心療内科や精神科で扱われる疾患の一つに「気分循環性障害」というものがあります。この疾患は、うつ病や双極性障害(躁うつ病)と似ている部分もありますが、特徴的な違いも存在します。診断が変わることもあり、混乱する患者様もいらっしゃるため、本記事では「気分循環性障害」について詳しく解説していきます。
気分循環性障害とは、軽度の気分変動が長期間(年単位)にわたって続く疾患です。うつ病ほどの深刻な気分の落ち込みや、双極性障害のような極端な躁状態には至らないものの、気分の波が持続的に続き、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
特徴的な症状
具体的な例としては、「数年前から気分の浮き沈みがある」「トラブルがなくても気分が変動する」「周囲から気分の差が激しいと言われる」といったことが挙げられます。
気分循環性障害の診断基準は、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)に基づいており、主に以下の点が重要とされています。
診断基準(DSM-5)

鑑別疾患
気分循環性障害は、他の精神疾患と誤診されることがあります。特に以下の疾患との区別が重要です。
気分循環性障害の治療は、主に「薬物療法」と「精神療法」によって行われます。治療方針は患者様の症状や生活状況に応じて決定されます。
(1)薬物療法
気分循環性障害の薬物療法は、基本的には双極性障害の治療に準じた方法を取ります。ただし、気分の波の程度が軽いため、薬を使うかどうかは慎重に判断されます。
(2)精神療法
精神療法では、主に以下の2つのポイントを重視します。
さらに、これらの基本的な対策に加えて、ストレス管理や疲労対策を並行して行うことも大切です。

気分循環性障害は、双極性障害やうつ病ほどの強い症状は出ないものの、気分の波が長期的に続き、生活に影響を与える疾患です。診断が変わることもあり、混乱することもありますが、適切な治療を受けることで症状をコントロールすることが可能です。
気分の波に悩まされている方は、一度専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。自分に合った治療を見つけ、より良い生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。