【ASDセルフチェック】色々な場面で出るASD2つの特徴【精神科医が9分でまとめ】

はじめに

近年、発達障害に対する認識が広がり、多くの人がADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉症スペクトラム障害)について耳にする機会が増えています。
ASDは主に「対人面の困難(社会性の障害)」と「強いこだわり」の2つの特徴を持つ発達障害であり、日常生活や仕事、コミュニケーションの場面においてさまざまな影響を及ぼすことがあります。
しかし、これらの特徴が具体的にどのように現れるのか、なかなかイメージしづらいと感じる方も少なくありません。

そこで今回は、「いろいろな場面で現れるASDの2つの特徴」と題し、日常生活や会話、仕事の場面においてどのような影響が生じるのかを詳しく解説していきます。
ASDの理解を深めるとともに、適切な対応策について考えていきましょう。

1. ASDの特徴①:対人面の困難(社会性の障害)

1. ASDの特徴①:対人面の困難(社会性の障害)

ASDの代表的な特徴の一つが、「対人面の困難(社会性の障害)」です。
これは、相手の感情や立場を想像することが難しかったり、適切なコミュニケーションをとることが難しかったりする特性を指します。

対人面の困難がもたらす影響

【日常生活】

  • 対人関係が築きにくく孤立しやすい
    人との交流が苦手なため、自然な会話ができずに孤立してしまうことがあります。
  • 無意識に相手を傷つける発言をしてしまう
    相手の気持ちを想像するのが難しく、悪気なくストレートな言葉を発してしまうことがあります。
  • 感情表現が乏しく、誤解されやすい
    喜怒哀楽の表現が控えめで、冷たい印象を持たれてしまうことがあります。

【会話】

  • 話し方や表情が不自然になりやすい
    表情をつけようと意識すると、かえってぎこちなくなることがあります。
  • 場の空気を読まずに発言してしまう
    状況を判断しづらく、場違いな発言をしてしまうことがあります。
  • 一方的に話し続けてしまう
    相手の反応を意識せず、自分の話を続けてしまうことがあります。

【仕事】

  • 曖昧な指示が理解しづらい
    「適当にやっておいて」などの抽象的な指示がわからず、困ることがあります。
  • 常識的なマナーに苦手意識がある
    敬語の使い方や適切な振る舞いがわからず、周囲と距離が生じることがあります。
  • 雑談が苦手で職場の人間関係を築きにくい
    業務内容が明確な場面では問題なくても、雑談のような自由な会話が苦手なため、人間関係の構築に苦労することがあります。

2. ASDの特徴②:強いこだわり

2. ASDの特徴②:強いこだわり

もう一つのASDの特徴として、「強いこだわり」が挙げられます。
これは、特定のルールや手順を強く守ろうとする傾向があることを指します。

こだわりの影響

【日常生活】

  • 変化に適応しづらく、混乱しやすい
    例えば、いつも通る道が工事で通れなくなると、動揺してしまうことがあります。
  • 日常の手続きや生活が困難になることがある
    予定外の出来事に対処するのが苦手で、急な変更にストレスを感じることがあります。
  • 流行や社会の変化についていけないことがある
    興味の幅が狭く、時代の変化に適応しづらいことがあります。

【会話】

  • 細かいことにこだわり、話が長くなる
    順番通りに話をしないと気が済まないため、話がくどくなりがちです。
  • 相手の意見を受け入れづらい
    自分のこだわりが強く、他者の意見を柔軟に受け入れるのが難しいことがあります。
  • 細部にこだわるあまり、要点がぼやけることがある
    重要なポイントを簡潔にまとめるのが苦手で、聞き手が理解しづらくなることがあります。

【仕事】

  • 自分のやり方に固執し、周囲と衝突することがある
    仕事の進め方に強いこだわりを持ち、自分の方法を押し付けてしまうことがあります。
  • 職場のルール変更に適応するのが難しい
    組織の方針が変わると混乱し、柔軟に対応するのが困難になることがあります。
  • マルチタスクが苦手
    一つのことに集中しすぎて、同時に複数の作業をこなすのが難しいことがあります。

3. ASDの特徴に当てはまる場合の対処法

3. ASDの特徴に当てはまる場合の対処法

ASDの特徴に当てはまるからといって、必ずしも障害と診断されるわけではありません。
症状の程度や影響の大きさによって異なりますし、他の精神的な要因(うつ病や強迫性障害など)によって似たような特徴が現れることもあります。

軽度の場合

ASDの特性は、短所と長所が表裏一体の関係にあります。
例えば、「こだわりが強い」という特性は、裏を返せば「粘り強く物事に取り組める」という長所になります。このように、自分の特性を理解し、工夫しながら活かすことが重要です。

日常生活に支障をきたす場合

もし、対人関係や仕事での困難が大きく、日常生活に支障をきたしている場合は、専門家の診断を受けることも一つの選択肢です。
医師やカウンセラーに相談することで、適切な支援や対処法を学ぶことができます。

まとめ

今回は、「いろいろな場面で現れるASDの2つの特徴」について解説しました。
ASDの特性は、日常生活・会話・仕事のさまざまな場面で影響を及ぼすことがあります。
しかし、特徴を理解し、適切な対応策を講じることで、より生きやすくすることが可能です。

自分や身近な人の特性を理解し、個々の強みを活かせる環境を整えることが大切です。
ASDに関する正しい知識を身につけ、より良い社会生活を送るためのヒントとして活用してください。