統合失調症の症状が改善し、維持期に入ったとしても、生活面で大きな困難を抱える方は少なくありません。生活に無理がかかるとストレスが増大し、症状の再燃につながるリスクがあります。そのため、いかに生活の負担を減らし、再燃を防ぐかが重要な課題となります。

統合失調症は、悪化時に幻覚・妄想などの陽性症状が目立つ脳の不調を引き起こします。抗精神病薬によって症状が安定しても、生活面の障害が残る場合があります。これらは「陰性症状群」と呼ばれ、大きく分けて陰性症状と認知機能障害の2つの側面があります。
✔ 陰性症状:意欲の低下、対人関係の減少、活動の困難さなど。
✔ 認知機能障害:思考の困難、計画を立てることができないなど。
これらの症状が残ると、以下のような生活上の困難が生じることがあります。
✔ 食事や社会生活上の手続き、服薬の管理が難しくなる。
✔ 日中の活動が低下し、生活リズムが乱れる。
✔ 生活の困難がストレスとなり、症状の再燃につながる。
こうした困難に対処するためには、適切なサポートを受けながら、無理なく生活を維持することが重要です。

統合失調症の方が安定した生活を送るために活用できる、代表的なサポートを3つ紹介します。
<概要>
✔ 訪問看護の看護師が定期的に自宅を訪問し、症状の確認や生活の相談を行う。
✔ 週1回30分程度が一般的。
✔ 主治医の指示に基づき、訪問看護ステーションを通じて派遣される。
<メリット>
✔ 症状の変化を早期に察知し、適切な対応ができる。
✔ 服薬管理や健康状態のチェックを受けられる。
✔ 生活の困りごとや悩みを相談できる。
<利用の流れ>
✔ 主治医に相談し、訪問看護の必要性を確認。
✔ 訪問看護ステーションに依頼。
✔ 看護師が定期訪問を開始。

<概要>
✔ 介護ヘルパーが定期的に自宅を訪れ、生活のサポートを行う。
✔ 医療的な処置はできないが、日常生活の補助を受けられる。
<メリット>
✔ 料理や掃除、洗濯など、日常生活の負担を軽減できる。
✔ 訪問看護ではカバーしきれない生活面のサポートが可能。
✔ 一人暮らしや家族の支援が難しい方に有用。
<利用の流れ>
✔ 障害者手帳を取得(原則として必要)。
✔ 市役所の障害福祉課に相談し、障害区分認定を受ける。
✔ 居宅介護計画を作成し、ヘルパー派遣を開始。

<概要>
✔ 病院などに設置されたデイケア施設で、1日3~6時間程度の活動を行う。
✔ 手を動かす作業、運動、レクリエーションなど、多様なプログラムを提供。
✔ 最大週5回・1日6時間までの利用が可能。
<メリット>
✔ 日中の活動を確保し、生活リズムを整えられる。
✔ 他者との交流を通じて、社会的なつながりを維持できる。
✔ 体調の変化を早期にキャッチし、悪化を防ぐことができる。
<利用の流れ>
✔ 主治医に相談し、デイケアの適性を確認。
✔ 実際のデイケア施設を見学。
✔ 通所開始(最初は週1回から試すのも良い)。
これらの支援のほかにも、統合失調症の方が利用できる制度やサポートがあります。
経済的な負担が大きい場合、生活保護や障害年金を申請することで、最低限の生活を維持することができます。これらの制度は、市役所や福祉事務所を通じて手続きを行います。
働きたい方には、就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)といったサポートがあります。無理のない範囲で仕事に関わることで、社会参加の機会を広げることができます。

✔ 統合失調症では、症状が安定しても生活上の困難が残ることがある。
✔ 生活の負担やストレスが症状の再燃につながるため、適切なサポートを受けることが重要。
✔ 利用できる支援として「訪問看護」「ホームヘルパー」「精神科デイケア」がある。
✔ 主治医や自治体に相談し、自分に合った支援を活用しよう。
✔ その他にも、生活保護・障害年金・就労支援など、多くの制度があるため、必要に応じて利用を検討する。
統合失調症の療養は、長期的な視点で考えることが大切です。
独りで無理をせず、周囲の支援を受けながら、安定した生活を目指しましょう。