はじめに
近年、発達障害の検査を受ける方が増えています。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けることで、自分の特性をより深く理解し、適切な対処方法を見つけることが可能になります。
しかし、診断を受けた後に「これからどうすればいいのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、発達障害の診断後に行うべきことについて詳しく解説します。
1. 発達障害の診断後に行うこと
発達障害の診断を受けた後、以下の5つのステップを順番に考えていくことが重要です。
- 受け入れ
- 薬の検討
- 対処法の模索
- 仕事の検討
- 障害者手帳の検討
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
2. 受け入れ(自己理解の第一歩)
発達障害の診断を受けた後、まず大切なのは「自分の特性を受け入れること」です。
診断を受けたときの心理的反応
診断結果に対する反応は人それぞれです。
- 予想していた場合:「やっぱりそうだった」と納得し、冷静に受け止めることができる。
- 予想していなかった場合:「まさか自分が発達障害だとは…」とショックを受けることがある。
- 安堵する場合:「ずっと生きづらさを感じていた理由が分かった」とホッとすることもある。
発達障害は「治す」ものではなく「対処する」もの
発達障害は脳の特性に基づくものであり、治療によって完全になくなるものではありません。しかし、適切な対処を行うことで、生活の中での困難を減らし、より快適に過ごすことができます。
発達障害と向き合うことで、長所を活かし、苦手な部分を補う方法を学ぶことができます。そのためにも、まずは自分の特性を受け入れることが大切です。
3. 薬の検討(治療の選択肢)
発達障害の診断を受けた場合、薬を服用するかどうかを検討することになります。特にADHDの方にとっては、薬の使用が症状の改善に有効 となる場合があります。
ADHDの薬
ADHDの治療薬には以下の2種類があります。
- グアンファシン:注意力の向上や衝動性の抑制に効果があるが、効果が現れるまでに時間がかかる。
- アトモキセチン:長期間服用することで注意力の持続を助けるが、副作用(眠気や吐き気など)が出ることもある。
どちらの薬も継続的に服用することで効果が期待できるため、即効性を求めずに長期的に様子を見ながら調整していくことが大切 です。
二次障害の治療薬
発達障害が原因で、以下のような二次的な精神疾患を発症することもあります。
- うつ症状:気分の落ち込みや意欲の低下
- 不眠:寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
- 対人不安:コミュニケーションが苦手で強いストレスを感じる
このような症状がある場合は、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤などが処方されることがあります。医師と相談しながら、自分に合った薬を見つけることが重要です。
4. 対処法の模索(実生活での工夫)
発達障害と上手く付き合っていくためには、日常生活の中で自分に合った対処法を見つけることが大切 です。
対処法を見つける3つのステップ
- 一般的な情報を収集する
- ADHDやASDの特性について、本やインターネット、動画などを活用して学ぶ。
- 自分の特性を理解する
- どの特性が自分にとって強く表れているかを把握する。
- 例えば、「時間管理が苦手」「衝動的に発言してしまう」など、具体的にリスト化する。
- 優先順位をつけて対策を実行する
- すぐに改善できるものから取り組む。
- 例えば、「アラームを活用して時間管理をする」「メモを習慣化する」など、具体的な行動を決める。
対処法はすぐに効果が出るものではなく、繰り返し実践しながら習慣化することが重要 です。
5. 仕事の検討(働き方を考える)
診断を受けた後は、現在の仕事を続けるか、転職するかを考えることも必要です。
今の仕事を続けるか?転職するか?
今の仕事が合っている場合
- 仕事に大きな支障がないなら、継続するのが良い。
- 診断書を提出し、職場に合理的配慮を求めるのも選択肢の一つ。
仕事が合わない場合
転職の際の3つの選択肢
- 一般枠で転職する(福祉制度を利用せずに仕事を探す)
- 障害者雇用枠を利用する(障害者手帳が必要)
- 就労移行支援を利用する(リハビリをしながら仕事を探す)
6. 障害者手帳の検討
障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)は、発達障害のある人が就労支援や福祉サービスを利用しやすくするための制度 です。
申請の条件
- 診断から6か月以上経過していること
- 医師が発行する診断書が必要
障害者手帳を取得するメリット
- 障害者雇用枠での就職が可能
- 就労移行支援を利用できる
- 税金や交通費の優遇措置を受けられる
必要に応じて、医師と相談しながら取得を検討するとよいでしょう。
7. まとめ
- 発達障害の診断後、まずは自分の特性を受け入れることが大切
- 薬の服用を検討し、必要ならば二次障害の治療も考える
- 生活の中で対処法を見つけ、徐々に適応していくことが重要
- 仕事の選択肢を検討し、必要なら障害者雇用や就労支援を利用する
- 障害者手帳を取得することで、利用できる支援の幅が広がる
診断を受けたことはゴールではなく、新しいスタートです。適切な対処をしながら、自分に合った生き方を見つけていきましょう。