はじめに
躁うつ病(双極性障害)は、うつ状態と躁状態を繰り返す脳の不調であり、長期的な治療が必要とされる疾患です。治療の基本は「気分安定薬の継続」と「生活面の工夫」を組み合わせ、再発を防ぐことにあります。しかし、患者自身が治療を続ける中で、長期間にわたる服薬や通院に対する葛藤を感じることも少なくありません。
本記事では、躁うつ病の治療を長期的に受け入れるための考え方や、直面する葛藤の整理方法について解説します。

躁うつ病の治療方針は、比較的明確であると言えます。主な治療法は以下の2つです。
治療を受けることで症状が改善することもありますが、再発のリスクが常に伴うため、長期的な治療の継続が重要になります。
躁うつ病の治療におけるゴールは、「完治」ではなく、「寛解(薬を続けながら安定を維持する状態)」です。つまり、症状が落ち着いたとしても、治療をやめることはできません。この点が、患者にとって大きな葛藤となる要因の一つです。
躁うつ病の治療において、多くの患者が以下のような葛藤を抱えます。
これらの葛藤をどう乗り越えるかが、治療を続ける上での大きな課題となります。
長期にわたる治療を受け入れることは容易ではありません。特に「精神科に通うこと」に対する社会的な偏見を感じることもあるでしょう。そのような偏見に対しては、以下のように考えることで気持ちを整理することができます。
仕事を続けながら治療を受ける場合、再発予防に気を配る必要があります。働き方には以下の選択肢があります。
どちらを選択するかは、症状の安定度や個々の状況によって異なります。しかし、どの働き方であっても、無理をしすぎず、適度に休息をとりながら仕事を続けることが重要です。
生活面では、再発リスクを抑えるために次のような工夫が求められます。
また、経済的な負担を感じる場合は、公的な支援制度を活用することも検討すべきです。
躁うつ病になる前に計画していた人生設計を変更せざるを得ない場合もあります。例えば、
これらの変化を「失うこと」だけにフォーカスしてしまうと、治療を続けることがより辛くなってしまいます。そのため、次のような視点を持つことが大切です。
たとえば、
といったポジティブな面にも目を向けることで、受け入れやすくなるでしょう。
躁うつ病の治療は長期にわたりますが、その中で「治療を続ける意味」を見出し、ポジティブな変化に目を向けることが重要です。

✅ 躁うつ病の治療は長期にわたるが、再発予防のためには継続が必要
✅ 治療の過程で仕事・生活・人生設計の見直しが求められる
✅ 「失ったもの」よりも「新たに得たもの」に目を向け、今に集中する
躁うつ病と向き合いながら、治療を受け入れていくことは簡単ではありません。しかし、「今できること」を大切にしながら、無理のない範囲で日々を積み重ねていくことで、より良い生活を送ることができるでしょう。