更年期は、女性の人生において避けることのできない節目の一つです。この時期には、ホルモンバランスの変化だけでなく、家庭や社会での役割の変化も重なり、精神的な不調を感じる人が少なくありません。その中でも「更年期うつ」は、多くの女性が直面する問題の一つです。
今回は、更年期うつについて詳しく解説し、その原因や症状、治療法についてご紹介します。
更年期うつとは、閉経前後の数年間(一般的に45歳~55歳頃)にかけて発生する抑うつ症状のことを指します。
✅ 気分の落ち込みが続く
✅ 不安や焦燥感を感じる
✅ 体の不調(めまい、ほてり、動悸など)が併発することも
更年期に起こるうつ状態は、単なる気分の落ち込みではなく、ホルモンバランスの変動や生活環境の変化が深く関係しています。そのため、一般的なうつ病と異なり、ホルモン補充療法などが治療の選択肢として考えられます。

更年期うつの原因は、大きく分けて 「ホルモンの変化」 と 「年代によるストレス」 の二つが考えられます。
女性の体は閉経に向けて、エストロゲン(女性ホルモン)が減少していきます。このホルモンの変動が自律神経に影響を及ぼし、心身のバランスが乱れることで、うつ症状や不安症状が現れやすくなります。
特にエストロゲンには「セロトニン」と呼ばれる脳内物質を調整する働きがあります。セロトニンは幸福感や安定した気分を保つのに重要な役割を果たすため、エストロゲンの減少がうつ症状を引き起こしやすくするのです。
【ホルモンの変化による影響】
🔸 体のだるさ・倦怠感
🔸 不眠・寝つきの悪さ
🔸 イライラや不安の増加
更年期の時期は、家庭や社会における立場の変化が起こりやすい時期でもあります。特に以下のようなストレス要因が重なることで、心の負担が大きくなります。
【更年期世代に多いストレス要因】
✅ 老後や健康への不安
✅ 親の介護による精神的・身体的負担
✅ 仕事上のプレッシャー(昇進・役職定年など)
✅ 子どもの独立や家庭環境の変化
これらのストレスが重なることで、心身のバランスを崩しやすくなり、更年期うつの引き金になることがあります。
更年期うつの症状は、精神的なものだけでなく、身体的な症状も伴うことが特徴です。
🔹 気分の落ち込みが続く
🔹 不安感・焦燥感が増す
🔹 些細なことで涙が出る
🔹 何をしても楽しくない(興味・関心の喪失)
🔸 ほてり(ホットフラッシュ)
🔸 めまい・動悸
🔸 頭痛・肩こり
🔸 倦怠感・疲労感
精神的な不調と身体的な症状が重なることで、「病院に行くべきか分からない」「どこを受診すればいいか分からない」と悩む方も多いですが、心療内科や婦人科で相談することをおすすめします。

更年期うつの治療法は、大きく3つに分けられます。
婦人科で行われる治療で、不足したエストロゲンを補うことで更年期症状を緩和します。
✅ メリット
・ホルモンの急激な変動を抑え、うつ症状を改善する
・ホットフラッシュや不眠などの身体的症状にも効果がある
⚠ 注意点
・血栓リスクがあるため、医師と相談が必要
・日本では欧米ほど普及していない(普及率約2%)
更年期うつが進行し、日常生活に支障をきたす場合、抗うつ薬の服用が選択肢になります。
💊 抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)
・セロトニンの働きを調整し、気分の落ち込みを改善
・不安感や焦燥感の軽減にも効果が期待できる
🌿 漢方薬(比較的副作用が少ない)
・加味逍遙散(かみしょうようさん)→ イライラ、不安感の軽減
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)→ 血行促進、冷えの改善
更年期うつは、ストレスが悪化要因となるため、環境を整えることが重要です。
🛀 ストレス軽減の方法
✅ 介護負担を減らす(介護保険の活用)
✅ 適度な運動(ウォーキング、ヨガなど)
✅ 規則正しい生活リズムを意識する
また、ストレスマネジメントを学び、適度にリラックスする時間を作ることも大切です。
✅ 更年期うつのポイント
✔ 45歳~55歳 の女性に多い
✔ ホルモンの変化 と 年代ストレス が主な原因
✔ ホルモン補充療法・抗うつ薬・ストレス対策 が治療の柱
更年期は人生の転換期でもあり、体と心のバランスを崩しやすい時期です。しかし、適切な治療やケアを受けることで、症状を軽減し、快適に過ごすことが可能です。
「ただの気のせい」「もう歳だから」と我慢せず、心療内科や婦人科で相談することをおすすめします。更年期を前向きに乗り越えるために、自分に合ったケアを見つけていきましょう!