はじめに
レンボレキサント(デエビゴ)は、依存のリスクが少ない睡眠薬の代表的な薬剤のひとつであり、オレキシン受容体拮抗薬に分類されます。
この薬は寝つきを良くする(入眠効果)と、途中で目が覚めるのを防ぐ(中途覚醒予防)両方の効果を持つため、使用される場面が多いですが、効果には個人差があることが特徴です。
不眠症は、うつ病などの精神疾患と深い関係があり、早めの治療が重要です。特に、不眠が長引くと抑うつ症状の悪化につながるため、適切な睡眠管理が求められます。
本記事では、レンボレキサントの特徴、使用方法、他の治療との比較、副作用、そして減薬の方法について詳しく解説していきます。
不眠治療のステップ
不眠の治療では、以下の3段階を踏むことが一般的です。
- 薬を使わない対策を行う(生活習慣の改善・リラックス法)
- 依存のない睡眠薬(オレキシン受容体拮抗薬)を使用する
- 効果が不十分な場合、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を検討する
レンボレキサント(デエビゴ)は、この第2段階で使用される薬に該当します。
レンボレキサント(デエビゴ)の特徴
作用の仕組み
レンボレキサントは、脳の覚醒を維持する「オレキシン」という物質の受容体をブロックすることで、自然な眠りを促す薬です。
オレキシンが過剰に働くと眠れなくなるため、その作用を抑えることで入眠を助け、夜間の目覚めを防ぐ効果を発揮します。
他のオレキシン受容体拮抗薬との比較
同じオレキシン受容体拮抗薬としてスボレキサント(ベルソムラ)がありますが、レンボレキサントと比較すると以下の違いがあります。
| 薬剤名 | 特徴 | 効果が強い部分 | 注意点 |
| レンボレキサント(デエビゴ) | 効き目が短めで、朝残りにくい | 入眠(寝つき) | 効果に個人差がある |
| スボレキサント(ベルソムラ) | 効き目が長めで、持続時間が長い | 中途覚醒の防止 | 朝に眠気が残ることがある |
レンボレキサントのメリット
- 依存のリスクが少ない(ベンゾジアゼピン系より安全)
- 朝に眠気が残りにくい(比較的スッキリ起きられる)
- 少量(2.5mg)から最大10mgまで用量調整が可能
レンボレキサントの使い方
服用方法
- 1日1回、就寝前に服用
- 開始量は2.5~5mgが標準(効果が不十分な場合、10mgまで増量可)
- 食後すぐに飲むと効果が弱まるため、食事から2時間は空ける
効果が不十分な場合の対応
- 効果が弱い場合 → 最大10mgまで増量を検討
- 朝に眠気が残る場合 → 最小2.5mgまで減量を検討
- 他の薬と組み合わせる方法も検討
レンボレキサントの副作用と注意点
主な副作用
- 朝の眠気・倦怠感:スボレキサントより少ないが、一部の人に見られる
- 頭痛・悪夢:個人差があり、気になる場合は医師に相談
服用時の注意点
- 食後すぐに服用しない(2時間空ける) → 効き目が弱くなる可能性
- アルコールとの併用は避ける → 効果が強くなりすぎるリスク
効果が不十分な場合の対策
レンボレキサントの効果が十分でない場合、以下の方法を検討します。
トラゾドンの追加
- もともと抗うつ薬だが、少量(12.5~25mg)で睡眠改善効果がある
- 特に中途覚醒の改善に有効
- ただし、朝の眠気が残ることがあるため注意が必要
スボレキサント(ベルソムラ)への変更
- レンボレキサントより作用時間が長いため、途中で目が覚める人に向いている
- ただし、朝の眠気が強くなることがあるため要注意
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬への変更
- 不眠の種類に合わせて処方される(特に強い不安がある場合に有効)
- 効果が早く、即効性があるが、依存のリスクがあるため注意が必要
レンボレキサントの減薬方法
レンボレキサントは依存性がないため、必要がなくなった場合はすぐに中止することも可能です。
しかし、安全策として、徐々に減らしていく方が安心です。
減薬の流れ
- まずは5mg → 2.5mgに減量
- 数日間様子を見て、問題なければ中止
- 眠りが浅くなる場合は、慣らしながら減らしていく
- 再び不眠が強くなった場合は、一時的に元の量に戻して調整
薬以外の対策も並行して行う
- 規則正しい生活リズムを保つ
- リラックスできる習慣を取り入れる(入浴、音楽、読書など)
- 寝る前のスマホやカフェイン摂取を控える
まとめ
レンボレキサント(デエビゴ)は、依存がない睡眠薬の中でも代表的な薬剤であり、特に寝つきを良くする効果が期待できる薬です。
- 開始は2.5~5mgから、効果に応じて調整可能
- 朝に残りにくく、依存の心配が少ない
- 中途覚醒が強い場合は、トラゾドン追加やスボレキサント(ベルソムラ)への変更を検討
- 減薬は基本的にスムーズだが、慎重に減らすのが安全
睡眠薬は単独で使うよりも、生活習慣の改善と組み合わせることが効果的です。自身に合った方法を見つけ、快適な睡眠を目指しましょう。