状態」を周期的に繰り返す脳の病気 です。

  • うつ状態:何をしても楽しくない、意欲が湧かない、疲れやすい、集中力が低下する
  • 躁状態:異常に元気になりすぎる、活動的になりすぎる、浪費が増える、睡眠時間が減る

躁うつ病は 脳の神経伝達物質のバランスの乱れによって引き起こされ、治療の基本は 気分安定薬の継続です。

再発予防には生活習慣の見直しが必要

躁うつ病は、一度落ち着いたとしても再発しやすい病気です。そのため、再発を防ぐためには、薬の服用と並行して生活習慣を見直し、安定した生活リズムを維持することが重要になります。

2. なぜ生活リズムが重要なのか?

躁うつ病と生活リズムの関係

躁うつ病では 気分の波と生活リズムが連動することが多く、以下のような影響があります。

  • 気分の波が大きくなると、生活リズムも変動しやすい
  • 例えば、躁状態になると 夜更かしや早起きが増え、睡眠時間が極端に減ることがあります。
  • 逆に、うつ状態では 長時間寝すぎたり、朝起きられなくなることがあります。
  • 生活リズムの乱れが、症状を悪化させる
  • 睡眠不足が続くと 躁状態を引き起こす可能性があります。
  • 逆に、不規則な生活で疲労が蓄積すると うつ状態が長引く原因になります。
  • 生活リズムの不安定さが、再発のリスクを高める
  • 一定の生活リズムを維持することで、気分の波を抑えることができる ため、再発の予防につながります。

このように、生活リズムを安定させることは 躁うつ病の再発予防にとって非常に重要なのです。

3. 生活リズムを整える方法

SRM(ソーシャルリズムメトリック)の活用

生活リズムを整えるための方法として、SRM(ソーシャルリズムメトリック) という手法があります。

SRMとは、毎日の生活リズムを記録し、気分との関係を分析する方法 です。

記録する項目

  • 起床時間(何時に起きたか)
  • 就寝時間(何時に寝たか)
  • その日の気分(+5(躁)~0(安定)~-5(うつ)で記録)
  • 食事の時間(朝・昼・夕の食事時間)
  • 人との交流時間(家族・友人・職場の人との接触時間)

これらを記録することで、生活リズムがどの程度一定しているか、またはどのくらい変動があるか を可視化できます。

4. 生活リズムを乱しやすい3つの場面と対策

生活リズムを一定にすることは大切ですが、日常生活の中でリズムが乱れやすい場面がいくつかあります。ここでは、特に乱れやすい3つの場面 とその対策を紹介します。

① 異動・生活環境の変化

生活リズムへの影響
  • 異動や引っ越しなどで 通勤時間が変わる と、起床時間や就寝時間が変動する。
  • 新しい環境に適応するまでのストレスで 睡眠リズムが乱れる ことがある。
対策
  • 事前に新しい生活リズムをイメージし、徐々に調整する(例えば、引っ越し前から新しい通勤時間に合わせて起床時間を変更する)
  • SRMを活用して変動を最小限に抑える

② 突発的なトラブル

生活リズムへの影響
  • 仕事や家庭で突然のトラブルが起こると、ストレスで睡眠や食事のリズムが崩れる
  • トラブルの影響で 考え事が増え、夜眠れなくなる こともある。
対策
  • 基本的な起床・就寝時間を守ることを最優先する
  • トラブルが発生した後の「リカバリー計画」を立てる(たとえば、「次の日は早めに寝る」「無理に考え込まない」など)

③ 対人イベント(飲み会・長時間の外出)

生活リズムへの影響
  • 飲み会や会食が続くと、就寝時間が遅くなり、生活リズムが乱れる
  • 特にお酒が入ると、睡眠の質が低下し、次の日の気分にも影響 する。
対策
  • 遅くなりすぎないように計画を立てる(事前に帰る時間を決める)
  • 飲み会の翌日はなるべく通常の生活リズムに戻す努力をする

5. まとめ

  • 躁うつ病は再発予防が重要であり、そのためには生活リズムの安定が不可欠
  • 気分の波と生活リズムは連動しており、不規則な生活は再発の原因となる
  • 生活リズムを整えるためには「SRM」を活用し、自分のリズムを可視化することが有効
  • 特に生活リズムを乱しやすい「異動・生活環境の変化」「突発的なトラブル」「対人イベント」に注意し、事前に対策を立てることが大切

躁うつ病と向き合いながら、安定した生活を送るためには 「無理なく続けられる習慣」を作ること がポイントです。日々の小さな積み重ねが、症状の安定につながります。自分に合った方法を見つけ、生活リズムを整えていきましょう!